
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

7月21日時点1642勝
今年も福島リーディングで今週から新潟開催へ!
2025/7/25(金)
4週間にわたって行われた夏の福島は接戦になったが、最終的に晴れて5年連続でリーディングを獲得!今週からは新潟へ挑むが、昨年までは2場開催だった期間が3場開催での開催ということで、これまでよりも勝ち星を挙げられる可能性も大いにあるだろう。開幕週から好スタートを期待したい。
苦戦を強いられた今年の福島
——まずは先週までの福島は開催リーディングということでおめでとうございました!
ありがとうございます!
——毎年、戸崎さんの話を聞かせていただいている上で日々の成績も見させていただいている限り、諸々の条件などを踏まえると、夏競馬なので人気馬が順当に勝てるとは思っていません。それでも今年は難しい結果が多かったですね。
リーディングは狙っていましたし、獲れたことは嬉しく思います。暑い中、馬もよく頑張ってくれて感謝しかないです。その反面、やっぱり人気している割に勝ち星を伸ばし切れなかったという思いもあります。この馬で負けてしまうんだな、と考えさせられるケースも多かったですね。
——馬の個体やそれぞれのレースの質で好走理由、敗因と様々あるものなので、ひとまとめにすることは難しいですが、昨年までとの違いは感じましたか。
その馬、レース違いますから一概には言い切れないですね。ただ、暑さで大きな馬であったり、大人しい馬は堪えていたかなと感じますね。
それに例年より馬場の傾向も違いましたね。最終日にようやく外差しも決まったのですが、3週目にコース替わりがあったにしても、例年より比較的内目、前目で決まっていましたから。幅広く競馬を作れなかったですね。これだけ毎年乗っていますが、馬場の違いを感じました。3週目に乗った馬でも最終週の馬場なら勝てた馬もいたかなと思います。

——あくまで印象ですが、夏の福島で芝が重や不良になることはそう多くないものの、きちんと馬場は荒れてくるように感じただけに、今年は違いましたね。例年より水分を含んだ馬場状態でのレースも少なかったのかもしれませんが。
3週目も馬場は掘れていて、内も悪いように思うものの、結果残っていたりしましたからね。そういう傾向だったかなと思います。毎年乗せていただきながら、特に今年は難しいなと思いましたね。
関屋記念はレガーロデルシエロに継続騎乗!
——今週から新潟開催。昨年も伺ったかもしれませんが、競走時間の拡大での開催になりますね。戸崎さんにとってはいかがでしょうか。
個人的にはやりやすいです。体的にコンディショニングをしやすいですし、気持ちの面でもオンオフがつけやすい印象です。空いた時間は体を冷やしたりして努めましたね。
——戸崎さんの応援で現地にいかれる方々はロングラン開催なので体調を崩さぬよう気を付けていただきたいですね。まず、土曜の話題から伺うと、新馬のラプランセスは最終追い切りに騎乗されましたね。
追い切りはいい動きをしていましたね。走れる状態にはあるけれど、スタートが遅いのは気がかりです。それでもウッドより芝に行った方が良さそうな印象も受けました。
——未勝利戦のホウオウヌーヴォーやミエノフェアリーはいかがでしょうか。
ホウオウヌーヴォーはダートでも芝と同じような走りでしたね…。もう少し決め手が欲しいのは事実。相手次第でしょうか。ミエノフェアリーは小さい馬ですけど、体全身を使ってフットワークはいいです。追ってから沈めないのがもう一つ伸び切れなかった理由だと思います。良くなって来て欲しいですね。
——ベストシーンは福島でも騎乗されました。
前走で馬は良くなっていましたね。このクラスなら新潟になるのも問題ないかと思います。

——関屋記念(G3)のレガーロデルシエロはマイルになりますね。
久々の1600がいい方に出ればと思います。前走は馬場も緩かった分、伸びきれなかったのでキレイな馬場でできるのは良さそうです。
——血統的には短いところで走っていても良さそうですが、2000mで勝ってきたんですよね。
詰まった走りしているので。距離自体は良いのかも知れませんが、未知な面はありますね。馬場も道悪はダメですが、時計が掛かった方がいいのかもしれませんね。
——ヤマメキングは福島に続いて挑まれます。
敗れはしたものの、成長を感じる、いい内容で走ってくれました。上積みがあると思っています。
プロフェータは東京2100mで勝ってきたので、1800mになることと昇級でのペースに対応できれば。イフルジャンスはあとひと押しという結果続きですが、競馬はそれなりに上手でした。もっと時計が掛かる馬場が合うのかもしれませんが、そのあとひと押しを手助けできれば。
福島最終週は3勝!
——先週のレースではザーフィルで勝利されました。

この馬はレース行ってからの方が良かったですね。まだ大味ですけれど、緩さもあるので今後、どうなっていくか楽しみですよ。
——オプレントジュエルの前走は気難しさを出して敗れてしまったようですが、巻き返しました。
それでも多少ながら気難しさが出ていますね。比較的しっかり走れたとは思いますが…。
——ボーモンドは押し切れるのかなと感じました。最後は距離ですか?
距離ですね。すごくいい雰囲気、いい感じで、勝ったなと思ったほど。レース前からいい感触があっただけに、こんなにも伸びきれないか、という驚きもありました。
——新馬のポルフュロゲネトスはどうでしたか。
期待していたので残念ですね…。道中から行きっぷりもひと息、追い切りで感じた動きより重たい走りでした。
——キアラメンテはまさかの外枠発走というアクシデントがありました。
ゲートの中で突進してしまったんですよね。大外になったのは不利だったかなと思います。その中で上手に走れたかと思いますが、4コーナーで交わせるかと思いきや、浮いてしまいますね。もう少し沈んで走ってくれると良かったのですが。
——ユキワリザクラはようやくの勝利でしたね。

外差し傾向でもあったのでポジションにこだわりはなかったです。続けて使ったことで、スタートも出てくれて、無駄のない走りができました。勝ててホッとしています。
——ブルータスで福島の最終レースを制されました。
返し馬から馬の雰囲気もよく、あまり早く抜け出さぬよう気を付けていました。最後まで余力があって力通りでしたね。

——先日は大井競馬場で武豊騎手、大井の先輩の内田博幸騎手とのトークショーに参加されていましたね。非常に面白いお話でしたね。
やっぱりユタカさんのトーク力がすごいですからね。それでも大井のイベントに呼んでいただいたことは嬉しかったですね。
——また、YouTubeも新たに更新されていましたね。そして、ドバイでも乗られて東海Sに登録のあったクロジシジョーの次戦はどうなるか…というところですが、おそらく乗られる見込みとのことで楽しみですね。次週はアイビスSD(G3)でカフジテトラゴンに騎乗。今週もありがとうございました!
ありがとうございます。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネルを開設。