今週より2歳戦が開幕。ダービーは終わったばかりだが、来年へ向けて早くもダービー馬を目指す戦いが始まる。まずは新馬戦のスタートなる土曜日の阪神芝1600m戦から見ていく。

血統的に目立つのは、ディープインパクト産駒のケイアイノーテック。母のケイアイガーベラはカペラS、プロキオンSと重賞を2勝している。 1週前調教(以降調教は主に1週前のもの)は坂路54秒7-12秒8(一杯)で、古馬のエマノンに先着。全体時計は目立たないが、2週連続で12秒台で上がっており仕上がりは上々。あとは適性が父に出るか母に出るか。芝マイルをこなせれば、POG的にも期待が高まる。

調教で動いているのはアメイジングセンス。武豊騎手が手綱をとったせいもあるが、CWで6F81秒台、5F65秒台、上がりも12秒前半と、この時期の新馬としては秀逸の時計だ。デビュー戦から勝ち負け必至。

JRAブリーズアップセール出身で仕上がりが早いのはタイセイソニック。坂路55秒5-12秒7と、上がりは水準のものを出している。サマーセールでは864万円(税込)、ブリーズアップセールでは2916万円にまで上がったことは頭に入れておきたい。

ディバインブリーズは、近親に新馬、500万、オープンと3連勝したディープジュエリーがいる。芝で上がりがかかった1週前調教は少々不満だが、ルメール騎乗は期待の裏付けでもある。

セイウンフォーカスはCWで全体時計は遅いものの、余裕をもって上がり12秒で締めており、こちらもマークが必要だ。

東京では芝1400m戦。藤沢和厩舎が一発目に送り込む2歳馬はファストアプローチ。この厩舎らしく時計は地味だが、それでも坂路で持ったまま最後を12秒3で締めた時計もあり、能力の一端を感じさせる。叔父には香港でGⅠを制したサトノクラウンがいる。

坂路で目立つのはファーマメント、53秒4-12秒1で、古馬1600万のルールソヴァールと併入と力強い動きを見せている。以前には坂路で上がり11秒8も出しており、初戦から期待大だ。

ヴィオトポスは、美浦のウッドで67秒台を出せれば上々。母のマイネヴィータは札幌2歳S、フラワーCともに2着で個人的にPOGではお世話になったのだが、仔に活躍馬が出ていない。そろそろ当たりが欲しい。

ロジャージーニアスは、2週前の坂路を上がり12秒3で上がっており、勝負圏内。スパークリングも芝とはいえ、馬ナリで11秒半で上がっていれば合格点だ。

日曜日は阪神で芝1400m戦。目立つのはヴァイザーだ。「いいスピードがあるし、追ってからも終いまで脚が持続。水準以上と思うので稽古通りなら初戦から面白そう」と高橋亮師。CWで4Fから52秒、上がりも12秒でまとめており、時計は文句なし。一族には極悪馬場のダービーを制したロジユニヴァースや、ダートで活躍しているランンフォルセ、ノーザンリバーなどパワー型の馬が多く、雨が多くなる今の時期は特に有利だ。

サトノオンリーワン

東京は芝1600m戦。ここは楽しみなメンバーだ。POG的にも興味を集めるのはサトノオンリーワン。「ゲート試験もスムーズにパスして、早い時期からデビューできるだけ順調にきている。いいフットワークで太めなく仕上がっている」と森助手。セレクトセールで1億2500万円の値がついた高額馬で、購入者は里見氏で堀厩舎所属。全兄は重賞で3度掲示板に載ったソールインパクトと、POG人気を集める材料は揃っている。そして鞍上はモレイラと来れば、馬券人気も大変なことになりそうだ。

ただ調教を見てしまうと、ステルヴィオにも興味が行く。「稽古の動きがいいし、しなやかで伸びがある。スピードだけのタイプでなく、まずはマイルでどんな走りを見せてくれるか」と木村師。美浦ウッドで6F81秒台、5F66秒台を軽々マークし、ベストリゾートを追走して併入。そのベストリゾートが先週、素質馬揃いの500万を勝っており、ステルヴィオの価値はますます上がっている。鞍上はルメール騎手。

他にも好調教馬が目立ち、マイネルグリージュは、ウッドで66秒前半をマーク。近親にはマイネルフロストがいる。ハヤブサレジェンドは、坂路で52秒4。半兄にダイシンサンダー(5勝)がいる。東京マイル戦は特に良く見ておきたい。

新規入厩組は、先週に入っていたエントシャイデンが目玉か。全兄には重賞2勝のブランボヌール。矢作厩舎入厩で、この馬も2歳重賞で活躍してくれそうだ。

上が大物なのは2頭。ゴールドフラッグは全兄にゴールドシップ、ロングランメーカーは半姉にミッキークイーンとG1馬がいる。グーテンタークは、近親にルージュバック。石坂厩舎-馬場オーナー-ノーザンFラインは成功率が高いので、堅実にポイントを稼いでくれそうだ。