先週の京都5レースに有力馬が多数出てしまったためか、今週は少々大人しいメンバー。それもあって、いつもは関西のほうが豪華だが、今週の主役は関東にある。
東京芝2000mに出走のハートレー(牡2、美浦・手塚厩舎)は、サンデーRの募集価格が1億円というノーザンFの超期待馬だ。
「牧場時代から目立つ馬で、素質はかなりのモノを秘めていそう。クラシックに乗せなくてはならない1頭」と手塚師。今週から騎乗のムーア騎手に合わせたデビューにも思え、陣営の期待感が伝わってくる。調教のほうも順調で、1週前はウッドで68秒台、上がり12秒半ばを馬なりでマークし、古馬のデュアルメジャーに先着と文句なしの動きだ。POG本の取材の頃は、「マイルくらいまで」という話もあったので、2000mの距離に少々不安も感じるが、ここをクリアすればクラシックも見えてくる。

この馬で堅そうなイメージだが、そこは2000m戦。他にも将来を見据えた期待馬が存在する。中でも評判が高いのは、オーダードリブン(牡2、美浦・加藤征厩舎)。全兄は京成杯を勝ったベストディールで、この馬も早くから活躍が見込める。ハートレーほどではないが、こちらも調教では水準の動きを見せており、この2頭の対決は見ものだ。

ハートレー
牡、美浦・手塚、ディープインパクト×ウィキッドリーパーフェクト
POGシメイ

オーダードリブン
牡、美浦・加藤征、ディープインパクト×コマーサント
POGシメイ

ハートレー

▲大きな期待がかかる高額馬ハートレー


芝の1400m戦では、こちらもサンデーR期待の良血馬チェッキーノ(牝、美浦・藤沢和厩舎)。北海道デビューの予定もあったが、ソエや疲れもあって秋まで伸びた。
「馬の状態を見ながらじっくりと調整して、ここまで順調です。血統馬らしく躍動感のある動き。やはり期待は大きいです」と津曲助手。全兄コディーノは新馬、札幌2歳S、東スポ杯2歳Sと3連勝。他の兄姉も含め5頭中4頭が新馬勝ちをしており、チェッキーノも初戦から結果を出したい。

同レース出走予定のカンタオール(牡、美浦・栗田徹厩舎)は、ウッドで4F53秒2-12秒9の時計を出し、こちらも順調。陣営はダート向きも示唆しているが。まずは芝スタートとなった。母のバイラオーラは新馬勝ちし、祖母のバイラリーナは未勝利、500万、スイートピーSで3連勝と、芝でも大丈夫だろう。

1600m戦は、プラトリーナ(牝、美浦・木村厩舎)。牝馬だが、サンデーRで4400万の募集価格からも期待感が分かる。ただ400キロそこそこで、もう少し馬体の成長が欲しい。

体調や仕上げの進み具合から1週前段階ではっきりしていないが、アフェクテューズ(牡、美浦・手塚厩舎)も出走予定。夏の新潟デビューだったが、筋肉痛が起きたり体質の弱さが影響したりで、デビューが遅くなってしまった。全姉ショウナンアデラ(昨年の阪神JF覇者)は脚部の弱さに悩まされたが、この馬も似たところがある。調教は可もなく不可もなくいった感じで、まだまだ物足りない部分は多い。レースまでにどれだけ鍛錬できるか。パンとすれば走ると思うのだが。

チェッキーノ
牝、美浦・藤沢和、キングカメハメハ×ハッピーパス
POGシメイ

プラトリーナ
牝、美浦・木村、ディープインパクト×フラニーフロイド
POGシメイ

チェッキーノ

▲兄同様の活躍が期待されるチェッキーノ(写真内)


京都に目を向けると、芝1800m戦は血統的にプロジェクト(牡、栗東・音無厩舎)が注目。
「この血統なので奥手とは思うが、動きや雰囲気はいいし、走ってくると思う。距離も保ちそうで、大事に使っていきたい」と音無師。坂路55秒2-13秒0の時計からも、確かに初戦からというイメージは無いが、そこは半兄にG1・2勝のカンパニー、近親に天皇賞馬トーセンジョーダンや、トーセンホマレボシ、トーセンスターダムらがいる一族。レースへ行って変身が見込める。

調教が目立つのは、芝1400m戦に出走のソルヴェイグ(牝、栗東・鮫島厩舎)。CWで6Fから81秒台、5F65秒台、最後1Fは12秒半ばと水準以上の時計をマークした。母のアスドゥクールは1400m以下を中心に4勝。母のきょうだいになるエールブリーズ、アイリッシュカーリも短距離オープンで活躍しており、この馬も1400m前後が主戦場か。

プロジェクト
牡、栗東・音無、ハービンジャー×ブリリアントベリー
POGシメイ

ソルヴェイグ
牝、栗東・鮫島、ダイワメジャー×アスドゥクール
POGシメイ

プロジェクト

▲長い息での活躍に期待がかかるプロジェクト


未デビューの入厩組は、ゲート試験後放牧に出された再入厩組に良血馬が目立つ。コアコンピタンス(牡、美浦・国枝厩舎)は、母がGⅠ勝ち馬スティンガー、半兄にはサトノギャラントキングズオブザサンとオープンで活躍した馬がおり、POGでも上位人気になった馬。早期デビューの噂もあったのだが、成長が遅くデビューは秋にずれ込んでしまった。時間をかけての入厩だけに、今度こそデビューまで順調に行ってくれることを望みたい。

同じように早期デビューの予定がずれ込んでしまったのがアドヴェントス(牝、美浦・堀厩舎)。兄姉はアヴェンチュラトールポピーのGⅠ馬2頭に、重賞3連勝のフサイチホウオーがおり、早くから活躍できるPOG向きの馬。アドヴェントスも2歳戦から活躍を期待したが、夏から秋にかけて調整に時間がかかってしまった。同厩の期待牝馬ルフォールが快勝デビューしただけに、この馬も続きたい。

最後はクィーンアマポーラ(牝、栗東・藤岡健)。夏に函館競馬場に入厩し、ゲート試験後に放牧。今回が再入厩となる。母はエリザベス女王杯勝ち馬リトルアマポーラで、こちらは母が勝てなかったクラシックを期待したい。

コアコンピタンス
牡、美浦・国枝、キングカメハメハ×スティンガー
POGシメイ

アドヴェントス
牝、美浦・堀、ジャングルポケット×アドマイヤサンデー
POGシメイ

アドヴェントス

▲堀厩舎期待の牝馬アドヴェントス