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- 2017 宝塚記念・GⅠ総力特集
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【宝塚記念】過去10年・トレンドジャッジ
◆牝馬、特に前走ヴィクトリアM組の好走確率が高い
◆瞬発力より底力、持続力が求められる
◆母方が重い血統であることは重要
◆最重要はステイゴールド産駒、近年はキングマンボ系もポイント
【宝塚記念】過去10年・連対馬血統
今年のポイントは?
●絶対王者キタサンブラックに死角はあるか。ないならば、少頭数なので相手を絞らないといけない。その場合、切るべき有力馬はどれなのか。これに尽きるだろう。
【宝塚記念】有力馬・血統MMチャート
キタサンブラック 9点
(牡5、栗東・清水久厩舎)
大崩れしたのはダービーだけ。その後の使われ方を見ると、ダービーは休みなく使われての年内5走目、この頃は完成期前で疲れの反動が出たのではないか。その後は連続して3戦以内しか使っておらず、余裕を持ってのローテーションが続いている。負けた時でも3着を外さず、0秒1以内に留めているのは凄い。今回は休み明けからは3戦目、まだ疲労は溜まっていないだろう。
追い込み馬ではないので、展開にも左右されない。また武豊騎手騎乗で、前に行った時にマイペースになりやすいことも強みだ。
満点をつけなかった唯一の理由は、雨予報が出ている日曜の天候。もし雨の降り方が強い時は、未経験だけに心配はある。血統的には大きく削がれることはないと思うが、大きな跳びでプラスにもならないはず。とはいえ、不良にまでならなければ、相手関係からも勝利に最も近いことは間違いない。
シュヴァルグラン 7点
(牡5、栗東・友道厩舎)
天皇賞春は成長を見せての2着。ただ、戦績を見るとやはり2500m以上に特化している。スタミナが強く、また小回り向きの器用さにも見劣る。広くて直線の長いコースで伸び伸び走った時こそ本領発揮だろう。個人的には切りもありかと考える。道悪はマイナス。
シャケトラ 8点
(牡4、栗東・角居厩舎)
天皇賞はスタミナ負けだろう。今回は本来の持ち場の距離に戻る分前進が見込める。ただ、能力の絶対値という意味では裏打ちがない。マンハッタンカフェ産駒が得意としているコースだし、牝系もパワフルで当該コースにピッタリなので、好走確率は高いと思うが、勝ち切るシーンはなかなか思い浮かばない。道悪でも能力の減殺は考えなくていいだろう。
ゴールドアクター 6点
(牡6、美浦・中川厩舎)
今年はここまでかつての輝きが失せたレースを続けている。凄いレースで一旦は勝利態勢に入った有馬記念の反動が出ているのではないか。間隔を空けてユッタリ使われてはいるが、年齢的にも4,5歳時にすでに頂点を極めており、復活は難しいのではないだろうか。ただ、血統的には阪神2200mは前走よりは遥かに向いている。なお重馬場になったら1点プラス。
水上学が注目の伏兵馬・血統MMチャート
ミッキークイーン 8点
(牝5、栗東・池江寿厩舎)
前走は思いもよらぬ大敗だったが、コンディション面の不備もあったようだし、なによりスローペースで高速上がりを求められるレースが苦手で、この弱点にハマってしまったのが大きい。上がりが間違いなくかかる宝塚記念なら、大きく巻き返す可能性が大。母方も欧州の底力ある血統で阪神向き。陣営は道悪を懸念すると思うが、走りや血統からは全く問題なし。
ミッキーロケット 7点
(牡4、栗東・音無厩舎)
ミッキー2頭出し、陣営がハナを匂わせるコメントもしているのだが、スタート難、気性難がどう出るか。もしスタートを決めて、折り合いを付けられたら面白い。キングマンボ直系で適性は高いし、母方の血統も馬力たっぷり、ミッキークイーンと似ている。道悪は大きく加点したい。とにもかくにもスタート次第。
サトノクラウン 6点
(牡5、美浦・堀厩舎)
とにかくムラ馬になってしまった。去年も完敗。この条件なら走るというのが見えにくくなっているが、3歳時と違い、今はゴール前平坦なコースの方が良さそうで、となると今回の舞台は厳しい。ただ、血統的にも実績的にも道悪は大きなプラス。稍重ならともかく重になったら馬券には必須だろう。
レインボーライン 8点
(牡4、栗東・浅見厩舎)
阪神2200mでの成績はさほどでもないが、こと宝塚記念となればステイゴールド産駒はとても相性が良い。ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴル、ゴールドシップが2回でのべ5勝だ。前走は厳し過ぎる展開と、母方のスタミナの無さが響いてしまったが、小回りで少し柔らかい馬場の2200mはベストだろう。大きく巻き返す可能性がある。脚をタメて追い込み一発だけに、上がりが掛かるということは長所を活かし易い。勝ち切りまではないだろうが、好走という意味ならかなり面白い。
宝塚記念
キタサンブラックの軸は動かせないだろう。何かがハイペースで飛ばしまくるとか、グチャグチャの馬場になるとかでないと取りこぼしはないだろう。
相手として最も妙味があるのはミッキークイーン。牝馬好走傾向も後押し。さらに穴はレインボーラインだ。人気馬で危険とみるのはゴールドアクター、シュヴァルグランとしたい。
意外と牝馬が毎年のように好走している。2010年以降、1頭も3着以内に入らなかった年は1回しかない。勝ち馬こそいないが、一番好走確率が高いのが前走ヴィクトリアM組で、10回出走して2着2回、3着2回。馬券になるという意味では確率4割だ。
とにかく上がりがかかるG1。瞬発力より底力、持続力であるのは明らか。とくに母方が重い血統であることは重要な要素。
種牡馬としてはステイゴールドが最も重要。また近年はキングマンボがポイントになっており。2011年3,4,5着、12年2着、14年4、5着、15年1,2着、16年1,2,4着が、父か母の父がキングマンボ系だ。