
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

7月14日時点1639勝
さすが元・地方No.1ジョッキー!交流重賞などを振り返る
2014/6/5(木)

リーディングへの道をみんなで一緒に駆け上がろう!
競馬ラボ独占コンテンツ「週刊!戸崎圭太」では、JRAのトップジョッキーとして活躍する戸崎圭太騎手の生の声を毎週発信!レース・騎乗馬の話題はもちろん、“ポスト・アンカツ”としての活躍が期待される中、その安藤勝己さんから直々に叱咤激励のコーナーも!?
他にも、定期的に展開するQ&Aコーナーでは、ファンからの質問にもお答えいただきます!ファンと本人の架け橋となるコーナーとして、どこよりも「ケイタ情報」を発信いたします!
地方No.1ジョッキーの名前を欲しいままにし、JRAへ電撃移籍。新たなステージで頂点を目指す戸崎圭太騎手を競馬ラボでは徹底!応援宣言します。目指せリーディング!そして、もっともっと戸崎圭太を応援しましょう!
ダービー、オークスと大舞台での騎乗が続いたため、レース展望が続いていたものの、改めて注目レースのポイントも振り返りたいところ。地方競馬でトップを張ってきたキャリアがなせるものなのか、昨年から交流重賞での活躍は続くが、重賞勝ちの兵庫チャンピオンシップなど、戸崎騎手に振り返ってもらった。
-:ゴールデンウィーク前後も注目レースでの騎乗が続きました。交流重賞の兵庫CS(Jpn2)はエキマエ(牡3、美浦・中川厩舎)が重賞初勝利。レースを見ると、誰もが驚いたと思うのが、(馬群に)飲み込まれそうなところから盛り返したのは、意図してのことなのか。タメていてそうなったのか。いかがですか?
圭太:タメていた訳ではないですけど、あの馬のリズムでは行っていましたね。前のレースを見ても、渋太さがある印象だったので、それを活かそうと思いましたね。
-:余力自体はまだまだ全然あったということですね。
圭太:ガッチリ来るような手応えではなかったですけど、追えばまた伸びるんだろうな、という感触もありました。
-:それなりにちゃんと手応えがあった中だったと。
圭太:そうですね。でも、けっこう(前に)出られたので、正直、どうかと思ったんですけど、渋太く盛り返してくれましたね。
-:あのレースに関しては、乗ったことのあるマキャヴィティ、ランウェイワルツもいて、そういう意味ではレースに乗りやすいところもあったのですか?
圭太:僕がその馬に対して持っているイメージがあるので、なるべくこちらが有利に立つようなレースはしたいな、という意識がありましたね。

-:前回がマイルで走って、マイルで勝った時は少しフロックじゃないですけど、人気の面を見ていたら驚かされた人も多かったと思います。それでいて距離も延びますし、条件も違いました。手応えとしてはどう感じていましたか?
圭太:まあ、そればっかりはやってみないと分からないな、というのはあったんですけど、「遮眼を着けてから集中力が増した」とは聞いていたので、前目に付けられる競馬なら頑張れるんじゃないかな、という期待は思っていましたね。
-:着けてから成績がうなぎ登りじゃないですけど、それなりには来ている訳ですよね。それを着けている中で乗った上でも、そのフワフワするというか、集中力を欠くようなところは感じましたか?
圭太:確かにつけていないとちょっと不安だな、という気配はありますかね。
-:ダービーのあとはもうちょっと距離が延びて大井(ジャパンダートダービー)に行くようです。もう少し長い距離への距離適性はいかがですか?(6/4に骨折が発表されました)
圭太:距離は全然問題ないと思いますね。逆に前に行きやすい分、競馬がしやすくなるんじゃないかなと思いますね。
-:短くてスピードを要求されるよりは良い、という感じですか。忙しくなるよりはユッタリと運べる方が。
圭太:そう思いますね。
-:現状、乗った限りでの良さというのは、どういった部分に感じましたか?
圭太:渋太さはやっぱりあるのかな。折り合いなんかも心配ないですしね。

-:ダートと言えば、ベストウォーリア(牡4、栗東・石坂厩舎)もオープン特別ではありますが快勝。3戦ぶりに乗られての印象はいかがだったですか?
圭太:やはり良いですね。もともとパワフルというか、力、素質があるというのは十二分に分かってはいたのですが、精神面から来るスムーズさが出てきたので、競馬がしやすくなりましたね。
-:今だったらマイルじゃなくても、コーナー4つの競馬でも対応出来てきそうな部分というのはありますね。
圭太:そうですね。硬さもフットワークも良いですし、良いかなと思いますね。
-:去年の秋に感じていた部分の成長は、良い意味で続いているわけですね。
圭太:良い状態を平行線できている感じですね。
-:東京でのコース適性は申し分のないところ。来年のフェブラリーSが楽しみですね。
圭太:いやいや、今年の秋もありますからね。それくらい楽しみな存在だと思いますよ。

-:NHKマイルC(G1)のショウナンアチーヴ(牡3、美浦・国枝厩舎)は惜敗と言えば惜敗でしたね。それでも、騎乗には申し分がない印象があっただけに、意外な結果でした。こちらはどうでしたか?
圭太:どうなんですかねえ。何かこう、スムーズに競馬は……。本当に上手くいったなという競馬になったんですけど、ちょっとやっぱり良い位置で競馬をした分、終いがちょっとハジけなかったのかな。それもあるのか、東京の1600なので1800もこなせるようではないといけなかったから、距離の部分があるのかな、とは思います……。
-:あのレースは前に行った馬も後ろに行った馬も来ているレースですから、ポジションどうこうというのは、そんなに有利、不利はなかったレースだった感じはします。それにレースを何度見ても、あれはケチを付けるところがない騎乗というか……?
圭太:そうなんですよねえ。上手くいったと思ったんですけどね。後方からもロサギガンティアが来ているように、前残り一辺倒でもないですからね。あの馬の特徴というか、そうなると、もうちょっと位置取りを下げないといけなかったのか……。色々ありますけど、スムーズには行った競馬でした。
-:変にモマれるようなところもなかったですもんね。戦前は気性面であったり、厳しい評価もあったと思います。それでいて、着差のないところまでは来ていますからね。パワータイプだと強調されていましたけど、ダートを走ったらどうですか。そういう感じではないのですか?
圭太:ダートのイメージは湧かないなあ……。
-:状態自体はいかがだったですか?
圭太:良かったんじゃないですか。調子が良い時こそほど、スタートでポンと出ていくんでね。まあ、スタートも良かったんで。
-:かしわ記念(Jpn1)のセイクリムズン(牡8、栗東・服部厩舎)はテン乗りでしたけど、こちらは2着に踏ん張りました。
圭太:想像していたよりも力があるというか、パワーがある感じはしましたね。
-:頭数も少なかったですし、あのメンバーを見ると、それなりに前に行く馬もいるとはいえ、絶対的な逃げ馬は不在の展開だったんですけど、ある程度はハナに行くというのは出たなりで決めたことでしたか?
圭太:まあ、ゲートを出ればね。ずっと1200とか短いところを使っていた馬なので、上手く出れれば、行ければ行っちゃおうか、と思っていましたね。
-:コーナーで4頭ぐらいで併せる形になったんですけど、そこで割と待っている印象がありました。そこで待った分が最後の粘り込めたのかなという感じがしました。
圭太:そうですね。まあ、この馬もエキマエみたいな感じで、渋太さがあると思いましたけど、また一踏ん張りしてくれましたね。

-:(3着のワンダーアキュートと)離れていて、(2着に)残ったというのは分かりましたか?レースを何度見ても、差されているように見えました。
圭太:ああ、また伸び返したというのはありましたね。1回出られているんですけど、あれっ、また差し返したなという、あの瞬間だけね。
-:それにしても、以前乗られていた勝ち馬(コパノリッキー)は順当に強くなっているなという感じがしました。
圭太:う~ん、本当に強い競馬でしたね。僕が乗った時も素質は感じましたからね。モノになってきた印象ですね。
-:コパノリッキーもそうですが、グランデッツァも後々に快勝。グランデッツァの復帰戦に乗った直後、中山競馬場で「どうでしたか?」と言ったら、「馬は良いんですけど……」と仰っていたんです。あの着順というか、結果を見たら「本当かな」と思うところがありました。
圭太:いや、馬は良いですよ、良かったもん。状態って本当にやっぱり大事にしないとダメだなと。レース間隔もそうだけど、こればっかりは僕が決めることじゃないので何とも言えないけど……。
-:騎手からすれば、その時の順調度などを考えたら、優先しなきゃいけない馬もある訳ですからね。
圭太:それに運もありますからね。
■次回は6月8日(日)に更新予定です。

プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネルを開設。