
外枠有利の新潟直線1000mで最内枠から内ラチ沿いを通って勝利するなど、その大胆な騎乗に注目度が
日増しにアップしている永島まなみ騎手が、騎乗論から日常まで余すことなく語りつくします!
永島まなみ探検隊シリーズ!バデル騎手のいい匂いの原因を探りに草津の奥地へ
2025/10/3(金)
今週から東京、京都競馬が開幕。除外やアクシデントで土曜の騎乗はないものの、日曜楽しみな馬が揃ったまなみ騎手の展望から先週の振り返り、メモリアルセレモニーのウラ側から、一部で話題?のバデル騎手のいい匂いの話、そして"まなみトーーク"、同期の小沢大仁騎手との仲良し対談第3弾など、今週も盛りだくさんでお届けします!
コントレイル産駒に初騎乗!期待馬たちと共に挑む日曜
——今週末のお話から伺います。スリールミニョンのアクシデントによる回避により土曜の東京騎乗がなくなり、日曜の京都5鞍となりました。
東京行きがなくなって、今週土曜は京都で2頭依頼をいただいていたんですが、どちらも除外になってしまいました…。
——なんともツキがなかったですね…。スリールミニョンはその後大丈夫でしょうか。
もう大丈夫です!調教も普通に乗っていますし、いつものミニョンの感じですね。もう元気一杯です(笑)

——なら良かったです。生き物だけに何があるか分かりませんね…。
そうですね、でも無事だったのでそれが良かったです!
——次走は京都ということで、まなみ騎手はすでに新潟騎乗が入っているため乗れないのが残念なところです。
そうなんです、今回は新潟から応援しています!
——日曜の京都の出走馬から、過去に実戦、追い切りに騎乗経験ある馬を中心に伺うと、2R・2歳未勝利では自厩舎の"エンちゃん"ことエンジェルグラースと、デビュー戦に続くコンビ結成となります。
今回は厩舎に帰ってきてから、だいぶこの馬なりに良くなっています。初戦は少しついていけないところがあったのですが、少頭数ですし、なるべく付いていける競馬ができたらなと思います。

目がクリクリなエンちゃん まなみ騎手ご提供
——デビュー戦は芝の1200m、今回は芝の1600mと距離を延ばしてきました。コラムでも「芝1200mは少し短いかもしれません」とおっしゃっていましたね。
そうですね、距離が延びるのはいいと思います!
——この中間はまなみ騎手が何度も追い切りに騎乗されています。状態面は新馬戦前に比べるといかがでしょうか。
新馬前に比べるとはるかに良くなっていますね。まだ非力なところはありますが、エンちゃんなりに本当に良くなってくれています。


まなみ騎手ご提供
——新馬前、コラムにて「元気な女の子なのですが、日に日に大人になってくれている印象があります」とおっしゃっていましたが、気性面の成長はいかがでしょう。
より大人になってきました。落ち着きがかなり出てきた感じがあります。成長してくれていますね。
——5R・2歳新馬ではコントレイル産駒のアオイハルカに騎乗されます。CWコースの一週前追い切りに騎乗され、6F81.4、ラスト1F11.1となかなかの時計が出ていましたね。
そうですね、初戦からすごく楽しみです!折り合いも問題ないですし、切れる脚も持っています。楽しみです。

——どのような性格の女の子でしたか?
真面目でいい子ですね!ちょっと右のハミを噛むところはありますが、それ以外は何も言うことがないくらい優秀な女の子です。
——これがまなみ騎手にとってコントレイル産駒初騎乗となります。
そうなんです、これが初めてで。すごく楽しみにしています。
——この日の7R・3歳上1勝クラスではルージュサリナスと3戦連続のコンビを結成されますね。
ずっと乗せていただいている子ですね。今週も追い切りに騎乗させていただきましたが、多少まだ頭が高いところでハミを取るところはあります。
ただそれでも最後は併せた馬にしっかり食らいついてくれました。切れるタイプではないので、なるべく前前で運べたらなと思っています。

PN.水無月さんご提供
——今週水曜のCWコースの最終追い切りに騎乗されました。関東からの転入組とはいえ、6F81.0は自己ベストでしたね。
結構真面目なところがあって、ハミを取るところがあった分もありましたが、しっかり伸びてくれたと思います!
——続く8R・3歳上2勝クラスは、前走の1勝クラスで鮮やかな差し切り勝ちを決めたタマモティーカップと再度コンビ結成となります。
前回は馬の力で勝たせていただいたようなものでした。砂を被るのはあまり良くなさそうなので、うまくスタートを決めて揉まれないポジションで運べれば昇級戦でも楽しみです!
——やはり希望は外目の枠になるのでしょうか。
そうですね、外目の枠のほうがいいと思います。
——前走の上がり600m36.2はメンバー中最速でした。上のクラスでも通用しそうな末脚でしたね。
全然通用すると思います!楽しみです。

PN.きゃべつ太郎さんご提供
——日曜の京都10R・藤森Sで騎乗予定だったサトノルフィアンが出走順17番手で除外対象、土曜の東京競馬に回ることになりました。ここは乗りたかったところでしたね…。
そうですね…。まあミニョンが東京だったら一緒に乗せていただけていたところではあったのですが、今回は応援に回ります!
——来週は3日間開催となりますね。
来週は日曜の東京12R・3歳上2勝クラスでペイシャケイプに乗せていただきます!この中間も毎週私が調教に乗せてもらっていて昨日追い切ったんですが、坂路で終い1F11.8も出ていました。状態は良さそうです。
※当初京都と表記しましたが、東京に修正いたしました
高杉吏麒騎手のメモリアルセレモニー!その裏で…
——先週末は日曜の阪神6R・3歳上1勝クラスのメイショウドライブの4着が最高着順でした。休み明けでしたがよく粘っていましたね。
そうですね、外にいたザワの馬(6着ゲーベル、小沢大仁騎手)も少し掛かっている感じで、つつかれるような形ではあったんです。ドライブもその分少しハミを噛んでしまいましたが、それでもしっかり頑張ってくれました。

——テン乗りでした。それまで騎乗経験のあるところだと小沢大仁騎手だと思いますが、どのような馬が伺っていたのでしょうか。
ザワから聞いていました!「真面目な馬だけれど、ハミをちょっと噛むと頭が高くなる馬だよ」と教えてもらっていて、実際そんな感じの子でしたね。
——直線を向いた時の手応えを見て、これは勝てるのでは…と思いました。
そうですね、すごく手応え良く回ってきてくれました。馬自身頑張って伸びてくれているのですが、多少ハミを噛んでいた分、最後は少し伸びきれないところはありましたね。

——今回は3カ月半ぶりで前走比+16kgの458kgという体重でした。比較はしにくいかもしれませんが、体重面はいかがでしたでしょう。
成長分だと思います!全然太め感もありませんでした。
——叩いた次が楽しみなところです。
楽しみです!次は新潟の牝馬限定に行くそうで、乗せていただけるとのことで楽しみにしています。勝ち負けになると思います。
——先週日曜は8R・3歳上1勝クラスでイリスレーンに騎乗され、果敢に先行するも8着という内容でしたね。
コーナーが4つあるローカルのほうがこの子にはあっているかなと思いますね。

——今年の2着3回は全てローカル一周の芝1800mではありますね。
そうですね、直線も短いほうが合っていそうです。
——離れた2番手というポジションでした。理想はそれでもハナだったのでしょうか。
最近は番手で競馬できていますし、小倉で私が乗せていただいて2着に来た時(1月25日小倉12R)も、2番手から2着に来れていたので。
逃げたビヨンドザドリームの(加藤)祥太さんが離れて逃げていたのも良かったかなと思います。近過ぎるとハミを噛んでいたかもしれません。離れた2番手は良かったです。

——今年10戦目とタフに走りながら、相手が強い中でも粘るあたり、先週まなみ騎手がおっしゃっていたように頑張り屋さんですね。
本当に頑張り屋さんだと思います!
——先週の競馬から、ファンの方のご質問、メッセージもありました。PN.けんちゃんさんから、「先週土曜に阪神競馬場に行ってきました!12Rで高杉吏麒騎手が100勝を達成した後、記念のセレモニーでまなみんが隣にいました。あれは偶然だったのでしょうか?教えてください!」というメッセージをいただいております。

偶然といいますか、最初は吏麒から4番目くらいに立っていたんです。その後何人か移動してくださいという声が掛かって、内にいた3人くらいが反対側に行って。
そうしたら菱田(裕二)さんが一番内になったんですが、菱田さんに「あまり吏麒と深い関わりがないから交代してくれる?」と言われて、それで私が一番内になりました(笑)
——流れに流れて最内枠。
そうなんです、それで一番内になったので、特に理由はないです(笑)

流れで最内枠を引く
——武豊騎手のセレモニーの時に池添謙一騎手が真っ先にプラカードを持っているイメージがあります。プラカードも並び順も早い者勝ちなのでしょうか。
そうですね、早い者勝ちになります!あとは着いた順とかですね。
——まなみ騎手がメモリアルジョッキーの隣にいる光景はあまり記憶にないです。
毎回このような表彰の際は参加できる時は参加するようにしているのですが、確かにすぐそばにいることはないですね。

——高杉吏麒騎手は2年目、まなみ騎手の仲良しの後輩である吉村誠之助騎手と同期です。これまであまり高杉騎手のお話は伺ってきませんでしたが、どのような方なのでしょう。
馬に対してはすごく真面目なんです。ただそれ以外は抜けてますね…。天然なんです(笑)
——天然。
みんなに可愛がられるタイプです。しっかりはしていないかもしれません(笑)
——しっかりしていないかもしれない。
私は吏麒の3つくらい年上なんですが、調教の時に角馬場で会ったりした時に「おはよう」と声を掛けると、普通に「おはよう」と返されます。
しかも「角馬場しっかり乗れよ」と言われたりもします(笑)。そんな感じでフレンドリーですね、吏麒は。

——まなみ騎手だけにそんな感じだと辛いところがありますね。
みんなに対してそんな感じです(笑)。ただ私は後輩たちにそんな感じで扱われているので、これはしゃーないです。みんなにナメられているので。
——そんなまなみ騎手を心から応援しております。
吏麒にそう言われても「いや先輩なあ」とか、「3つ上やで」とツッコんでいます(笑)
——競馬学校40期は自厩舎の高橋康之厩舎にもよく乗る橋木太希騎手など、個性的な面々が揃っていそうですね。
そうですね、みんな個性豊かな性格で、みんな頑張り屋さんです!
バデル騎手のいい匂いの謎を追って
——先週のコラムで反響が特にあったのは、古川奈穂騎手と参戦されたトークショー、"競馬バカ vol.46"のお話でした。まなみ騎手の私服が可愛いと評判だったようです。
あ、ありがとうございます…!ファンの方はめったに私服姿を見ることがないからかもしれません(笑)

評判の私服姿 まなみ騎手ご提供
——そこはノーコメントでお願いしたいところです。読者の方も現地に足を運ばれたり、ネット配信でトークショーの模様をご覧になったようです。何人かの方から「その後田口貫太騎手を叱ったりしましたか?」というご感想がありました。まなみ騎手が田口貫太騎手に"明るいバカ"と例えられてしまったお話ですね。
貫太に明るいバカって言われたので、先週末に阪神競馬場のポケットで「古川さんには丁寧に話してるのに、私だけ明るいバカってなんやねん」と言ったら、貫太に「それしか言うことないですもん」と言われました(笑)
——悲しい話です。
私も確かに短くまとめればそうだなぁと思いました!
——なんとも返しにくいところですが、それだけ愛されているということですね。
いつもみんなと仲良くさせてもらっています(笑)

PN.水無月さんご提供
——いい話です。PN.すすすのひめみこさんから「遅ればせながら競馬バカを見ました!奇跡のレガレイラ(笑)。そしてコラムが悪いのか?!私から見てもいつものまなみんでした(笑)」というご感想をいただきました。皆さんいつものまなみ騎手を楽しまれたようです。
あはは(笑)、ありがとうございます。もうちょっと古川さんのように賢い女性になれるように頑張ります!
——そんな中、トークショー関連でPN.づかさんから「トークショーにて、まなみ騎手はバデル騎手がすごくいい匂いがして良かったと発言されてました。具体的には、どのようにいい匂いだったのでしょうか?」というご質問がありました。
これはもう出演されたビタミンSのお兄ちゃんもXにて出されていますが、夏の中京でまなみ騎手がバデル騎手に抜かれた際に、バデル騎手からめちゃくちゃいい匂いがした、というお話ですね。

取材班はバデル騎手のいい匂いの原因を探るためアマゾンの奥地へ…
めっちゃいい匂いで、レースが終わった後にバレットの姉に「バデルさんからすごくいい匂いがした」と言ったんです。そうしたら姉がバデルさんの通訳さんに聞いてくれたんです。
そうしたら香水は使っていないとのことで。たぶん柔軟剤の匂いじゃないかとおっしゃっていました。めっちゃいい匂いでした。
——柔軟剤…?
そうなんです。そういえば姉に聞いたら、ドイルさんも似たような匂いをしていたらしいんです。ヨーロッパの方がそういう匂いを好きなのかもしれません。
——永島姉妹で匂いについて話し合うのが何とも微笑ましいところです。
私が「バデルさんめちゃくちゃいい匂いなんやけど、なんの匂いかな?」と姉に言ったら、姉が「そんな気になるんやったら通訳さんに聞いてみるわ」と言って(笑)
——行動力。
あはは(笑)、それで聞いてもらいました。

PN.水無月さんご提供
——何に近い匂いなんでしょうか。
香水っぽい…なんの匂いなんですかね、あれは?
——私はバデル騎手の匂いを嗅いだことがないのでちょっと分からないです…。
そうですよね(笑)。甘くはなく、スパイシーでもなく…。めちゃくちゃいい匂いがします。鞍置きが後ろだったのですが、いるだけでいい匂いがするんです。
——気になるところです。先々"まなみトーーク"にバデル騎手を呼んで…。
その時は何を使っているか聞きます(笑)

PN.水無月さんご提供
——レース中の"匂い"という観点は今まで頭にありませんでした。普段隣を走っているジョッキーからいい匂いがする、などはないのでしょうか。
まったくなかったんです!これが初めてで。感動というか、ふぇぇってなりました。
——逆にレース外で、普段からいい匂いがする方はいらっしゃるのかも気になるところです。
んー、誰だろう。そこまで皆さん香水はないかもしれません。引退されましたが(松田)大作さんは毎回香水のいい匂いがしていました。
——イメージできるところがあります。まなみ騎手はどう言われているのかもちょっと気になるところですね。
私はもう無臭です!いや、無臭なんかな…?汗っかきなんで汗くさいかもしれません(笑)。香水も普段たまに出かける時にしか使わないので…。
——裏ではいい匂いと言われているかもしれません。
だと嬉しいですね(笑)

PN.水無月さんご提供
——トークショーに関係のないところだとPN.ゆきさんから「まなみんのめめが出るドラマのザ・ロイヤルファミリーに豊さんや(今村)聖奈ちゃんが出ると発表がありましたが、まなみんの出演はまだですか?」というご質問がありました。
私は全然何も(笑)。観る専門です!
——出演されるジョッキーの皆さんに、なんとしても"めめ"ことSnowManの目黒蓮さんに"ジョッキーの中にアツいめめ担がいる"という情報を伝えていただきたいところですね。
そういう機会があればありがたいところです!
——岩田望来騎手あたりが出演されるならマネージャーで現場に行きたいとおっしゃっていました。今村聖奈騎手にマネージャーとしてついていったり…
せずに、おうちでゆっくりドラマを観ます(笑)

ついに憧れのジョッキーに!優しき師の後押し
同期の仲良し・小沢大仁騎手登場!トーク第2弾はこちら!
——デビューは昨年定年引退、解散された松永昌博厩舎からでした。この経緯を伺いたいです。
小沢大仁騎手(以下大仁):学校が決めました(笑)
まなみ騎手(以下まなみ):私もいつの間にか決まってた(笑)。まあ私の場合は小林教官と高橋先生が同期だった縁もあったけど。
大仁:関東か関西かの志望は出せるんで関西志望で出したんですけれど、あとは競馬学校が探してくれるんです。ちょうどそれで松永先生が手を挙げてくださって。縁あって採っていただきました。
——松永昌博先生はどんな方なのでしょうか。
大仁:普段から怒らないですし、口数は少ないんですが温厚な方です。競馬で怒られた記憶もそんなにないですね。
まなみ:すごくいい先生だなと思います。お互いいい師匠に恵まれたなと思います。

——目標とするジョッキーが幸英明騎手でした。こちらの理由も伺いたいです。
大仁:松永厩舎の主戦ジョッキーでしたからね。一番間近で見ていましたし、誰もが言いますが、人としても尊敬できる存在なんです。
まなみ:皆さんそう言います。
——お二人に伺いたかったのですが、デビュー前から同期で誰が一番早く勝ち上がるか、という話になったりしたのでしょうか。
まなみ:話にはならなかったですけれど、大体誰が最初に勝つかは想像がつくというか。
大仁:こればかりは環境や運もあるしね。
まなみ:私は成績下のほうだったから、やっぱり上のほうの人が勝つかなと。
大仁:俺は(角田)大和くんだと思ってた。
まなみ:私もそう思ってた(笑)。それか松本くん。1位と2位の人のどちらかかなぁって。
大仁:(永野)猛蔵、(松本)大輝、大和くんのいずれかという感じはあったね。

——その中で新人王は小沢騎手でした。
大仁:上手くて勝てているというより、松永先生もいっぱい乗せてくれましたし、環境に恵まれたところがありましたね。自分でも、自分が上手くて勝ってるなっていう感覚は別になかったので。
そういう意味でも競馬学校からやり直したいという思いはあるんです。技術がない状態で勝ってしまっていたんで。もう少し自分に技術をつけた状態でデビューしたかったなと。
まなみ:でも乗せてもらえるのは人間性の部分もあると思う。
大仁:どうなんですかね(笑)
——小沢騎手はデビュー日の阪神1R・3歳未勝利をメイショウホタルビで制し、初騎乗初勝利と鮮烈なデビュー戦となりましたね。
大仁:めっちゃ覚えてます。馬に乗ってからは緊張しなかったんですが、パドックの下見所で待っている間はホンマに緊張していて。
乗ったら馬のことでいっぱいになったので緊張しなかったんですけれどね。レース中は静かだなという印象もかなり残ってます。

——レース中は静か。
大仁:レースには実況の声や他の声が入るじゃないですか。実際乗ってみたら自分の馬の足音、他の馬の足音、そして自分の馬の息遣いの音しか聞こえてこなくて、案外静かだなと思いましたね。
勝たせていただいたんですが、「あれ、勝っちゃった」という感じで、自分でもポワーンとする感じでした。
——まなみ騎手はこの日小倉でデビューでした。レースはご覧になっていたのでしょうか。
まなみ:見てました!凄いと思いましたね。デビューの日は競馬学校の教官も来てくださるんですが、「小沢勝ったぞ」と言われて。同期が勝ったので私も早く勝たないと、という思いになりましたね。
——この日は同期の永野猛蔵元騎手が中山で初騎乗初勝利を挙げられていました。同期2人がデビュー日に初騎乗初勝利を挙げたのは40年ぶりという快挙でした。
まなみ:そっか、永野くんも勝ってたのか。
大仁:僕らが凄かったわけではなくて、単純に調教師の先生方がいい馬を準備してくださっただけなので。特別なことという感じはないですね。

——小沢騎手は初日の最終レースでドスハーツで勝ってデビュー当日に2勝する活躍でしたね。
まなみ:めっちゃ勝つやんと思いました(笑)。でも凄いなと思いながら見てました。
大仁:あれも勝っちゃったという感じ(笑)。ドスハーツは前のレースを使った後、次は大仁のデビューのために取っておくと先生が言って取っておいてくださった馬なんです。先生のおかげです。愛情深い方なんで感謝ですよね。
——この小沢騎手初勝利の翌週、今度はまなみ騎手が中京で初勝利を挙げられました。小沢騎手はこの日、阪神で騎乗されています。
大仁:見てたかな…?覚えてない(笑)。自分のことで一杯一杯で、他の人の初勝利をあまり覚えてなくて…。
——小沢騎手は1年目に31勝を挙げ、最多勝利新人騎手となりました。お互いに、デビュー初年度に点数をつけるとしたら何点くらいでしょう。
大仁:40点くらいじゃないですかね。ホンマに競馬学校からやり直したいですもん。こうすればもっと勝てたというのもありましたし、技術と勝ち星の数が見合っていなかったというか。
まなみ:私は初年度7勝だったから…15点くらい?全然何もできなかったな。
——そんな中、小沢騎手は2年目にエーデルワイス賞をマルカラピッドで勝ち、重賞初勝利を果たしました。

大仁:あれはめちゃくちゃ嬉しかったですね!
まなみ:夜の競馬だったけれど見てた!凄いなと思った。
大仁:祝福のLINEくれたもんな。
更に上へ!現状と将来
——中央の重賞勝利はまなみ騎手のほうが早く、昨年マーメイドSをアリスヴェリテで勝たれました。
大仁:同じレースに乗ってたんですが、後ろから見ていても永島が勝ったのは分かったんで。凄いなという気持ちと、やったなという気持ちがありましたね。その後(荻野)極さんたちと草津(滋賀のほう)でお祝いしたもんな?
まなみ:お祝いしてもらった!瑠星さんも来てくれて。
——同期が重賞を勝ったりするとお互いお祝いの連絡はあったりするものなのでしょうか。
大仁:そもそも中央の重賞を勝ったのが永島だけなので…。

まなみ:でも節目の100勝とかそういうタイミングで同期のグルーブLINEでお祝いがあったりするよね。それ以外あのグループLINEが稼働するのは年始の挨拶の時だけ(笑)
大仁:もはやほとんど稼働してない(笑)
まなみ:「今年もよろしくお願いします!」と並んだところで、たまに横山(琉人)くんがふざけている写真をあげてくる(笑)
——そういえばまなみ騎手はジムに通われていますが、小沢騎手は普段どんなトレーニングをされているのでしょうか…?
大仁:トレーニングはしているほうだと思います。週2でパーソナルトレーニングをしてますね。競艇選手がよく来ているジムで、今やっているのは体性感覚のトレーニングです。
簡単に言えば体を思うように使うトレーニングですね。三半規管だったり、ちょっと違った種類のトレーニングで鍛えてます。

まなみ:私も体幹やってます。不安定なところでリズムを崩さず追うトレーニングで、岩田(望来)先輩や(富田)暁さんも見ているトレーナーについてますね。体幹重視ですね。
——お二人は何か変わったトレーニングをされたりしているのでしょうか。
大仁:たぶん今僕が言ったトレーニングは変わったヤツだと思いますね。
まなみ:そうだよね、変わってると思う。
——PN.こっちゃんさんから「おふたりはデビュー5年目という事ですが今までで一番印象に残っているレースを教えてください。また、お互いの一番印象に残っているレースもお聞きしたいです!」というご質問をいただきました。
大仁:自分の中で一番印象的なのはやっぱり初勝利のメイショウホタルビかな…。
まなみ:私は自厩舎のペイシャフラワーの納屋橋Sか、スリールミニョンの中京スポニチ賞!

大仁:永島のレースで印象的なのは普通にアリスヴェリテのマーメイドSだね。
まなみ:私はなんだろう…。あ、小倉のダート1700mでシルクさんの馬で、全然人気がない時に勝ったレース!
大仁:ああ、シークレットキーね(24年天草特別、単勝11番人気1着)。
まなみ:あのレースは人気がないのに最後グワンと来て凄いなと思った。
——PN.かなさんから「まなみんと小沢くんの今、特に期待している馬が知りたいです!」というご質問をいただきました。
まなみ:私は自厩舎で、この前新馬戦で3着だったマイリトルヒーローですね。あの子は走ってくるんだろうなと思います。期待してます。

大仁:今めちゃくちゃ考えましたけれど、函館で乗せていただいてレコード勝ちしたルージュサウダージは内容も良かったですね。その後脚元の不安もあって休んでいるんですけれど、次も楽しみですね。
——読まれている会員さんも喜びそうです。PN.こっちゃんさんから、「馬と関わる上で意識していることや、信頼関係を築くために心がけている事はありますか?」というご質問をいただいています。
まなみ:感情的になり過ぎないことです(笑)。やっぱり馬も生き物なので、馬を尊重しながら乗ることは意識してます。
大仁:意識してること…。確かに感情的にならないことは大事かも。レースによって浮き沈みがあるといけないし。
——自分の長所と言えるところをお2人に聞いてみたいです。
大仁:まだそんなに大きな長所は自分の中にはないかもしれません。ゲートは(福永)祐一さんから色々教えていただいて、自分の中では得意意識はあるんですけれど、自分の中で能力の五角形を作った時にもっとガーンと突き抜けるものを作りたいです。
まなみ:私はあまり引きずらないことかもしれない。悔しいという気持ちはあるけれど、よし次!とすぐ切り換えられる。これしかない(笑)

——逆に今一番課題としていることはありますか?
大仁:いっぱいあります、あり過ぎてこれとは言えないですけれど、単純に競馬が上手くなりたいです。技術もそうですし、リズム良く乗れるようになりたいし、もっと追えるようになりたいです。いっぱいあります。
まなみ:私も同じ。
大仁:僕に聞いてもいいことは言えない(笑)
※アクティブ!?お互いの趣味などプライベートに迫る、小沢騎手とまなみ騎手の対談第4弾は来週10日金曜に公開予定です!
※まなみ騎手と小沢大仁騎手のサイン色紙プレゼント応募はこちらから!
いつも永島まなみ騎手コラム"まなみの学び"をご覧いただきありがとうございます!コラム開始2年1か月、ここまでまなみ騎手に色々な質問に答えていただきました。
"ファンの皆様と共に歩む"コラムとして、これからもファンの皆様の質問を幅広く頂戴し、ご本人に聞いていこうと思っております。
競馬に関すること、そして日常生活について、永島まなみ騎手にこれだけは聞いてみたい!ということをぜひご応募ください。頂いたご質問、メッセージは上記のようにご本人に届けさせていただきます。
すべてのご応募はメールにて受け付けております。メールの件名に「まなみ騎手へ」、本文にお名前(ペンネーム)を記載の上、以下のアドレスまでご質問をお願いいたします。皆様ぜひご投稿よろしくお願いします!
manami_nagashima@keibalab.jp
プロフィール
永島 まなみ - Manami Nagashima
2002年10月27日生まれ、兵庫県出身。
父は兵庫競馬で数多くの重賞を制した永島太郎元騎手(現調教師)。父の背中を見てジョッキーを志し、幼少期から乗馬を始め、2018年に競馬学校騎手課程37期生として入学。2021年にジョッキーデビュー。
同年3月14日中京2Rでアクイールに騎乗し初勝利を挙げると、1年目はJRA7勝を挙げる。そして2年目の22年に3倍となるJRA21勝を挙げ躍進。外枠有利が定説の新潟直線1000mで、セルレアを内ラチ沿いから勝利に導くなど大胆な騎乗も多く、ファンを魅了する騎乗に注目が集まっている。趣味は映画、ドラマ鑑賞、料理。好きな言葉は「一生懸命」。常に上を目指す期待のアスリート。