'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

11月10日時点1686勝
レガレイラと挑むオールカマー、前走の巻き返しなるか!
2025/9/19(金)
中山開催も折り返し。戸崎騎手は3週目となる今週も中山に臨む。中でも注目は、昨年の有馬記念を共に制したレガレイラとのコンビで臨むオールカマー。G1馬の貫禄を示してほしいところだが、ジョッキー自身にとっても2週連続の重賞勝利も懸かる。年間100勝も突破した勢いに注目だ。
気になる雨予報、復調
——今週もよろしくお願いします!まずはオールカマー(G2)にはレガレイラと臨まれますね。
必ずしも阪神競馬場がダメだったとは思いませんが、中山に戻ってくること、骨折明けのレースを使ったことで、前走以上の走りをみせてくれると期待したいです。
同じ中山でも外回りコースになりますが、この馬にとっては問題ないと思います。そこは全く気にしていないですね。
——宝塚記念は渋った馬場もマイナスでしたね。
そうですね。それだけに週末の雨はなるべく早く上がってほしいですが…。ただ、平日段階の予報よりも降らないような気配もありますね。どちらかと言えば非力なタイプ、馬場が乾いていれば条件も合っていると思っていましたが。
体質的な面で言えば、休み明けながらも有馬記念当時よりはいくらかしっかりしてきた面もありましたね。どこまで変われるかは馬次第でありますが、昨年の時点でも、まだまだ良くなっていい馬だと思っていたので上積みがあるといいですが。
——そして、前走の際はゲートの不安も口にされていました。
やっぱり速くはないので。そこも変わりなく、まだまだ不安は残ると思います。
——天候が気になるところですが、こうした条件が揃えばというところはありますか?
内枠ですかね。ただ、これも馬場次第、土曜の降り方次第だと思いますから、かなり馬場が悪くなったとすると、必ずしもいいとは言えないですね。とにかく有馬記念を勝っている馬。コースはやや異なりますが、当時の走りをみせてくれることを期待します。
——ありがとうございます!土曜の騎乗馬ではウィングブルーやポルフュロゲネトスはどうでしょうか。
ウィングブルーはダートを試してみたいと思っていました。ただ、2戦目で気が入ってきたので、そのあたりがどうかですね。
ポルフュロゲネトス新馬の際に良さを感じでいい勝負ができると思っていたところ、この着順。正直意外でしたね。中間は乗ってないのでわからないですが、素質通りならいい勝負できてもとは思いますが…。
——ヴェンデボヌールは追い切りに乗られたようですね。
いい内容でしたよ。すごく乗りやすい馬で、新馬に限っていえば1200mがどう出るか。一度使えば気持ちが入って1200mでも良さそうですが。
——ルトンワージは続けて乗られます。
中山で勝った時は強い内容でした。ああいう形に持ち込めればとは思います。馬場はあまり緩くなりすぎるとどうか。天気は気になりますね。
——ヤマメライズ、ヤマメキングと所属厩舎の同じオーナーの所有馬ですね。
ヤマメライズは1200mになるのでどういうレースができるか、色々と成長してほしいのは本音ですが、変わり身があると期待したいです。ヤマメキングは右回りになることは歓迎していたのですが、馬場が速いと気になるところですね…。
——レイデラティエラは未勝利戦で騎乗されていましたね。
気難しい印象でした。左回りだとモタれるので、どう解消されているか気になるところです。
——クイーンズホリデーは追い切りに乗られたようですね。
追い切りは動けていました。まだ身体の幼さはあって、非力感はありました。追ってからのフットワークは悪くはないので、実戦にいっていい走りができると期待しています。
テン乗りで責任を果たす騎乗
——そして、セントライト記念(G2)はミュージアムマイルと初コンビ、人気に応える結果でしたね。
皐月賞馬ということで責任のある一戦だと感じていました。結果を残せたことは何よりでした!そんなに出脚はつかないタイプだと感じていましたし、出たなりでレースの組み立ては考えていましたが、道中はいいリズムでしたよ。
手応えがありましたし、皐月賞馬の地力があると思っていたので、外を回っても大丈夫だと感じていましたね。
——戦前のお話では、実戦と調教のギャップがあるとのことでしたが、そこはどうでしたか。
そこは確かに感じましたね。パドックでは力んだような様子もありましたね。返し馬の走りとレースでのフットワークもまた違いました。これは一度使ったから変わるというよりは、馬の特性なのかと思います。
ただし、フットワーク的に行き脚こそつかないタイプだと思いますが、ある程度どんな形も採れそうですよ。
——戸崎さんとしては敢えて外を回るのも珍しかったですね。
そこは地力も感じましたからね。馬に助けられましたよ。
——他のレースではモーゲンセンはどうでしたか。
乗り味はいいかなと思いましたが、ワンペースなところや少し忙しさもありました。東京になって良さはできると思いますので、次はメリハリが出てくればと思います。
——モティスフォントはいかがでしたか。
必ずしもダートが合いそうというタイプではないのですが、スタートが遅く、途中から掛かって、というタイプでした。そんな走りだと芝ではうまく噛み合わなさそうですからね。ダートの方がいいのかもしれません。
——ロードフォアエースは久々のコンビでした。
今回は外枠もあって、壁を作ってみようと乗りました。うまく壁もできて、楽な追走はできましたが、正直なところ展開的には前残りかつ前が強かったですね。展開的に下げるべきではなかったですね。
それでも残り150mくらいで止まっている面もあり、気性の難しさを感じました。イメージとしては今回のような走りが芝でできればいいのかな…と。それが正解かはわからないですけど、うまく逃げ切られてしまいました。
——シャンソンドールはもっと大味な内容になるかと思っていました。
僕も驚きましたね。ゲートも出ていかないと思っていましたし、内枠で後ろからになって、どうしようかと思っていたところ、スタートも切って二の脚も速かったです。いい競馬をしてくれました。
——ギャランドゥは未勝利馬ながら、個人的にはまさかの結果でした。
そうですねえ。右回りなのか、チークを着けたのもどうだったか…。気が難しい面もあると思いました。
——サマーマッドネスはどうでしたか。
理想通り前々の競馬。リズム通りにいけました。ただ、本来の走りではなかったですね。
——フクチャンショウは勝ち上がりましたね。
前走を踏まえると、距離が忙しかったので追走がどうなるか心配でした。中山替わりも良かったのか、追走は楽でしたね。追ってからも反応が良かったです。
——ショウナンアビアスはペースも向かなかったように感じました。
ムキになりすぎるので、リズムよくいけるよう意識していました。序盤はいいリズムで行けたのですが、道中、途中で遅くなってこの馬向きのペースではなかったですね。気性的に展開に左右されるタイプだと思います。
——ベルベルコンパスは外枠も良かったですか。
外枠が良かったですね。モマれると弱さがあるようでしたからね。前々で楽に走れました。
——サンタアニタは相手関係もチャンスだと思いましたが。
ただ、勝ち馬は手強かったですね。以前にも言ったと思いますが、忙しさも感じるところがあったので、次は1400mでどういうレースもしてくれるか。巻き返してほしいです。
——アルデラックスは強い相手と戦ってきたこともあり、ここでは上位でしたね。
能力で押し切ってくれましたね。調教でも乗せていただきましたが、返し馬でもいい馬だなと感じましたね。
——メイショウハチコウは新馬勝ちを決められました。
すごく乗りやすいですね。レースも上手で体の緩さもあるので、今後の変わり身がどう出てくるか、でしょうね。
——サンセリテは内枠だったらという結果でしょうか。
外枠でゲートが遅かったのが痛かったですね。最後はいい脚でしたが。
——次週は早いもので中山も最終週。スプリンターズSではカピリナに騎乗されますが、水曜日は園田でも騎乗されますね。来月も関西圏での騎乗がありそうですね。今週も勝ち星加算を期待しております。ありがとうございました。
ありがとうございます。
プロフィール

戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネルを開設。





