芝の新馬戦は最終週。そんな状況でも……!

除外ラッシュが続いたまま、芝の新馬戦は今週が最後。もっと芝の新馬戦を増やしてもいいと思うのは自分だけだろうか?

芝の最後の新馬戦になる日曜日阪神芝2000m戦。目玉は断然ジェニアル(牡3、栗東・松永厩舎)だ。母はフランスオークスなどGⅠを3勝し、ヨーロッパ3歳牝馬チャンピオンにも輝いた名牝。その母に父がディープインパクトとくれば評判になるのも当然で、セレクトセールでも1億7280万円(税込)の値がついた良血馬である。

ジェニアル
「軽い走りをするし、ディープインパクト産駒らしさがある。デビューが遅れてしまったが、素質を感じる1頭」と松永幹師。調教でも目立った動きを連発し、2週前にはCW6F81秒台を馬ナリでマーク。1週前(以降、調教は主に1週前のもの)もCWで6F82秒、上がり12秒前半を軽くマークし、2週ともにナンヨープルートー(先週のブリージア賞4着)に先着と、デビュー前としては文句なしの調教を披露している。問題があるとすれば除外権利を持っていないこと。うまく抽選を通れば最有力だ。

ジェニアルほど派手ではないが、グレンマクナス(牡3、栗東・藤岡厩舎)も母はアメリカGⅠ勝ち馬という良血だ。坂路55秒3-12秒3と終いにいい動きを見せ能力を感じさせるが、この馬も権利を持っていないことが鍵になる。

2度の除外で今度こそデビューできそうなのがエクレアスパークル(牡3、栗東・中内田厩舎)。1月初旬に坂路で速い時計を出し始め、1か月ほど前にはCWで5F64秒台をマーク。いつでも出走できそうだったが、除外ラッシュで大きくデビューが伸びてしまった。そのためピークの維持が難しいが、1週前の芝5F72秒台を見ると、やはりペースを落としている。レースまでにどれだけ戻せるか。
半兄にアンタラジー、半姉にアグレアーブルと上に素質馬がおり、この馬も調教から高い能力を感じさせる馬。本来のデキなら好勝負間違いないのだが。

オウケンサクラブ(牝3、栗東・安田厩舎)は、母が桜花賞2着のオウケンサクラ。先週除外で権利を持っており、このレースでデビューできそうだ。

良血、ルージュバックの半妹が出走!

中山は土曜日に芝の2000m戦。こちらは先週除外になった3頭を紹介する。

プリンセスアイリス(牝3、美浦・和田郎厩舎)は、半兄にミエノゴーゴー(3勝)がいる。「乗り込めているし、除外も見越して調整できている。中山は合いそうで、血統面からも距離は長くていいタイプでは」と和田郎師。坂路54秒5-13秒5(一杯)と調教は目立たないタイプ。レースでどこまで変わるか。

エリティエール(牝3、美浦・大竹厩舎)は、母がアメリカでGⅠ5勝の名牝。半姉にルージュバック(重賞3勝)がいる。2週前にはウッドで67秒前半の時計、1週前は仕上がってきたこともありウッド4F54秒台も上がりを12秒台で締め、動きは良好だ。

坂路調教で目立つのはシュケット(牝3、美浦・大和田厩舎)。2週前に52秒3、1週前に55秒7も上がりは12秒4。どちらも余裕をもってマークしており、初戦から期待できる動きだ。

日曜日の中山ダート1200m戦は、トリプレット(牝3、美浦・久保田厩舎)。半兄にはクワドループル(4勝)がいる。「まだ真面目過ぎるところはあるが、前向きな走りをする。血統的にも活躍の場はダートだと思う」と池内助手。1週前の水木は速い時計を出していないが、2月12日にウッドで4F55秒台、上がり12秒台を馬ナリでマークしており、動きは悪くない。直前にしっかりやれていれば大丈夫だろう。

ウェントワース(牝3、美浦・栗田厩舎)は、半兄にワールンガ、タマラマと活躍馬がいる。坂路で52秒4を楽々マークし、初戦から行ける。

コンピレーション(牡3、美浦・手塚厩舎)も、坂路で53秒4-12秒4を持ったまま計時。ただ権利を持っていないため、中山2週目デビューも想定した仕上がりとなりそうだ。

サウスカップ(牝3、美浦・尾関厩舎)は、半兄にゲンパチタキオン(5勝)、ベビーネイル(4勝)、近親にダンツフレーム(宝塚記念)がいる。調教も水準レベルにはあるが、デビュー勝ちへ向けて、最終調教は更に時計を詰めていきたい。