今週も当然のように出馬ラッシュで除外の嵐。特に中山のマイル戦は毎回大変なことになっている。除外続きでピークを過ぎる馬、逆に5頭枠に入ってしまい、仕上げが足りない馬も存在するので、馬券を買う際は調教メニューと、パドックで馬体をしっかりチェックしていただきたい。

1月19日
◆京都ダート1800m

シルバースミス(牝、オルフェーヴル×リングジアラーム、栗東・橋口厩舎)
母の兄にハレルヤサンデー(7勝)。当初は同日の京都芝マイル戦を予定も、相手関係と除外のリスクが大きいため、こちらにまわってきた。1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)はCWで5F68秒台前半、1F12秒台半ばの時計を楽にマークし、併せた馬に先着。2週前にはCWで6F80秒台も出しており、初戦から楽しみ。

フェリシタシオン(牡、ルーラーシップ×ブライダルソング、栗東・須貝厩舎)
近親に南関東の2冠馬シーチャリオットがいる。調教は坂路53秒3-12秒8(強め)。普段より重かった坂路を考えると、水準レベルの時計は出ている。鞍上は岩田騎手。

◆京都ダート1400m・牝馬限定

グレースベイ(牝、ヴィクトワールピサ×クーデンビーチ、栗東・安田翔厩舎)
半姉サザナミ(5勝)、近親ダノンチェイサー(現2勝)。調教は坂路52秒6-13秒0(一杯)。水曜日の未出走馬の坂路時計では4番目にあたる好時計をマークし、デビューへ向け順調だ。鞍上は岩田騎手。

ウインドブラーハ(牝、ヨハネスブルグ×メモリアルサマー、栗東・武幸厩舎)
半兄ソングオブウインド(菊花賞馬)。そのソングオブウインドの主戦騎手だった武幸四郎厩舎に所属している。調教は坂路54秒8-14秒4(馬なり)。馬場が重く時計は遅かったが余力を残しており、まだまだ時計を詰める余裕はある。鞍上は秋山騎手。

リードザヴァン(牝、ルーラーシップ×ラントゥザリード、栗東・本田厩舎)
母の兄はスクリーンヒーロー(ジャパンC勝ち馬)。調教はCWで一杯に追われ5F70秒、1F12秒台前半で、併せた新馬に1馬身ほど先着している。

1月20日
◆京都芝1600m

ユニコーンライオン(牡、No Nay Never×Muravka、栗東・矢作厩舎)
兄はフランスG1勝ち馬。タタソールのセールで、クールモアに競り勝って落札し、募集価格も2億円の高額(ライオンRH)となった。「体のしっかりしている馬で、徐々に気持ちの面も出てきた。動きも良くなってきたし、初戦から楽しみにしている」と陣営。調教は坂路53秒1-12秒2(一杯)。2週前にはCWで5F67秒台、1F11秒台後半の好時計をマーク。大型馬だが、初戦から好走できる状態にある。鞍上は岩田騎手。

シルヴァーソニック(牡、オルフェーヴル×エアトゥーレ、栗東・池江厩舎)
半兄キャプテントゥーレ(皐月賞馬)、クランモンタナ(小倉記念勝ち馬)、半姉アルティマトゥーレ(重賞2勝)と兄姉に活躍馬が並ぶ。「先月の入厩からここまで順調。だいぶしっかりして稽古も動けているし、いいモノを持っている」と池江師。調教はCWで一杯に追われ、5F67秒台後半、1F12秒台半ばで、古馬1000万を追走し先着。一時より動けるようになってきている。鞍上は松山騎手。

クインオブザシーズ(牝、ノヴェリスト×レジネッタ、栗東・角居厩舎)
母は桜花賞馬。1月12日の中山マイルを除外されたが、もともと目標は20日の当レースだったので除外の影響はない。調教はCWで5F68秒台半ば、1F11秒台後半の時計を楽にマークし、古馬500万に先着。馬場を考えれば優秀な時計で、初戦から好勝負必至。鞍上はM.デムーロ騎手。

アンドラステ(牝、オルフェーヴル×ヴァリディオル、栗東・中内田厩舎)
母の兄ヴァーティカルサン(2勝)。調教はCW6F82秒台、5F66秒台半ば、1F12秒。3歳未勝利馬に遅れたが大きく追走しており、時計も出ている。新馬戦でもしっかり仕上げてくる中内田厩舎なので、マークは必要だ。

セルプランタン(牝、ロードカナロア×マドモアゼルドパリ、栗東・安田隆厩舎)
半姉マキシマムドパリ(重賞2勝)。ポリトラックで一杯に5F68秒台半ば、1F12秒台後半の時計を出し、併せた新馬に先着している。鞍上は浜中騎手。

キープザレスト(牝、ドリームジャーニー×キャッシュインクルーデッド、栗東・中尾厩舎)
母は北米G1勝ち馬。1月14日の京都マイル戦を除外になり、1週延びてのデビュー戦。調教は坂路で56秒1-13秒0(やや一杯)とかかったのは雪で馬場が重かったからか。以前は53秒台を出していたので、本来はもっと動けるはずだ。

ダルトヴィラ(牝、ディープインパクト×ダルタヤ、栗東・須貝厩舎)
母はフランス1000ギニー4着、半兄にダルカラ(フランスG1オペラ賞勝ち馬)がいる。1月14日の京都マイル戦を除外され、1週後のここに出走予定。調教はCWで一杯に5F71秒台、1F13秒台後半。馬場が重かったせいもあるのだろうが、なかなか時計は詰まってこない。除外で更に調教を積めることになるので、そのぶんの変わり身を期待したい。

アルデンテ(牝、エンパイアメーカー×イタリアンレッド、栗東・河内厩舎)
母は重賞3連勝した馬。調教はCW5F68秒台後半、1F11秒台後半を余裕をもって出している。速めの時計を重ねて新馬戦に出してくるケースが多い河内厩舎の馬で、初戦から動けるだろう。

スワンレーク(牝、ロードカナロア×グランパドドゥ、栗東・鮫島厩舎)
母は中日新聞杯勝ち馬、祖母はスターバレリーナ(ローズS勝ち馬)、半兄パドトロワ(重賞3勝)。調教はCWで5F72秒、1F12秒台後半と軽めだが、坂路、CWを併用して本数は重ねられている。

◆中山芝1600m

ボッケリーニ(牡、キングカメハメハ×ポップコーンジャズ、栗東・池江厩舎)
全兄ラブリーデイ(G1を2勝)。「毛色こそ違うが兄ラブリーデイに似ている。中距離まで保つとは思うが、まずはマイルから試してみる」と池江師。調教はCWで一杯に5F67秒台後半、1F12秒台半ば。2週前までは平凡だったが、徐々に良くなりつつある。鞍上はルメール騎手。

パシフィスタ(牡、マンハッタンカフェ×ピューリティー、美浦・中川厩舎)
半姉ピュアブリーゼ(オークス2着)。調教はウッド4F53秒台前半、1F13秒台前半を楽にマーク。強めの調教が少ないので、まだまだ変わり身も見込める。

レッドパルテール(牝、ブラックタイド×シェーンフレール、美浦・手塚厩舎)
近親にアグネスデジタル(交流、海外含むG1を6勝)。2週連続で除外となっており、さすがに今回はデビューがかなうだろう。調教は坂路55秒5-16秒0。引っかかってしまい、最後はバタバタになってしまった。こんな状態なら再度の除外をプラスに考え、いい形でデビューを迎えたい。鞍上は石川騎手。

アイワナビリーヴ(牝、ジャスタウェイ×ワナダンス、美浦・戸田厩舎)
母はアルゼンチンのG1勝ち馬。12日の中山戦を予定も除外になっている。調教はポリトラックで5F67秒台後半、1F12秒台前半。昨年夏に出走へ向け仕上げていた時期があったので、仕上げにそれほど時間はかかるまい。

スピーナ(牝、ハーツクライ×ローズキャサリン、美浦・鹿戸厩舎)
母は北米で7勝。ポリトラックで強めに5F67秒台後半、1F12秒台。併せた新馬と併入している。鞍上は三浦騎手。

◆中山ダート1800m

フィードバック(牡、ブラックタイド×エンドレスビジネス、美浦・鈴木伸厩舎)
母は4勝。美浦ウッドで5F71秒台、1F13秒台半ばと時計は遅いが、かなり余裕をもってのもので、本数を重ね良化は窺える。ルメール騎手を確保していることから期待は大きいはずだ。

ヘッドオブステート(牡、キングカメハメハ×ザグレース、美浦・大竹厩舎)
母の兄ドリームパスポート(G1で2着3回)。調教ウッドで強めに追われ5F67秒台半ば、1F13秒台後半。古馬500万に1馬身程度遅れたが、1秒近く追走したもので心配はあるまい。出馬ラッシュのため早めに投票していくということなので、ここでデビューとなると若干余裕があるかもしれない。鞍上は田辺騎手。

ブーケオブジュエル(牝、キングカメハメハ×ザッハーマイン、美浦・国枝厩舎)
半兄マインシャッツ(現5勝)。13日の牝馬限定戦を除外されたため、このレースへ。美浦ウッドで一杯に追われ4F53秒台後半、1F13秒。2週前には坂路で52秒8を出しており仕上がりは問題ない。鞍上はマーフィー騎手。

◆中京芝2000m

レッドムルガン(牡、ハービンジャー×ビジュアルショック、栗東・松永幹厩舎)
半姉ブラックスビーチ(現3勝)。CWで最後に軽くムチを入れる程度で5F68秒台後半、1F12秒台前半をマーク。併せたリオンリオン(若駒Sを予定)と併入したが、手応えは優勢だった。鞍上は藤岡佑騎手。

レッドアクトレス(牝、スクリーンヒーロー×トゥーピー、栗東・藤原英厩舎)
半兄サトノラーゼン(京都新聞杯勝ち馬、ダービー2着)、サトノクロニクル(チャレンジC勝ち馬)。CWで気合をつける程度に5F68秒、1F12秒台後半の時計をマーク。この週のCWでこの時計なら上々だ。鞍上は福永騎手

クールウォーター(牝、ディープインパクト×クロウキャニオン、美浦・堀厩舎)
全兄カミノタサハラ(弥生賞勝ち馬)など、兄姉に活躍馬が多数いるPOGお馴染みの血統。調教はウッドで一杯に5F69秒、1F13秒台前半。2週前にはウッドで5F68秒台、1F12秒台半ばを出している。今のウッドの状態と堀厩舎を考慮すれば、この時計で問題ない。

◆未出走馬入厩情報

オーサムウインド(牝、ディープインパクト×オーサムフェザー、栗東・友道厩舎)
全兄スーパーフェザー(現2勝)。10月京都デビューが決まっていたが、馬体細化で回避し放牧。その後、捻挫から球節が腫れるアクシデントもあり、ここまで入厩が延びてしまった。デビューへ向けて順調に行って欲しいものだ。