'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月10日時点1686勝
さあレガレイラとエリザベス女王杯へ!気になる課題は!?
2025/11/14(金)
開催替わりの先週は4勝をマーク。先につながる走りを感じさせる2歳牡馬でも勝利と、惜敗の多かった4回東京から違った流れに映る結果に見えた。そして、今週はエリザベス女王杯にレガレイラと挑む。オールカマーでは復調をアピールする走りを披露しただけに力が入るもの。牡馬を相手に渡り合える地力の持ち主に死角はあるのか?語ってもらった。
不得意な雨は免れて、あとは○○○だけ!?
——今週は何と言っても日曜のエリザベス女王杯(G1)のレガレイラに注目が集まりますね!中間の追い切りに騎乗されているわけではないので、状態面はわかりかねると思いますが、楽しみな一戦ですね。
そうですね。スタッフとやり取りの中で「いい状態。前走からも上がってきている」と聞いています。オールカマーでも良さは感じましたが、その前走の宝塚記念もブランクがあって、重心が低く、本来の走りではなかったんだなと感じています。馬場の影響もありましたからね。
前走は状態が上がった中でいい走りをみせられましたね。ゲートの中でうるさくなって、スタートは決まらなかったですが、戦前の打ち合わせもあり、それならそれでリズム良くいこうという話もありましたが、そう切り替えられたのも良かったと思います。そこからいいステップで来ていると感じています。
——下馬評では中山でしか結果が出ていないことを懸念されているんじゃないかと感じます。
中山でしか結果が出ていないのは事実ですが、去年のエリザベス女王杯も不利がなければあの着順ではなかったと思います。コース的にも適性がないとは思っていません。京都芝2200m自体、前残りには警戒すべき時もありますが、力を出し切れる舞台だと思います。
——これまで3度乗られて、ゲートについては変わらずに心配はありますか。
そうですね。そこは当日のレガレイラの気分次第だと思うんです。中山の大観衆でも走れたように、G1の雰囲気だからうるさくなるとか、そういうことじゃないと思いますからね。だから、関西圏で結果が出ていないのも、それぞれに理由があるのかなと。
——このレースを迎えるにあたり、こんな条件だけは避けたかったという点はありましたか。
馬場は心配していましたが、晴れるようなのでね。あとはゲートについて工夫はしているんですけどね。そこも落ち着いてくれたら。
——昨年もゲートが遅く、隣の馬に前に入られてしまいましたね。
やっぱり遅い馬だと、余計にそうなってしまうんですよね。だからといって、大外枠だと距離ロスとしての不利もありますからね。基本的には、ある程度流れに乗ってくれると理想です。
前走は今まで乗った中で、一番遅れが大きく、有馬記念はこの馬としては出てくれていますけどね。あとは強いて言えば、ゲートの中で待たされない分、偶数枠の方が理想かなと思います。
——土曜の東京ではガードオブオナーはどうでしょうか。
新馬の時は使ってから変わってきそうと感じましたが、2戦目で内容も変わってきました。いい走りはできていたので、次は結果を意識したいです。
——サノノワンダーも続けて騎乗されます。
前走、初めて乗せていただきましたが、従来通りのレースになりました。ただ、この馬の良さを出すにはこれかなというタイプと感じました。最後も伸びてきていますし、あとはメンバーや展開次第です。
——オメガキャプテンは上半期以来の実戦ですが、いかがでしょうか。
この条件は一番いいと思います。仕上がりはわかりませんが、結果を求めていきたいです。
——武蔵野S(G3)のバトルクライは前走で大敗してしまいましたが…。
前走は久々の分ですかねえ。反応がもう一つ良くなかったです。ただ、能力的にはああいう結果になる馬ではないと思います。ひと叩きして上積みがあると期待したいですね。
——過去には強い相手の根岸Sで上位に入った実績。前走は加齢の分の反応の鈍さだったりしますか?
加齢というよりは雰囲気は悪くなかったんですよね。だから意外な結果でした。僕も力のある馬だとは思っているので改めて期待したいです。長い休みがあって、復活して勝利してくれたことには感動もしましたし、いい勝ち方でしたからね。巻き返してほしいですね。
——ダノンセンチュリーは乗られていない前走が強い内容でした。
新馬から期待していました。テンション、折り合いと課題はありますが、さらなる上を目指せばと思います。
——日曜のアスクデビューモアやショウナンラピダスはどうでしょうか。
アスクデビューモアはちょっと渋いところがあって、促して促してというレース。久しぶりにこの距離になる分で、いい方に出ればいいのですが。展開には左右される面はあると思います。
ショウナンラピダスはゲートがうるさかったりしましたが、脚質が変わってから結果を出してきていますね。精神的な面も成長が窺えるので、ここでも期待したいです。
本当に良い時を知っているからこそ、僅かに足りなかったホーエリート
——先週のレースも振り返っていただくと、コンテネレッツアはどうでしたか?
返し馬からゲート裏まで非常に落ち着いて、「精神的に成長していますね」なんて厩務員さんとも話していました。それがゲートに入ったら興奮し始めて、中はかなりうるさかったですね。その流れでスタートを切ったので、メンタル的にも走り切れていないですね。最後も反応がなく、精神面の影響も大きかったです。
——アルゼンチン共和国杯(G2)のホーエリートはいいポジションに映ったのですが。
イメージしていた展開、ポジションで、いい流れだなと感じていました。ただ、目黒記念の時のような反応がなかったですね。接戦はできているのですが。
——やはり近走よりは状態の違いがありましたか。
状態が悪いとは思わないんです。ただ、すごくいい時の走りを知っているだけに、差を感じましたね。先着された相手たちとの着差も微々たるものですからね。
——マジッククッキーは初騎乗でした。
体はまだまだゆるいけど、他馬に乗っていた未勝利で強さを感じたように、いい走りでした。ワンターン向きだと思いますが、うまく成長してくれれば。1600mまでならもちそうです。
——ソナタンは1番人気に支持されましたが…。
色々と敗因を考えてみたのですが、ハナにいかないと走れないのかもしれません。掛かるわけではないものの、道中もすごく、真面目さ出しながら力んでいました。結果に精神的な部分は影響していると思います。フットワークはいいモノがあるので、競馬は覚えてほしいです。
——ラディアントスターで勝利されましたね。
馬も新馬よりは良くなっていました。上手に走れていましたね。追ってからはもっと体が起きて走ってくれるといいですが。
——フィンガーは相手も手強かったですが、大型馬の内枠で対応していましたね。
その通りですね。展開も向きましたが、内枠もこなしてくれましたね。新馬の後で馬が悪い方にはいかず、成長してくれていました。
——アセンブリールームは以前よりもゲートは決まりましたね。
返し馬から成長を感じました。体がしっかりしてきたことが大きかったですね。ハミの取り方も良くなり、気持ちも出てきましたね。内容は良かったです。
——京王杯2歳S(G2)のフクチャンショウはどうでしたか。
キャリアの浅いメンバーの中で、力関係はわからずに臨みましたが、しっかりと成長を感じました。レースは上手でメリハリのつく、いい内容でしたね。
——モンドデラモーレは初ダートでした。
道中はいい内容で、4角までいけました。ただ、伸びてくれそうなところが、走れなかったですね。あの感じでは芝の方が良さそうです。
——エストゥペンダは少頭数でしたし、折り合い面が焦点でしたね。
折り合いもついたといいますか、大丈夫でした。折り合いがつけばしっかり走れるのはわかっていましたからね。上を目指して欲しいです。
——そして、2歳牡馬はいい勝ち方でしたね!
ラヴェニューはすごく乗りやすいですね。今のところなんの心配もないと思います。ただ、一度使ってからのテンションは気になりますね。相手がクリストフの馬とみて、レースも道中で促しつつでしたけど、向こうが早々と手応えがなくなってしまいましたが、足取りはしっかりはしていました。常々言っていますが、2戦目でのテンションは心配ですけど、いい方向に向いてほしいです。
グリーンエナジーは馬もまだまだ緩かったのが、この馬なりにしっかりしてきました。追走も楽でペースが遅い中、折り合いの我慢もきいていました。
——次週は福島と東京での騎乗ですが、ダノンデサイルの追い切りにも騎乗されるようですね。ありがとうございました!
ありがとうございました。
プロフィール

戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネルを開設。





