
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

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【高松宮記念】対応力を感じたリアルインパクトの前走
2014/3/28(金)

リーディングへの道をみんなで一緒に駆け上がろう!
競馬ラボ独占コンテンツ「週刊!戸崎圭太」では、JRAのトップジョッキーとして活躍する戸崎圭太騎手の生の声を毎週発信!レース・騎乗馬の話題はもちろん、“ポスト・アンカツ”としての活躍が期待される中、その安藤勝己さんから直々に叱咤激励のコーナーも!?
他にも、定期的に展開するQ&Aコーナーでは、ファンからの質問にもお答えいただきます!ファンと本人の架け橋となるコーナーとして、どこよりも「ケイタ情報」を発信いたします!
地方No.1ジョッキーの名前を欲しいままにし、JRAへ電撃移籍。新たなステージで頂点を目指す戸崎圭太騎手を競馬ラボでは徹底!応援宣言します。目指せリーディング!そして、もっともっと戸崎圭太を応援しましょう!
前走のオーシャンSでは、まさかの大出遅れ。それでも初の1200m戦でしぶとく追い詰めたリアルインパクトが高松宮記念に駒を進める。地方競馬在籍時代にタッグを組んでG1を制したように、戸崎圭太騎手を語る上で欠かすことの出来ない存在ではあるが、2走前の阪神カップではバトンを譲ったライアン・ムーア騎手によって、その安田記念以来の勝ち星を上げられるなど、酸いも甘いも噛み分けた存在でもある。混戦ムードのスプリント王決定戦で、唯一のG1馬の意地をみせられるのか?そして、鞍上が主戦騎手としての手腕をみせつけられるのか、真価を問われる一戦に挑む。

-:オーシャンS(G3)のリアルインパクト(牡6、美浦・堀厩舎)は初の1200でしたが……。
圭太:スタートの失敗です。それに尽きます!
-:パトロールビデオも拝見しましたが、どんな状況でスタートを切ることになったのでしょうか。
圭太:ちょうど頭を下げた時に(スタートを)切られてしまって。最近はゲートで大人しかったんですけどね。まあ、もともとゲートでジッとしている馬ではなかったので、僕が安田記念を勝たせていただいた時もスタートだけは気を付けてはいたんですよ。
そもそも、それまでも出が今一つだったくらいでね。あれだけ出遅れると、1200mで致命傷ですね。その後はちょっと開き直って、1200にどれだけ対応出来るのかな、と考えて乗りましたけど……。そう言った面ではあれだけ遅れて外を回って、ちょっと3~4コーナーの荒れた部分でリズムを崩しつつも、直線で盛り返しているので。そう言った意味では1200にも対応できるんじゃないかなと感じました。戦前に思っていたよりもこなせますね。
-:今までの競馬を見ると、もう少し前に行って粘り込むとタイプではあるんですよね。それほど終いがスパッと切れるタイプではないでしょうし。
圭太:う~ん、ちょっとゲートを出てどんな競馬をするのかが楽しみだったのに、あんな事になってしまったんです……。
-:逆に1200のスピードの中で、前に行ってどうか、というのが?
圭太:でも、前には行けないと思うんですけどね。純粋なスプリンターと混じったらね。ただ、オーシャンSはああいう中でも良いレースができたとは思っているので。
-:悪い中でもそれ相応の競馬ができたということですね。
圭太:はい。確かに忙しいことは忙しいですけど、丸っきりやれない訳ではないと思うので、楽しみにはしています。つまり、どこかの適性が突出しているタイプではなく、何にでもこなせちゃうタイプではあるかもしれないですね。

-:本質的には2000ぐらいの方が良い感じがするんじゃないかと思いますが。
圭太:う~ん。まあ、こなすとは思いますけど……、そこは血統もあるんじゃないでしょうか?僕も中央に来てから、血統の重要性を感じさせられる部分はあるので。そこを結構大事にするという訳じゃないですけど、血統の影響力は結構ありますよね。
-:そういうことが予備知識として入ってきたからこそ、そう思う部分もあるんじゃないですか?
圭太:だけど、アジアエクスプレスも「距離が、距離が」と言われても、全然僕はそういう意識はないので。まあ、血統の知識についてはまだまだ勉強だと思っていますし、ハハハ(笑)。結局やってみて、やっぱりダメだった、じゃ遅いと思うんでね。
-:また、地方の時とは違って、コースの違いもありますからね。
圭太:そうですね。まだまだ、そういうところは勉強していかなきゃいけないのかなと思いますけどね。
-:前回もそうだったかもしれないですけど、次は前回のメンバーにプラスでコパノリチャードがいたり、割と前が忙しくなりそうな雰囲気もあるメンバー構成ではあると思います。その点でやりやすさはあるという感じはしますが。
圭太:そうですね。まあ、僕は良いイメージで臨めるので、気楽な立場で一発を狙いたいと思っています。それに、そんなに抜けた馬というのはいなくなりましたから。そう言った面でも、付け入る余地はあるのではないかと思っています。
-:やっぱり中京も、純粋にスプリンターと言うよりは少し長めのアドバンテージがないといけませんからね。そういう意味でも他のスプリンターよりはアドバンテージのあるコースだと思います。
圭太:確かにね。
-:レースへ向けてのまとめの一言もお願いします。
圭太:前回はああいう形になりましたけど、良い印象を持てましたし、G1でも抜けた存在もいないですし、思い切ってやってきたいなと思いますね。
-:アスカクリチャン(牡7、栗東・須貝尚厩舎)が日経賞(G2)に向かいます。前々走のアルゼンチン共和国杯以来の騎乗となりますが、改めてレース自体を振り返っていただけますか?
圭太:競馬も上手でしたし、力があると感じましたね。
-:前回に伺った時も「良い印象がある。好きな馬だ」とおっしゃっていましたが、前回の香港を見て、感じるところはありましたか?
圭太:といっても、初めての海外遠征でしたからね。そういう要因があったと思いますから、今回は改めて楽しみにはしていますよ。
-:これまでは2000m前後の競馬が多かったのですが、距離的にも2500は合っている感じでしょうか?
圭太:良いんじゃないですか。長丁場は持って来いじゃないですか。
-:しかも、今の時計の掛かる力を使う馬場は?
圭太:ええ、良いと思いますよ。

-:前回は初騎乗でしたけど、先生からは何かアドバイスはありましたか?
圭太:「長い脚を使うタイプ」ということは言われましたね。それにしても、強かったですね。走る印象を受けました。
-:前回こそ残念でしたが、この馬の良さというか、色々な所に行っても力を発揮できるタイプですよね。
圭太:ねえ、頑張りますからね。まあ、前回は海外だったので、馬も言葉が分かんなかったりしたんじゃないですかねえ。環境に戸惑ったところもあったと思いますよ(笑)。
-:地味ながら崩れずに?しかも、北海道であれだけ負けて、着差が離されていながらもアルゼンチン共和国杯でシッカリと勝ち切ったというのはすごいなと思いましたけどね。
圭太:そうですよね。いや、本当に良い馬ですよ。
-:その良さは、どういった部分に感じますか?
圭太:どちらかと言うと、やっぱりパワーがあるかな。それでいて、フットワークも柔らかいですし、乗っていてすごく良く感じるので、走っている格好も良いと思いますね。

プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネルを開設。