
第5章:3年連続の偉業、そしてその先へ
2016/2/20(土)

松田宣浩×戸崎圭太「日本一の熱き男たち」(第4章)はコチラ⇒
-:お二人とも、活躍するまでの過程があったと思いますが、ブレイクするまでのいきさつや、きっかけ、たとえば恩師に出会えたとか、何かがあれば教えて下さい。
松田:さっき映像にもあった2011年ですね。僕の中では転機というか、11年に日本一になってから、ようやくプロ野球選手になったという自信にもなりました。11~15年までの成績はやっぱり良い結果が出ているし、5年間で日本一も3回なれたので、11年シーズンが僕の中では一番ブレイクする転機だったと思います。
圭太:僕は、デビューして7年目でようやく大きいレースを勝ったのですが、それまでは落馬があったり、そんなに大した成績も挙げられなかったのです。そのレースを勝ったというよりは、川島正行先生という調教師さんが本当に大恩師といいますか、その先生に乗せていただけるようになってから一気に成績も上がって、乗り鞍もチャンスも多くなって、今の自分があるかなという感じですね。
松田:その川島先生に会われたことで、ガラっと変わったんですね。
圭太:そうですね。そこからドンドンとチャンスもいただいて。
松田:野球だけじゃなく、競馬の世界、色々なスポーツでも、ブレイクした人は絶対に何かキッカケがありますよね。
圭太:何かキッカケがありますよね。それは感じますね。

松田:あまり野球選手と騎手の方との交流がなかったので、こういう機会があるのなら、どんどんしたいなと思いますね。僕は、相撲界やサッカーの世界で頑張っている選手と仲が良いのですが、騎手の方々とお話をする機会があったら視野が広がるというか。競馬に対しても、野球に対しても、お互いの視野が広がるようにどんどんやっていきたいなと思いますね。
圭太:ちなみに、競馬の馬券は買われたりするのですか?
松田:いや、僕はそういうのはからっきしダメなんですよね。
圭太:えっ、これだけ持っていらっしゃるのにギャンブル下手ですか?
松田:そうなんですよ。気付いたらやっていなかったですね。パチンコなどもハマらなかったです。真剣に馬券は買ったことはなかったですが、今度からは戸崎騎手に全部、僕の頑張ったお金を注ぎ込んで、それを増やしていただけるように、よろしくお願いします!!!
圭太:勘弁して下さいよ、ハハハ(笑)。
松田:でも、こうやってお話をさせてもらって、やっぱり結果も気になりますし、それは馬券で賭けたくなりますよね。
圭太:いや、段々と賭けたくなくなりますよ、ハハハ。「何だ、アイツ。人気してこないじゃないか」みたいに。
松田:それは勝っても負けても勝負の世界ですから。こうやってお話をさせてもらったら、結果がどうだったのか気になりますよね。今までも福岡なので、近くの小倉競馬場の方に有馬記念のトークショーとかで行ったりしましたね。全く競馬が分からなくて、背番号が5なので、常に「5番が来ます!」としか言っていなかったです。それがこれからは5よりも「戸崎騎手」。これは間違いない!これから福岡、九州で戸崎ファンを僕がつくろうかなと思います!
-:松田選手は去年日本代表として戦われて、戸崎騎手も海外で初騎乗をされましたが、海外で戦うこと、海外の選手と戦う難しさというがあったら教えて下さい。
松田:野球は当然ながらメジャーリーグが最高峰でして、世界各国から選手が集まっています。昨年は僕も行こうとした経緯もありつつ、結果的に断念したのですが、世界はやっぱりレベルが高いなと思います。ボール1球、1球の質だったり、バッターの体型だったり、飛距離を観ても全然レベルが違うので、やっぱりまだまだだなと思います。メジャーリーグには行かなかったのですが、日本だけで満足するのではなくて、常に上を目指してやって行こうかなと思います。
圭太:僕は去年初めて海外に行かせていただいたのですが、それ以前にも海外の騎手が、たくさんのトップジョッキーが来て一緒に乗っていて、やっぱり世界各国で乗っていると経験値も違うでしょうし、本当に素晴らしいなと思っていました。まだまだ自分は足りないなと感じますし、世界は広いですし、上には上がいて、本当に世界はすごいなと。
松田:海外のレースは日本と全然雰囲気は違いますか。あまり変わらないですか?
圭太:僕もどんな感じなのか不安で行ったのですが、コースが替わるくらいで、やることそのものは、そんなに変わらないなと。ただ、競馬場の雰囲気だったり、海外のジョッキーの力量などは違いますよね。
-:松田選手は去年の11月、海外(プレミア12)の雰囲気はいかがでしたか?
松田:その時は日本代表だったので、海外の試合というよりも日の丸の重みの方がありましたね。そこはプレッシャーも感じながらやっていました。


-:きょうはタップリとお話を聞かせていただきましたが、日本一を保持しているお二人に、最後に今年の目標を聞かせていただけますか?
松田:2年連続日本一になったので、3年連続日本一というチャンスがある限り、それを目指して、それを掴みに行きたいと思います。
圭太:僕も2年連続リーディングということで、今年も3年連続で獲りたいです。良い刺激を受けたので、海外でもチャンスがあればドンドンチャンスがあれば行きたいなと。
-:なおかつお二人のそれぞれ活躍する姿を観つつということで良いですかね。
圭太:そうですね。注目させていただきます!
松田:僕はマジで今年1年、戸崎騎手に賭けよう。それで、何回賭けたか数えておいて、何勝何敗にしておきますね。これで、1年の楽しみが増えたので、他の騎手には絶対に賭けません!よろしくお願いします。
圭太:精一杯頑張ります、ハハハ(笑)。
-:ありがとうございました。

▲互いの健闘と再会を誓い ガッチリ握手!
プロフィール
【戸崎 圭太】Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。
'99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗初勝利を飾るなど、若手時代から存在感を放っていたが、'08年に306勝を上げて初めて地方全国リーディング獲得し、一気にブレイク。その後は地方競馬No.1ジョッキーとして君臨。また、徐々に中央競馬でのスポット参戦も増えいった。
'11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初の中央G1勝ち。その名を全国に知らしめると、同年に中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を受験。自身3度目となる受験で晴れて合格し、'13年3月から中央入りを果たした。
移籍初年度も年間113勝をマークすると、移籍2年目は146勝をマークしリーディングを獲得。3年目のシーズンとなった今年も130勝をマークして2年連続のリーディングジョッキーとなった。
【松田 宣浩】Nobuhiro Matsuda
1983年5月17日生まれ、滋賀県出身。
亜細亜大学から'05年のドラフトにて希望入団枠制度により選択され、福岡ソフトバンクホークスに入団。ルーキーイヤーの'06年にいきなり開幕一軍入りを果たすと、チーム12年ぶりに新人野手として開幕戦にスタメンで出場した。'08年からは三塁手としてレギュラーに定着したが、翌年以降はシーズン中のケガに苦しむ事も多くあった。'12年には侍ジャパンこと、野球の日本代表にも選出される。'14年にはホークスの選手会長に就任、その年の日本シリーズではチームを日本一に導く適時打を放つ活躍を見せた。'15年はNPB史上3人目となるシーズン3本のサヨナラ本塁打を打つなど勝負強さを発揮。チームの日本一連覇に貢献する大活躍を見せた。
昨年の成績は打率.287、本塁打35本、打点94。本塁打は1位に2本差と迫るパ・リーグ2位の成績であった。