
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

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【Q&A 教えてケイタ!(上)】アンカツさんから最も印象に残ったアドバイスは?
2013/8/16(金)

リーディングへの道をみんなで一緒に駆け上がろう!
競馬ラボ独占コンテンツ「週刊!戸崎圭太」では、JRAのトップジョッキーとして活躍する戸崎圭太騎手の生の声を毎週発信!レース・騎乗馬の話題はもちろん、“ポスト・アンカツ”としての活躍が期待される中、その安藤勝己さんから直々に叱咤激励のコーナーも!?
他にも、定期的に展開するQ&Aコーナーでは、ファンからの質問にもお答えいただきます!ファンと本人の架け橋となるコーナーとして、どこよりも「ケイタ情報」を発信いたします!
地方No.1ジョッキーの名前を欲しいままにし、JRAへ電撃移籍。新たなステージで頂点を目指す戸崎圭太騎手を競馬ラボでは徹底!応援宣言します。目指せリーディング!そして、もっともっと戸崎圭太を応援しましょう!
今週の「週刊!戸崎圭太」は久々に読者からの質問コーナーを展開!注目レースに騎乗することが多いゆえ、レースの話題が続いていた連載ですが、箸休めの一環として、ファンからの質問にお答えいただきました。
-:それでは、読者からの質問コーナーを久々に受け付けたいと思います。質問が採用された方にはサイン入りレース写真もプレゼントさせていただきますよ!次回、募集があった際はどしどしご応募ください!圭太さんもよろしくお願い致します。
いまだに悔しくてしょうがないほど思い続けているレースはありますか?
戸崎圭太騎手:それは沢山ありますよね!まあ、一番はマカニビスティー(牡6、栗東・矢作厩舎)の羽田盃(S1)ですね。あれが一番悔いがあるかな。
戸崎騎手マネージャー:でも、きっとあれで勝ってたら、ダービーは負けてましたよ。
-:あの年は大井で東京ダービー、帝王賞、ジャパンダートダービーと勝ちまくった年でしたね。同年にあの3つのタイトルを制したのは史上初だったと聞きます。
圭太:そうですかね。ああ~、重賞を連勝でしたもんね。あの時は5連勝か何かしたんだよね、確か。重賞か何か。
(※その後、「この年のあの馬だ」と話がごちゃごちゃしましたが……、正しくは2011年5月~6月に羽田盃、東京プリンセス賞、大井記念、さきたま杯、安田記念、東京ダービーと重賞を固め打ちしていたのが正確な記録。マカニビスティーは2010年でした)
-:悔しいレースとして、以前、挙げられていたマイルグランプリのナイキアディライトはなしですか?
圭太:アディライトは自分の勉強にもなったレースだったので、馬や関係者には申し訳ないけれど、自分ではすごく良いレースだったというか……。
-:自分の糧にはなったレースだと?
圭太:はい。すごくあれで成長できたので。羽田盃は“どう乗っても負けないでしょ?”というレース。周りからすれば“何やってんの?”というね。そういうレースなので。あれほど悔しいレースはないかなという感じですね。

レースの間の昼休みは何をされてますか。お昼ご飯はどうしてるのでしょうか?
圭太:最近は摂るようにしてるんですけれど、お昼ご飯。
-:夏だからですか?
圭太:そうですね。だけれど、レースが開くとお腹が空いてくるんですよ、やっぱり集中しているのでね。でも、乗っている間はお腹が空かないんですよね。だから、レースの合間といっても、特にそんなに開いてないからね。開いた時はリラックスしてます。
-:多分、「昼休み」と書いてあるので、もしかしたら4と5Rの間という意味もあるんじゃないですか?
圭太:言うほどそんなにゆっくりとしている時間はないんですよねえ。装鞍に行ったり、何なりしているのでね。鞍も作ったり、準備でバタバタしてますよ。
-:この前みたいに12鞍騎乗した場合は食事を摂ったりはしないものですか?
圭太:摂るようにはしてるんですけれど、なかなか……。(食べ物を)欲しはしないですね。
-:摂らない場合もあるということですか?
圭太:全然、あります。
マ:摂ってる人の方が少ないですよ。
-:そうですか。ちなみに以前も聞いたかもしれないですけれど、1回騎乗して体重はそれぐらい落ちるのですか?
圭太:1回騎乗すると300~400gぐらい。着替えると500ぐらいは落ちてるかもしれない。
-:0.5は斤量に入ってくる単位ですよね?
圭太:そうです。だから、終わったら、レースの前に体だけ量るんですよ。だから、500減ったら、飲み物を飲んだり、鉛を自分で持ったりする。それで斤量を合わせるので。

レースでスタートする前はどんな思いですか。こんな展開で行こう、など考えながらやってるのですか?
圭太:発走前になったら、緊張しつつ、その緊張をほぐしながら挑んでいます。僕はいつも馬に愛撫をするのですけれど、「今日は無事に帰ってこようね。楽しんでこようね」という感じで声を掛けながら、リラックスしながら待ってます。
-:人それぞれだと思うのですけれど、レース前は何もしゃべらないとか決めている人とかいるのですか?
圭太:どうなんですかね。そもそもあんまりしゃべってる人はいないからね。

将来、厩務員を目指しているのですが、同じ馬に携わる仕事として、心掛けていることや自分で何かこうしようなどと、決め事がありましたら、教えて下さい。
圭太:やっぱり馬がいて、馬ありきの仕事だと思うので……。言うことを聞かなかったりした場合、馬を怒る時は怒りますけれど、感情で接するというのじゃなくて……。まあ、若い時は僕が結構そうだったんです。感情で当たってしまったりとかあったんですけれど、馬がいて成り立つ仕事なので。だから、よく愛撫したり、というのが今は増えましたよね。
-:その愛撫するというのは昔はやってなかったと。今はルーティーンの一環で、という感じですかね?
圭太:そうですね。まあ、優しく接するという感じですかね。躾じゃないけれど、優しく接しながら、育てていかないといけないですからね。
-:馬に愛情を持って接すると?
圭太:そうですね。考えながら、“愛情”という単語を忘れていました(笑)。

アンカツさんと対談をされてましたが、最も印象に残ったアドバイスは何ですか?
圭太:「手綱を短く」ですね。別に将来的に手綱を短くしないという訳ではないですけれど、取りあえずはリズムを作ってから、挑もうかなと(笑)。
-:試されて、一時、断念されたみたいですね(笑)。それでも、“やろう”という意志はあるんですね。
圭太:あります、あります!よくそれがパッと意識の中に出てきますし、短く持たないとなあ、という思いもあります。やっぱり勝己さんに言われればね、こうグッときますよね。
-:やっぱりあれは安藤さん自身が出来なかったから、やって欲しいというのもあるんですかね?
圭太:どうなんですかねえ。勝己さんって、そんなに長い手綱のイメージがないですけれどね。多分、僕に言ったと思いますよ。
-:そのほうが合ってると。
圭太:合ってるというか、それが基本だから。「もうちょっとそこを直した方が良い」という意味だと思うんです。
-:本当の指摘として言っていたということで。
圭太:ハイ。僕も納得する部分ではあるのでね。“やっぱりそうですよね?”という感じですもん。昔、川島先生(川島正行調教師)にも言われたことがあるんですよね。
-:ああ、そうなんですか。ちなみに短い人の代表例を挙げていただくと。
圭太:的場(文男)さん。
マ:内田(博幸)さんだって、そうだよ。
圭太:外国の人はみんな短いですよね。だから、基本ですね。基本なんだけれど、乗っている内に自分の乗りやすい、御しやすい、という感じで長くなっちゃったりがあると思うんです。
-:ちょっと基本から外れてしまっている訳ですね?
圭太:そうですね。
-:我々は本当に同じようには感じることはできませんが、ヒモを持つ感覚で短く持ってる方が、操作しやすいところに似ていますか?
圭太:あ~、そうです。それですね。

馬と会話出来るとしたら、どんなことを聞きたいですか?
圭太:走りたいの?
-:この前も「馬は走りたいと思っている訳がない」という話がありました。
圭太:ハイ。だから、ズブい馬こそ、走らない馬こそ頭が良いのかなと思ったりもしますね。他には走れるエンジンがあっても、走ろうとしていない馬もね。
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プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。