今週から阪神JF、朝日杯FS、ホープフルSとクラシックへ向けての重要レースが続く。そろそろ2歳世代の骨格も見えてきており、新馬組はノンビリしていられない。

もっとも質が高いのは土曜日の阪神芝1800m戦。栗東で評価が高いのはミッキーロケット(牡2、栗東・音無厩舎)だ。
「追ってからの反応が良くて、ジョッキーもいい感触を掴めている様子。距離も保ちそうだし、楽しみにしている」と音無師。
母はアイルランド産で、イギリスのGⅠでも好走した実力馬。その血統が買われたか、セレクトセールでも9200万円の高値がついた。ただPOG本の取材時は、まだまだ体質が弱くデビューが遅くなると聞いていたので、12月デビューになってしまったことは想定内か。
1週前調教(以降も1週前のもの)は坂路で53秒8-12秒8(一杯)。重い馬場で全体時計がかかったが、併せたタッチシタイ(古馬1000万)に0・6秒先着しており動きは良好。初戦から好勝負できそうだ。

調教ならロワアブソリュー(牡2、栗東・須貝尚厩舎)も負けていない。1週前の坂路は地味な時計だが、2週前のCWでは6F81秒台、5F66秒の好時計で、同厩の良血馬レッドヴェルサスに先着している。兄姉のベステゲシェンクシュプリームギフトはマイル以下の距離で活躍したが、スローペースが当然の新馬戦なら、1800mでスタミナ不安とはなるまい。

他の新馬戦に回る可能性もあるが、出走して来ればマークが必要なのが次の2頭。

ウルトラバロック(牡2、栗東・松田国厩舎)は、秋華賞でダイワスカーレット、ウオッカの2強に割って入って2着したレインダンスの半弟。終いを要したが、CWで5F66秒台と水準の時計をマーク。翌日の中京芝2000m戦も視野に入れている。

エンジェルフェイス(牝2、栗東・藤原英厩舎)は、姉にレディアルバローザキャトルフィーユの重賞ウイナー2頭がいる。調教では古馬に先着し順調に来ているが、翌週の阪神芝1600m戦にまわる可能性もある。

ミッキーロケット
牡、栗東・音無、キングカメハメハ×マネーキャントバイミーラヴ
POGシメイ

ロワアブソリュー
牡、栗東・須貝、ゼンノロブロイ×スーヴェニアギフト
POGシメイ

ロワアブソリュー

▲2週前追い切りで好時計をマークしたロワアブソリュー


翌日の阪神ダート1800m戦は、血統的にカントリーロード(牡2、栗東・高橋忠厩舎)に注目が集まる。
「まだ気性的に子供なので教えることが多いが、素質馬らしくいいモノを秘めている。大事に育てていきたい」と高橋忠師。
母アグネスショコラの仔はここまで9頭がデビューし、キングカメハメハとの間に産まれたロワジャルダンゴールデンチケットの2頭が重賞勝ちしている。この馬も父がキングカメハメハで、将来性大だ。

同じレース出走予定のゴールドドリーム(牡2、栗東・平田厩舎)は、母がダートで4勝したモンヴェール。血統だけでなく走法も力馬タイプで、陣営もダート戦を狙っての出走。調教の動きも悪くなく、好レースが期待される。

中山も好メンバーが集まるのは芝1800m戦。調教が目立つのはアルカサル(牡2、美浦・大竹厩舎)。ウッドでの併せ馬は追走して遅れたが、全体時計は5Fで67秒8を強めでマークと、新馬戦としては水準以上。半兄のジェベルムーサはダートで7勝を挙げているが、弟はまず芝で走りの感触を確かめる。

サンクロワ(牡2、美浦・斎藤誠厩舎)は、母がエルフィンSを勝ったサンヴィクトワール、母の半弟には重賞で活躍したユニバーサルバンクがいる。調教時計は目立たないが、気性は初戦から行けるタイプと陣営は見ており、新馬戦から好勝負を見込んでいる。

アースコレクション(牡2、美浦・尾関厩舎)は、フロリダのセールで落札された外国産馬。
「デビュー前の2歳馬でも、他の馬とは脚力が違う。初戦はもちろんだが、先々まで期待は大きい」と尾関師が話す、厩舎期待の馬。同厩のユークリッドに併せ馬で先着し、動きも上々だ。

そのユークリッド(牡2、美浦・尾関厩舎)は、中京2000m戦でデビュー予定。アースコレクションに遅れたとはいえ追走したもので、時計も出ている。尾関厩舎の2頭は、初戦から行ける雰囲気だ。

カントリーロード
牡、栗東・高橋、キングカメハメハ×アグネスショコラ
POGシメイ

アルカサル
牡、美浦・大竹、ドリームジャーニー×アビラ
POGシメイ

カントリーロード

▲セレクトセールで7200万円で取引されたカントリーロード


続いては新規入厩組。フリーフォール(牡2、栗東・角居厩舎)は、ドラフト時期に「角居厩舎の隠し玉」と言われた馬。ただ深管の不安もあって入厩が遅くなってしまった。4代母に名牝ミエスクを持ち、名種牡馬キングマンボ、日本ではリアルスティールと同じ一族になる。血統的な魅力は大きい。
マイネルチャンプ(牡2、栗東・西園厩舎)は、スマイルジャックの半弟。兄はダービー2着しており、弟も続きたい。

再入厩組で目を引くのは、サトノキングダム(牡2、美浦・国枝厩舎)。銀河系軍団と言われる今年の国枝厩舎2歳勢の中でも特に評価が高く、夏デビュー予定もあって、私が参加している数か所のPOGでも中位以上で指名されていた。しかし心身ともに弱いところがあり、デビューせずに放牧。その後も爪の不安があったりと順調さを欠き、未だデビューできていない。今度こそデビューまで漕ぎつけたい。

延び延びとなったのはマイティーゴールド(牡、美浦・尾関厩舎)も同じ。こちらは10月東京でデビュー寸前まで進めながら、軽い不安が出て放牧に出ていた。こちらも順調に行ってほしいものだ。

フリーフォール
牡、栗東・角居、ヴィクトワールピサ×ワイ
POGシメイ

サトノキングダム
牡、美浦・国枝、ディープインパクト×ダリシア
POGシメイ

サトノキングダム

▲今度こそデビューをむかえたいサトノキングダム