あと3勝。現在、JRA通算897勝として、メモリアル勝利が近づく戸崎騎手。今週は2歳新馬戦で騎乗予定だった評判馬の除外もあったが、土日で15鞍を予定している。中には中京記念からのステップアップを狙うリライアブルエースなどの騎乗も控えるが、1勝に終わった先週のうっぷんを晴らすプレーを期待したい。

素質認めるリライアブルエースと3度目の正直なるか?

-:今週もよろしくお願いします!土日ともに新潟での騎乗となりますが、注目レースといえば関屋記念(G3)リライアブルエース(牡5、栗東・矢作厩舎)とは3度目のコンビとなりますね。

圭太:前走もグレーターロンドンのように強敵がいた中でいいレースはしてくれたと思います。コース形態も大きな差はありませんし、引き続き楽しみです。

-:コースは同じ左回りのマイルですが、今回は馬場が変わりますね。前回は荒れ馬場、今回はずいぶん綺麗な馬場状態で。

圭太:そうですね(笑)。どちらが向いているかといえば、綺麗な馬場でやらせてあげたいタイプ。ただ、その分、前が残りやすくなるのは明らかですから、流れが向いてくれたら。

戸崎圭太

-:枠などは選ぶタイプでしょうか?乗られていない当時は、けっこう狭いところを割って出てくるイメージもありました。

圭太:う~ん、そこですよね。どうも映像を観ると、以前は手応えがいいくらいで、折り合いが難しいのかと思ったのですが、前向きさに欠けるというほどではないものの、やや促すくらい。それだから、広いところに出してあげないと競馬はしづらいですよね。スパンと切れるほどの脚があれば、狭いところにも突っ込めますが。

-:その違いはどういったところに来るものなのか…。

圭太:どうなんでしょうね。なんともわかりませんが、前回も動ける状態ではありましたが、もう少し余裕はあるかなとも思ったのも事実です。

-:全兄も夏の重賞を勝っていましたが、血統的にも陣営の期待も大きい馬かと思います。

圭太:そうですね。重賞でやれて不思議ではない馬ですから、いい結果を残したいです。

-:関屋記念の一つ前、柳都ステークスのミッシングリンク(牝4、美浦・斎藤誠厩舎)は前回が大出遅れ。よく落馬しなかった、というレースですね。

圭太:もともとはゲートが上手なくらい。気を抜いていたわけではありませんが、僕も驚きました。馬の前(脚)が出ていっていかなかったですね。

戸崎圭太

▲前回は落馬寸前のアクシデント ミッシングリンクと巻き返しを誓う

-:今回はゲートの心配はいらないかと思いますが、福島から新潟へ替わります。コース替わりに不安はありますか?

圭太:いや、コーナー4つさえあれば、このクラスならそこまで問わないと思います。チャンスだと思うので巻き返したいです。

-:同じく日曜から、7R(3歳500万下)のアルミレーナ(牝4、美浦・国枝厩舎)は2走前に乗られていました。今回は乗られていない前走に続いての距離(1800m)になりますね。

圭太:終いからのレースにはなると思いますが、いい脚がありますからね。最初乗せてもらった時は1400くらいがいいかと思いましたが、前走の感触なら1800でも、とは思います。

-:土曜の騎乗馬では、最終レース(3歳500万下)のトーセンアンバー(牝3、美浦・菊沢厩舎)はどうでしょうか?もともとは阪神ジュベナイルフィリーズにも出走したほどの実績の持ち主ですね。

圭太:前回、初めて乗せていただきましたが、いい馬ですね!後方からの競馬だったので、福島コースでは間に合わなかったのですが、フットワークはこのクラスにいる雰囲気ではなかったですよ。

戸崎圭太

-:同じく3歳牝馬で、三面川特別のウラヌスチャーム(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)は前走が大接戦を制しての差し切り勝ちでした。

圭太:前回は具合もよかったですし、前向きさもありました。どうしても序盤はゆったり走らせたいタイプですが、こちらの扶助にもいい反応をみせてくれました。

-:デビュー戦は新潟でしたが、個人的には、コースが替わるのは気になっています。

圭太:大きく変わらないと思いますが、どちらかといえば、あまり時計が速くなるとどうか、というところはありますね。

900勝まで3つ!節目の勝利なるか?

-:先週のレース回顧もお願いします。レパードステークス(G3)アドマイヤビクター(牡3、栗東・友道厩舎)はどうでしたか?

圭太:キャリアも浅かったので、スムーズな競馬を心がけていたのですが、後手を踏んだ上に挟まれる形で位置を取りづらかったですね。

-:血統的には、フットワークの大きなルーラーシップの産駒で、内枠だけにそこが引っかかりました。

圭太:でも、スムーズに流れに乗れていればよかったでしょうからね…。まだ、身体の緩さもありますし、それでいながらこれだけ走れているのですから、今後が楽しみな馬だと思います。

戸崎圭太

-:リビーリング(牡3、美浦・萩原厩舎)はやはり折り合い面というか、精神面が課題でしょうか?

圭太:具合がよかっただけに、行きっぷりも良すぎてしまったのかもしれません。前回は上手くハミが抜けたのですが、今回はそういかなかったですね。それでも、ハイペースを先行して、2着に粘っているように力はみせてくれました。勝ちたかったところですが、相手も強いですからね。

-:クリノヴィクトリア(牝4、美浦・高市厩舎)は外枠が難しかったのではないかと思いました。

圭太:そうですね。センスで競馬ができる馬で、もっとごまかしがきくような競馬をできればよかったのですが、外枠が競馬はしづらかったです。それでも、ギリギリのラインを保って運べたと思いましたが、最後はちょっと厳しくなりましたね。

-:新馬のマイディアライフ(牡2、栗東・高橋忠厩舎)は2着同着。ちょっとモサモサしていましたか。

圭太:いい馬ですよ~。ちょっとおっとりしていて、もう少し距離があっていいかもしれません。一度使った上積みもありそうですし、今後が楽しみじゃないでしょうか。

-:アビーム(牝3、美浦・加藤征厩舎)は逃げ切り勝ちでしたね。

圭太:未勝利戦とはいえ、強かったです。スタートもよく、二の脚もよくついてくれました。申し分ないレースぶりでしたね。

戸崎圭太

-:先週土曜最終レースのトークフレンドリー(牡3、美浦・田島俊厩舎)はどうでしたか?個人的には気になった馬です。

圭太:素質はありますし、躍動感のある走りをしますね。ただ、レースに集中したり、気を抜いたり、ハミをとったり、抜いたりと幼さのある印象。乗り味だけなら、このレベルではないのですが。

-:レーヴドリーブ(牝3、栗東・高野厩舎)は1番人気でしたが、4着でしたね。

圭太:道中少し行きっぷりがよかったですね。51kgの斤量でしたし、何とか結果を出したいところでしたが…。

-:同じ3歳未勝利でいえば、アモーレミオ(牝3、美浦・勢司厩舎)も4着でした。

圭太:やっぱり気性が前向きすぎますね。もう少しリラックスして走れるといいのですが…。

-:次週は佐賀のサマーチャンピオン(Jpn3)ヨシオ(牡5、栗東・森厩舎)に乗られますね。

圭太:ええ、もともとは短いところを走っていたくらいですし、決してこの条件が駄目なわけではありません。ただ、一気の距離短縮なので、そこに戸惑わないか心配ですね。

-:ちなみに、話題は替わりますが、6月から新種牡馬もデビューしていますが、一つ前の世代、オルフェーヴル産駒やロードカナロア産駒の印象はどう感じられますか?

圭太:オルフェーヴルは前にも言ったかもしれませんが、両極端なイメージですね。エポカドーロ(牡3、栗東・藤原英厩舎)のように乗りやすい馬もいれば、全くハミをとらない馬もいますから(笑)。タイプ的にはダートもよさそうかな。ただ、爆発力というか、奥の深さはロードカナロアより、オルフェーヴルのほうがあるのかもしれません。ロードカナロアも数が多くて、色々な馬がいるイメージですが、乗りやすさは一貫しているかもしれませんね。

-:そして、JRA通算900勝まで、あと3勝ですね。

圭太:あっ、そうなんすね…。

-:まあキリがいいほうの節目ではないかもしれませんが、注目されているファンも多いと思います(笑)。

圭太:そうですね!何とか今週達成したいです。頑張ります。

-:僕は先週が厳しいかと思っていたので(笑)、今週は頑張ってほしいところです。また来週もよろしくお願いします!

圭太:ありがとうございます。

(聞き手:競馬ラボ・小野田)

※次回は8月17日(金)に更新予定です!