
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

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【ケイタのリアル反省会!】
手応え通り!ラブミーチャンでコンビ2連勝!
2013/9/8(日)

リーディングへの道をみんなで一緒に駆け上がろう!
競馬ラボ独占コンテンツ「週刊!戸崎圭太」では、JRAのトップジョッキーとして活躍する戸崎圭太騎手の生の声を毎週発信!レース・騎乗馬の話題はもちろん、“ポスト・アンカツ”としての活躍が期待される中、その安藤勝己さんから直々に叱咤激励のコーナーも!?
他にも、定期的に展開するQ&Aコーナーでは、ファンからの質問にもお答えいただきます!ファンと本人の架け橋となるコーナーとして、どこよりも「ケイタ情報」を発信いたします!
地方No.1ジョッキーの名前を欲しいままにし、JRAへ電撃移籍。新たなステージで頂点を目指す戸崎圭太騎手を競馬ラボでは徹底!応援宣言します。目指せリーディング!そして、もっともっと戸崎圭太を応援しましょう!
JRA騎手として初めて迎えた夏競馬は、福島・新潟を拠点に勢力的な活動を続けた戸崎圭太騎手。地方競馬出身のトップジョッキーゆえに、移籍後も交流重賞での騎乗依頼も多く、今夏はラブミーチャンとのコンビでクラスターCを制した。今回はその重賞制覇の話題を中心に、夏の注目重賞を回顧。次回のヒントにつながるポイントまで、しっかりと振り返ってもらった。
-:それでは、この夏も重賞で頻繁に騎乗されていたので、各レースを振り返っていただきたいと思います。このコラムでも自信のほどを語っていただいたように、クラスターC(Jpn3)でのラブミーチャン(牝6、笠松・柳江仁厩舎)は自信通りの結果でしたね。
戸崎圭太騎手:そうですね。自信はありました。というのも、あの馬が持っているセールスポイントの中でも“競馬のしやすさ”が優れているので、自信を持って騎乗できるんです。
-:「ハナに行かなくていい」とおっしゃっていたように、レースでは外枠から他の馬を行かせる形でした。
圭太:ズバ抜けて二の脚が速かったんですけれど、そこは出して行くよりは(控えて)、という感じで。
-:あの馬は「坂が苦手だ」と言われています。その点はどうですか?
圭太:それは先生(柳江調教師)からも言われていました。最後、(他馬に)追い詰められたのは坂のせいではないかなと僕も思いますし、少なからず影響はあるかなと思いますね。それでも、頑張ってくれましたね。
-:馬が走っていて、気分的に坂を嫌がるとか、そういう意味での苦手ではないですか?
圭太:そうですね。気分よりも走りの問題で。
戸崎圭太騎手マネージャー:調教でも、レースでも坂を経験する環境が少ない地方馬だから、慣れの問題もあるでしょうね。
圭太:そういうのもあるとは思います。


-:調教も平地でしかやれないでしょうからね。笠松から盛岡だと輸送距離も長いですよね。デキは前回の騎乗と比較してどうでしたか?
圭太:悪い感じはしなかったです。本当にいつも思うのは、あれだけ一線級で戦って、沢山の競馬場に行っていて、その中でああいう高い状態を維持出来るというのは、先生やスタッフさん一同が素晴らしい仕事をされているからだ、ということですね。
-:やってきた中で厩舎の方々も、慣れというか、掴んでいる部分があるかもしれないですね。
圭太:いくら馬が強いといっても、競馬では馬の状態が本当に大事なことなので、それはとても素晴らしいことだと思いますね。
-:人気があってもなくても、デキが良くないと走らないものなのですよね。
圭太:そう、そこはやっぱり大事なところだと思いますよ。


(左)Dr.コパこと小林祥晃オーナー、(中左)柳江調教師、(右)担当の森崎厩務員
-:以前から騎乗依頼のあったトーセンジョーダン(牡7、栗東・池江厩舎)の札幌記念(G2)。とにかく馬場が悪かったですねえ~。
圭太:本当に馬場は悪かったですね。位置取りは、ある程度前の方に付けようとは思っていたのですけれど、(ゲートを)出て2~3完歩目でスベったのか、馬場に躓いてしまって、あの位置取りになりましたね。思った以上に後ろのポジションだったので、向正面に入って、ちょっとずつ押し上げて行こうとは思ったんですけれど、馬場に脚を取られるような感じでした。あの日は本当に先に行った馬ばかりの決着だったので、スタートの後手は悔しかったですね。
-:もし躓いた部分がなければ、いかがでしたか?
圭太:もっと頑張ってくれていたと思いますね。直線では多少“休み明けだな”という感じはありましたが、返し馬から良い馬だとも感じました。
-:昨年のジャパンカップ以来という久々。1週前の立ち写真を見ると、見た目も太かったですよね。
圭太:まだ余裕のある作りだと思うんですけれど、それでもフットワークは良かったですよね。
-:本質的にはああいう悪い馬場もこなせるタイプであるような気がします。そこに関しては、乗っていてどう感じましたか?
圭太:多分、悪くはないと思うんですけれど、それ以上に馬場がヒド過ぎたと思うんですよね。僕もあれほど悪い馬場は初めてで、当日は他のレースも乗せていただきましたが、結構ヒドかったなと感じましたね。

-:普通の中央場所でやる道悪よりもヒドかったですか?
圭太:そうですね。
-:ファンの方は芝の上を歩ける機会は少ないのでお聞きすると、洋芝の道悪馬場の感触は、どのようなものなのですか?
圭太:田んぼ状態ですよね。田んぼは水を張っているけれど、その水を取っちゃったような状態ですね。
-:ユタカさん(武豊騎手)もその日の9Rをネコタイショウで逃げ切って、札幌記念もトウケイヘイローで逃げ切っていましたし、前への意識は、騎手のみなさんにあったんじゃないでしょうか。
圭太:そう思いますね。ただ、どこを走っても同じというか、内が悪いとか、外が良いという次元を超えているような感じだったので。
-:ということは内の先行馬が、必然的にロスなく行ければ良いということになりますからね。
圭太:そのはずですね。

-:ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)のランフォルセ(牡7、美浦・萩原厩舎)は3着でした。ここでも紹介はさせていただきましたが、正直、トーンは控え目でしたよね……。
圭太:返し馬から“雰囲気が変わったな”という良い感触がありました。そんなに前に行く馬もいなかったので、ある程度は前目で競馬をしようと思ったんです。1頭、地方の馬が来て、あれがちょっと誤算だったんですけれど、道中はスムーズに進められましたね。雰囲気も前走より良かったです。結果的には相手がちょっと強かったかもしれないですけれど、変わり身を見せたというか、いいところを見せてくれたのは良かったと思いますね。
-:もちろん結果的に勝った訳ではありませんけれど、相手関係を考えたら、現状では良い結果というか、良い競馬だったと思います。
圭太:まあ、そう思っては(3着で満足しては)ダメなのかもしれないですけれど、良さというか、前走よりも良くなっていたことはよかったと思いますね。
-:良くなった部分とは、フットワークですか?
圭太:フットワークだったり、走りのまとまりだったり。あとは落ち着きもありましたね。
-:新潟2歳S(G3)のマキャヴィティ(牡2、美浦・萩原厩舎)は残念ながら大敗でした。
圭太:テンションが高かったですね。ゲートでもガッチャガチャになってしまって……。返し馬から、前走よりも興奮しているなとは思ったんですけれど、ゲート裏に行ったり、ゲートの中に入ったりすると、余計にテンションが上がってしまって。それでも、ちょっと遅れはしましたけれど、ゲートは出てくれて。道中も引っ掛からず、カッとせずに行けたんですけれど、そのテンションの高さが影響してしまったとは思いますね。
-:改善すべきところはどう感じますか?
圭太:もうちょっとテンションを直したほうがいいですね。まだ頑張り過ぎてしまうような、スイッチが入ってしまうようなところがあるので、そういうところは、競馬を経験しながら覚えていってくれればと思いますね。
-:でも、2走前はそういったところはなかったんですよね?
圭太:そうですね。初戦では返し馬からそういうところがあったと聞きますが、2走目、3走目は良かったですからね。ちょっと今回はまた……、課題があったかなと思いますね。
-:以前はダートの適性を語ってもらいましたが、芝の道悪はどうですか?
圭太:う~ん、芝での良い素軽さというよりは、パワーを感じるので、そういうのも良いのかなと思いますね。時計の掛かる馬場も良いんじゃないかなと。

■戸崎圭太NEWS-
★夏競馬中は福島、新潟、盛岡、函館、門別などに遠征。遠征中は調整ルームに入る前に、ご当地グルメを楽しんでから、入室されていたそうです。函館では、北海道に行ったことがなかったというご両親を招いて、家族団らんの一時を過ごされたとのこと。
★尊敬するイチロー選手の日米通算4000本安打について
「『4000本を打ったことよりも、8000回以上は悔しい思いをしてきている。それと常に自分なりに向き合ってきた事実はある。誇れるとしたらそこかな』という発言が、良いなあと思いましたね。普通じゃ、4000本で浮かれてしまって、そう冷静に言えるというか、難しいと思うんですよね。あれは心に残りましたね。自分もいつかそんなコメントをしたいですね(笑)」
また、同じアスリートとして、記録や成功と失敗については
「やっぱり成功することばっかりではないので。まあ、失敗は少ない方が良いんですけれど、結局、そういう失敗をして、それをどう感じるかにもよると思うんですよね。失敗をしたから、“もういいや”と開き直ったらダメだと思うんです。反省をして、そこで成長をして、そして、また成功に繋げるという、そういう重みもあるのかな、とコメントを聞いていて感じました」と分析をされていました。
★この秋こそG1制覇へ!エバーブロッサムとローズS(G2)へ参戦!次回は9月12日(木)に更新いたします!

プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネルを開設。