
初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『ジュピターゴールド快挙』
2018/7/19(木)
皆さんこんにちはライター大和屋です。皆さんジュピターゴールドのことを覚えてらっしゃるでしょうか?去年の今頃、友人一同でシンガポールまで応援に行った丸山(担)さんと保坂(和孝)さんと他二名の方で、共同所有しているシンガポール競馬所属のお馬さんです。
去年皆で応援したレース(シンガポールギニー)は残念ながら2着に敗れ、一年後のシンガポールダービーで雪辱だと皆の再会を誓い合った、あのジュピター君。その後、調子を崩してあまり芳しくない成績で、熱帯に近い気候の中、このままではあかんと去勢し、ちょいと前の特別レースでは復調の兆しを見せてくれたとのことでしたが、応援行きますよ!と目をキラキラさせながらアピールする僕らに視線を避けるように、いや、まあ、調子が戻っているようならお声かけしますと、どこかよそよそしい口調で目をそらしながらの言葉に、ああ、今年のダービーは勝てる気がしていないんだなと、勝手に推測し日本で星空に向かってジュピター頑張れと祈っていた僕らの元に、こんなラインが届いたのです。
「ジュピターゴールド、シンガポールダービー勝っちゃいました!」
なんということだ。遠征ツアーを自重したのが完全に裏目でした。セレクトセールの次の週という立て込んだスケジュールというのもありました。しかもよくよく話を聞いてみると、四人いた馬主さん全員が誰一人として仕事の都合がつかなくて現地にいなかったという恐ろしい事実。担さんも保坂さんも日本にいたそうです。記事を見てみると絶対的な1番人気がいたのだが、ジュピター自身は2番人気。レース映像を見れば好位で競馬し直線に向くと横綱相撲で抜け出し。なんとも強い勝ち方でした。

写真は大和屋さんが昨年、現地を訪れた時のもの


ジュピターゴールドを管理する日本人調教師の高岡師と

これにて担さんと保坂さんは重賞初勝利。いきなりのG1勝利でしかもダービーという素晴らしい結果。僕個人としてはシンガポールのホーカーセンターでジャンクフードを食べまくりたいという欲求が高まっていたこの時期のことでしたので、現地に行けなかったのがはなはだ残念で仕方ありませんが、ジュピターゴールドはまだまだ現役。これから先も大きなレースを使うことになるでしょう。どこかでまた声をかけてくれることを期待しつつ、ジュピターゴールドの応援を続けていければと思います。
担さん、保坂さん、そして他2名の馬主さま。今回はシンガポールダービー制覇。おめでとうございました!というわけでシンガポールに行きたくなりました。そうだ、週末は恵比寿でチキンライスでも食べにに行こうと心に誓う大和屋なのでした。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。