週刊戸崎圭太

がんばれ圭太!

リーディングへの道をみんなで一緒に駆け上がろう!

競馬ラボ独占コンテンツ「週刊!戸崎圭太」では、JRAのトップジョッキーとして活躍する戸崎圭太騎手の生の声を毎週発信!レース・騎乗馬の話題はもちろん、“ポスト・アンカツ”としての活躍が期待される中、その安藤勝己さんから直々に叱咤激励のコーナーも!?

他にも、定期的に展開するQ&Aコーナーでは、ファンからの質問にもお答えいただきます!ファンと本人の架け橋となるコーナーとして、どこよりも「ケイタ情報」を発信いたします!

地方No.1ジョッキーの名前を欲しいままにし、JRAへ電撃移籍。新たなステージで頂点を目指す戸崎圭太騎手を競馬ラボでは徹底!応援宣言します。目指せリーディング!そして、もっともっと戸崎圭太を応援しましょう!



競馬ラボで3月に実現した対談以降も、プライベートでの親交の場を設けた安藤勝己元騎手と戸崎圭太騎手。その際、「次は重賞を勝ったらメシを食おうな」という安藤氏の誘いにより、対談を兼ねた祝勝会が実現!今回の【週刊!戸崎圭太】は、「番外編」として両氏の対談を掲載!奇しくも、その当日に戸崎騎手が京成杯AHを制し、宴に華を添える形になった祝勝会。戸崎圭太が標榜する大騎手・安藤勝己、名手が認める後継者・戸崎圭太。互いを認めあう二人だからこそ、リラックスムードの本音で語り合える濃密なトークをお届けします!

移籍後、重賞初制覇の祝勝会当日に重賞V

(京成杯AHレース後。都内飲食店にて、まずは乾杯の掛け声で祝杯をあげる両者)


戸崎圭太騎手:しかし、雰囲気の良い店ですねえ~。興奮してきましたよ。

-:そんなに行かないんですか、こういうところ?

圭太:逆に居酒屋とかの方が好きですからね、ワイワイガヤガヤした方が。

安藤勝己元騎手:こういう雰囲気が合わねえなあ。地方出身騎手には合わねえ、ハハハ(笑)。カッコつけたところはダメだわ。

圭太:僕も落ち着かないです(笑)。

勝己:似合わねえもん。地方は周りの人間がそういうヤツばっかりだから。ましてやシャンパンなんか合わねえよな、ハハハ(笑)。生ビールとか焼酎だよ。シャンパンの後にワインなんてなあ。そういうコースじゃないよな。

圭太:1回、何かの食事で普通にビールを飲んで、「焼酎お願いします!」と言ったら、焼酎を置いてなくて。雰囲気の良い店で、すげえカッコ悪かったんです。

勝己:夏に新潟とか行くと焼酎だな。

圭太:こっちとは全然、(味が)違いますね。

勝己:今年は函館に行くの不便やったやろ?飛行機が函館~新潟だと嫌になるわなあ。

圭太:函館から新潟はまだ、飛行機の乗り換えで早かったんですよ。新潟~函館が間に合わなかったですね。1泊してきましたけれど。というより、今年は函館の馬場がグチャグチャで。

勝己:ヒドかったなあ、最後な。

-:「重賞の祝勝会」と銘打った会の日に、圭太さんは京成杯AHを勝たれるとは。おめでとうございます。安藤さんはレースを見られて、どうでしたか?

勝己:今日はすごく流れに上手く乗って、楽な展開やったな。オレは、あの馬の競馬をしっかり見たことなかったんやけど、あんなにスムーズにスッと動いていくんやね。

圭太:そうなんですよね。

勝己:ちょっと気が良過ぎるかもしれんな。

圭太:元々、そういうところがあったんですけど、落ち着いてきたんですよね。

勝己:今日は流れも良い流れになったから、あとはスローになったときにどういう競馬になるかやろな。

-:今まで馬の特性を認識されていなくても、今日見ただけで気が良過ぎるというのはわかるものですか?

勝己:4コーナー手前から動いていく時が、楽にスッと上がっていったからな。結構な流れで行ってて、なるべくずっと我慢して、ゴーサインを出してないけど、スッと動いて行ったからね。

-:やっぱりわかるんですね。

圭太:ねえ、スゴいね。


-:圭太さん自身で、今日のレースを振り返ってもらうといかがでしたか?

圭太:やっぱり折り合いが難しい馬だったんですけれど、外に行く馬がいたので、そこは良かったですね。“ある程度ペースは流れるな”と思っていましたし、あんまり行き過ぎても、最後(脚が)なくなっても嫌なので。でも、52キロがすごく良かったと思うので、ある程度は流れに乗って、リズムを崩さないように行こうと思いましたね。

-:52キロはちょっと恵まれましたよねえ。

圭太:そうですね。“ああ、ラッキー”と思いましたね。

-:レース前に話を聞かせてもらって、「性格面が落ち着いてきた」とおっしゃっていましたよね。生のパドックで、エクセラントカーヴ(牝4、美浦・堀厩舎)を見るのは初めてだったんですけれど、それでも“本当に落ち着いてきたのかな?”という心配がありました。

圭太:そうなんですよ。結構、パドックや返し馬でも、ヤンチャでうるさいんですけれど、ゲートに入ったら大人しくて、ポーンと出ていきます。それでもペースが遅かったりすると結構、(折り合いが)キツいんですけれど、今日は(流れていたから)本当にピタッと納まりましたね。

-:戦前は「新潟・東京の方が良いんじゃないか」とのことでした。それでいても、この馬の機動力や、キレを考えると、中山でも大丈夫なんじゃないか、と期待していました。

圭太:レースがしやすいところがあったから、中山でもやれるのかなと思ってましたね。

-:レース展開であんまり戸惑うことはなかったですよね。

圭太:ああ、今日はなかったですね、流れてもくれたし。まあ、あんまりスローでゴチャゴチャすると、どうかなと思いますが、そこは流れてくれましたからね。


G1馬になるために、本当に必要な要素

奇しくも、この日の京成杯AHで人気を集めていたのが、安藤勝己が手綱を取り続けてきたダノンシャーク。また、関西ではスプリンターズSの最重要ステップレースであるセントウルSにロードカナロアらも参戦。秋のG1戦線を占う前哨戦を通して、G1・22勝の大騎手が、各馬の解説、名馬に必要な要素を語ってくれた。

勝己:それと、京成杯はダノンシャーク(牡5、栗東・大久龍厩舎)が随分と成長したわ。内田(博幸騎手)がゲートで結構出していったけど、前のあの馬は、何かしたらガーンと行きよったもん。だから、スゴく軽い馬で、スゴく切れるんや。前はそういうところがあったけど、今日は上手く流れに乗ってたし、あんだけ出していって、確実に来るようになった。良いモノを持っていて、正直、開幕週の馬場とかは合うけど、スゴく軽すぎる。追ってシャッと来るだけで、もうひと伸びがないね。

圭太:そういう馬って、逆に出していって良い位置を取るよりも、タメていった方が良いと思うんですけれど、どうなんですかね?

勝己:前はそういう感じやった。やっぱり後ろからじゃ間に合わねえしな。今日は内田が結構出していってるなと思って。それでも上手く折り合いが付いたから、随分とこの馬、落ち着いたなと。だけど、もうワンパンチないな、追ってから(ワンパンチが)足りねえから。

圭太:斤量差もあったから余計ですね。あれが軽かったら、スコーンと来ちゃうんだろうけれど……。

勝己:だけど、GⅠとなると足らねえぞ、アレじゃ。やっぱり追ってから、もうちょっとある馬じゃないと。そういうところはあるよな。

圭太:上手くタメて切れる馬というのは、スッと(手綱を)放して、スッと(脚を)使うけど、そこからの脚がないですね?

勝己:一瞬だけやから。それこそ内で出られんでいる時の方が、かえって良い結果が出るから。“ああ~、出れねえ”と思って、パッと前が開いた時にビューンと。

戸崎圭太騎手マネージャー:勝つと強いように見えるんですよね、そういう馬は。

勝己:反対に外を回って自分から動くと、全然、足らないんだよな。


マネ:だから、この前のハープスターみたいに、なかなかエンジンが掛からないのがいいんですかね。

勝己:岩田のロードカナロア(牡5、栗東・安田厩舎)でも、短距離のくせに追ってから渋太いからね。だから、本来、あの馬は距離は保つんだよ。マイルとか、東京なら2000でも、それなりにもつんじゃない?そんな気がするわ。

-:それぐらい(2000m)まで、距離適性はありますか?

勝己:うん、思うな。お利口だもん。

圭太:見てて1200は逆に短いんじゃないか、という気はするんですよね。

勝己:精神的にも、そういうタイプの馬やないからね。かえって、休み明けの方が動きがモタモタした感じで、使った方が良くなってくる馬だから。

圭太:ああ、そうですね。

-:前に「ロードカナロアはちょっとズブさがある」とおっしゃっていましたね。

勝己:うん。だから、ああいう点は、(ロードカナロアの父である)キンカメがそういうタイプやもん。あの馬はズブいところを持っとるから、休み明けや新馬もそうだった。ユタカ(武豊騎手)で2戦目を勝ったけど、“それ程、大したことねえな”と思うような馬やった。それが何戦目かでコロッと変わって。本当にそういう馬の方が伸びてくるな。あんまり気の良い馬、新馬戦からブッちぎって勝っちゃうような馬は、かえって成長しねえなあ。

-:あの産駒の新馬戦だと、人気してコケるじゃないですけど、1回使って2戦目で勝ったりというパターンが多いですね?

勝己:ああ、そうだね。反対にディープの子なんかは、最初に走らなきゃあんまり大したことねえんだよ。ディープの子やったら、それぐらい気が良いんだよな。ただやっぱり、ディープに似てねえような子が出た方がいいのかもしれん。キズナなんかは、ユタカは「似てる」と言うけど……、乗った感触はもちろんわかんねえんだけど、レース振りを見ると似てねえと思うんだよな。追ってからの方が良いから。すぐに反応しねえもんな、あの馬。

圭太:エバーブロッサムも全然、反応しないんですよね。どこかモタモタしていて、(エンジンが掛かったら)良い感じなんですよね。だから、いつも不安になって、あんまり何かをやり過ぎるとカッーとなるんじゃないかと心配していたんですけれど、全然そういうところはなくて……。

勝己:中にはそういう馬いるもんな。


-:ディープ産駒の中でも、京都の芝1800ような究極な軽さを求められるところに適性がある馬と、追ってからのタイプなど、色々と出てきているというか?

勝己:色々なタイプが出てきたね。キンカメなんかも色々なタイプがいるから。あれは繁殖の方を出しているんだろうな、どっちかと言ったら。キンカメはサンデー(サイレンス)の肌が多いじゃない?血統的に付けられるから。サンデーって、ちょっとイライラとした個性的な馬も多かったし、そういう部分でキンカメもちょっとオットリとしてるから、母親のイイところを出して、短距離からダートまで色々なタイプが出とるからな。

マネ:サンデーの何がすごいって、気性ですよね。引っ掛かっていくぐらいのレースを止めない気性ですよね。

勝己:やっぱり出世する馬って、気性が一番。オグリ(キャップ)もキンカメも、気性がすごい似てる。だから、すごく安心して乗ってられる。余計なところでイライラしないし。

圭太:乗ってて安心させる馬って、やっぱり強いですよね。

勝己:何か心配がある馬って、絶対マイナスやから。ゲートでもどれだけ入っとったってジッとしてるし、開いたらボーンと出る、やっぱりそういう気性の馬でないと、ここ一番で安心して乗ってられないんだよな。みんなそれなりにセンスがあるけど、最終的にスゴい馬になるのは気性が良い馬。気が良過ぎるんやなくて、良い意味でズルさを持ってないと、ドッシリとしたところなんかね。その点、ロードカナロアなんて、そういうところを持ってると思うな。返し馬を見たって“これで何で走るの?”というカチャカチャとした走りで、全然体を使わず、脚を出さねえで走るから。それでも、レースでは出す時はサッと行くし、止めたらスッと止めるし、だから、自分の思うような競馬になるわな。
(対談はPart.2に続く)

戸崎圭太NEWS-
・9月25日(水)発売の月刊誌「優駿」にバスケットボールの田臥勇太選手との対談が掲載されるそうです!!

・次回の「週刊!戸崎圭太」は10月2日(水)頃に安藤勝己氏との対談Part.2を公開予定です!!