'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

12月8日時点1695勝
カペラSはクロジシジョーと参戦!初タイトルなるか
2025/12/12(金)
先週のチャンピオンズCは1番人気で臨むも、よもやの大敗を喫してしまった。今週は土日いずれも中山での騎乗となるが、日曜のカペラSにはフリオーソ産駒と挑む。6歳になった今年は敗れたレースの中でも、健闘ぶりは光るが、重賞初勝利となるだろうか。
重賞には近づいているクロジシジョー
——今週もよろしくお願いします!先週は怪我の影響も危ぶまれましたが、無事に騎乗を終えられたことは何よりでした。まず、土曜の話題から伺っていくとアオイミズホは前走に続く騎乗ですね。
戸崎:大きな馬で器用さに欠ける面がありました。そこには気をつけて乗りたいですね。
——ヤマメライズは4戦連続の騎乗です。
戸崎:まだ走りが上手ではなくて、競馬自体もわかっていないところもあります。それでも、前走の走りができれば上位があっても。一歩ずつ前進していってほしいですね。
——グーテンベルクは初の中山だったとしても、前走が意外な結果でしたね。
前走は雰囲気が良くなかったですからね……。今度は距離も延びますが、条件云々よりも、また走れていた頃の雰囲気に戻ってくれればいいですね。そこに尽きるかと思います。
——ダカラフェスティヴも引き続き乗られますが、今度は中山の長距離戦です。
こちらも前走はいい雰囲気ではなかったですね。以前もそんな兆候はありましたが、刺さる面もあったので、あの走りが続かないといいのですが。
——ドゥカートは久々の騎乗です。
久々ですからね。以前とは違っているはずです。近走は良くなっているように感じますから楽しみですね。
——テーオーパスワードは以前に乗られていますが、タイミングとしては決して良くなかったように感じますが、素質を感じられていましたね。
素質は感じていましたが、叩いてからという状態でしたからね。それでも、その後に活躍していましたし、良くなった感じでどれだけの走りができるか楽しみです。
——そして、カペラS(G3)のクロジシジョーはどうでしょうか。
毎回毎回、いいコンディションを維持してくれていて、馬と厩舎スタッフに感謝です。1200mでもやや忙しく、かと言って1400mでは行きっぷりが良すぎたりと、あとちょっと差がハマるといいのですが。
——フリオーソ産駒として船橋競馬場で行われたJBCスプリントに挑みましたが、前走は1000mの距離だった上に、当日の競馬場は相当な強風でしたね。
本当にそうですね。あそこまで風が強いと影響はしていたでしょうし、距離もあと1Fあればという内容でした。
——乗られていないレースでしたが、カペラSは昨年も惜敗したレースですね。近走で敗れてはいるものの、もう少し展開や馬場が噛み合えばという内容も多いですね。今回は雨も降るようですから、好材料ではないでしょうか。
この馬なりに力つけていると感じています。強いて言えば、ペースが流れて、走りやすい馬場であれば、もうひと押しあっても良さそうなので、うまく条件が向いてほしいです。展開に左右される面はあるものの、勝ちを求めて行きたいです。
課題の精神面の脆さを露呈してしまったナルカミ
——そして、チャンピオンズC(G1)のナルカミはどうでしたか。
テンションは気になっていましたが、パドックに跨ってから、馬場に出るまでの間が全く違いましたね。パドックで見た時はいい精神状態かと思いましたし、跨ってかなり出来はいいと感じたのですが……。結果にも精神面は確実に影響したかなと思います。
——やはり地下馬道などの構造が合わない感じですか。
今までも少し気にはなっていたのですが、我慢はしてくれていたんです。中京の場合、少し広くなっているスペースがあり、そこで余計にテンションが上がってしまいましたね。何か特定の物に気になったとかではないと思いますが。
——行きたがるのとは違うと思いますが、ナルカミのメンタルを代弁するとどんな状態なのでしょうか。
興奮して歩くのもままならない感じでしたね。悪いことをしようというわけではないのですが、どうも盛り上がってしまうようです。
——中京は2度目の出走ながらいずれも敗退。今後も再び挑んだとしても、やはり難しい環境でしょうか。
そこはわからないですね……。今回も最初は歩けていたくらいで、観衆がこれまでより多かったり、頭数が多かったりなどもあったのかもしれません。そこは生き物なので、馬の感情もありますからね。
——中京はスタート地点が坂という構造ですが、これも今までのメンタルであればこなせていましたか。
おそらくそのはずです。走る方向に向いていないと言いますか。ダッシュが利かなかった分、出していっていますが、それでいてすんなり折り合っていましたからね。普通ならもっと行っているはずなんです。
——自分も中継映像を観ている分には、そこまでテンションが上がるとは驚きました。
馬場入りなんかも大変でしたからね。
——馬場入りで言えば、戸崎さんが過去のG1では返し馬で落馬したのがダンビュライトでした。あの当時とは違いますか。
ダンビュライトほどまで大変ではなかったですからね。そして、また違ったテンションの上がり方でもあったと思います。次のレースでスパッと切り替えられるといいですが、改めて期待したいです。
——同じく中京で走ったマテンロウブラボーは2着でした。
折り合いが一番重要じゃないかなと感じていました。道中は気をつけて臨みましたが、しっかり伸びてくれましたね。
——ステイヤーズS(G2)はホーエリートで勝利しました。近走の安定ぶりを思えばここでも走れて不思議ではありませんが、牝馬でこの距離、どう対応できるかなと感じていました。
特殊な条件なので心配はしていましたが、全く問題なかったですね。レースもロスなく行けて、それでも終いはしっかり。折り合いもついて、脚取りも確かでしたね。長距離はもってこいのタイプだと思います。
——前走は不調ではないけれど、絶好調時よりは少々落ちるのでは、という話でした。
今回はわからないですね。何故なら怪我をして調教に乗れませんでしたから。
——確かにそうですね。それにしても、昔とは違って流れに乗って安定したレース運びが続きますね。
以前の成長とはまた変わってきていますね。ここ最近は体的に特には大きな変化はなく、維持できているといった感じです。決して凄い決め手を持っているといったタイプではないのですが、それでも様々なレースに対応していますね。
——長距離は海外にもありますし、道悪の馬場適性が求められるG1も国内外にありますね。来年が楽しみですね。
馬場が渋っても大丈夫な気がしていますし、長距離もこなしたので選択肢も広がりましたね。
——葉牡丹賞のポルフュロゲネトスはどうでしたか。
馬も確実に良くなっていただけに、もったいない競馬になってしまいました。特に若い頃は一つ一つより競走馬人生に掛かってくるので申し訳ない結果です。内容的には良かったので、今後が楽しみになる走りはみせてくれていたと思います。
——エースフライトは過去に乗られたことのあるディープモンスターの半弟でした。
すごく乗り味は良かったです。ただ、反応できていなかったですね。一回使ってどこまで変わるかですが、緩さがあるのは事実です。長い時間を掛けて良くなるタイプかもしれません。
——ビップムーランで勝たれましたね。
スタートだけには気をつけました。この馬の走りはできましたね。
——次週のターコイズS(G3)はチェルビアットに騎乗。年内の開催も残り3週ですが、よろしくお願いします!
よろしくお願いします。
プロフィール

戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。2025年5月よりYoutubeチャンネルを開設。





