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- 2016 エリザベス女王杯・総力特集
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1970年に創設されたビクトリアカップが前身で、1975年に第1回エリザベス女王杯としてスタート。秋華賞の創設により1996年から古馬に開放された。時代を彩る名牝が多く名を連ねている一方、大波乱も見られる秋の京都の名物レースとなっている。
今年は連覇を狙うマリアライトに、昨年の2冠牝馬ミッキークイーン、府中牝馬Sを勝ったクイーンズリング、昨年タイム差なしの3着だったタッチングスピーチらがどう挑むのかが焦点となりそう。ここでは過去10年のデータを基に勝ち馬を炙り出したい。
前走条件クラスも侮れない!
[前走レース]有力な前哨戦となるのは3歳馬が牝馬3冠の最終戦である秋華賞、古馬は府中牝馬Sで、出走頭数はこの2つが大半を占める。府中牝馬Sは11年にG2へ格上げ。格上げ後の出走馬は11年から14年まで4年連続で馬券絡みを果たしていた。
昨年はオールカマーからここに臨んだマリアライトとヌーヴォレコルトがワンツー。2年連続でオールカマー出走組が勝利を挙げ、同距離で行われるオールカマーが注目となりつつある。
条件クラスから臨んだ馬の優勝はなく、09年クイーンスプマンテ、12年レインボーダリア以外は重賞勝ちの実績があり、クイーンスプマンテはオープン特別を勝利、レインボーダリアも重賞入着の実績はあり、前年のこのレースで条件クラスの身ながら5着に入っていた。勝つには相応の実績が必要となる。
2~3着は条件クラスの馬でも好走があり、13年2着のラキシスと12年3着のピクシープリンセスは前走1000万クラスを勝ち上がっての格上挑戦。どちらも牡馬相手に完勝し、対戦馬のレベルも高く穴人気になっていた。条件クラスからの勝ち上がりも内容次第では侮れない。
過去10年注目データ
[馬齢]過去10年で3歳馬が5勝。春にクラシック路線を歩んだ馬は多くが古馬と初対戦となり、古馬の壁もありそうなのだが、結果的には古馬の経験を若い勢いが上回っている。続いて4歳馬が3勝、5歳馬が2勝。古馬解放後、6歳馬の勝利は1度もなく、出走そのものが少なくなり不振の傾向。7歳以上は掲示板すらない。
[前走着順]過去10年で8頭が前走5着以内で、2着馬も同数。3着も7頭が前走で掲示板を確保していた。
前走10着以下から連対した馬は07年フサイチパンドラ(前走11着)、09年テイエムプリキュア(同14着)の2頭で、ともにG1勝ちがあり、前走が牡馬相手。3着に入った11年アパパネもG1馬。アパパネは前走牝馬同士だったが、前年の3冠牝馬。並の馬ではそう簡単に反撃は出来ない。
[枠順]過去10年、8枠の4勝、2着2回は抜けた数字。全ての枠で連対馬が出ている。ちなみに過去5年における京都芝2200m全体のデータでは2、3枠の数字がいい。
馬番別では「7」と「15」が2勝、「15」の複勝率が44.4%、大外「18」の複勝率が42.9%にのぼる。一方で馬券絡みのない馬番は「2」「10」「14」「17」。このエリザベス女王杯においては外めの枠がやや有利に出ている。
[脚質]過去10年における逃げ切り勝ちは単勝1.9倍の圧倒的人気に応えた07年ダイワスカーレットと単勝11番人気で、同12番人気テイエムプリキュアとの「行った行った」で大波乱を演出した09年クィーンスプマンテの両極端な2頭。勝ち馬のほとんどは4コーナーで中団より前に付けており、直線一気を決めて勝った馬はいない。
早めにレースが動くこともあってか、2~3着は後方から脚を伸ばした馬も多く出ていて、脚質においてはほぼフラットと考えていい。
6番人気が3年連続好走
1番人気は連対率60%、複勝率80%と連軸、複勝系の軸としてはマズマズの信頼度だが、勝ったのはわずか2回。勝ち馬は11年のスノーフェアリーまで遡る。6番人気以下の馬も侮れず、6番人気は3年連続馬券絡みを果たしている。とはいえ、人気馬総崩れはほとんどなく、1~5番人気の馬が2頭以上複勝圏を外したのは大波乱となった09年の1度だけ。穴党でも穴馬ばかりで攻めるのはリスクが大きい。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 2-4-2-2 | 20.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 1-3-2-4 | 10.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
4番人気 | 2-0-3-5 | 20.0% | 20.0% | 50.0% |
5番人気 | 0-0-2-8 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
6~9番人気 | 3-1-1-35 | 7.5% | 10.0% | 12.5% |
10番人気~ | 1-1-0-77 | 1.3% | 2.5% | 2.5% |
狙いは関東の人馬!
昨年はマリアライト、ヌーヴォレコルトの関東馬ワンツー。G1レースは西高東低のレースが多いのだが、このレースは勝鞍こそ関西5勝、関東3勝とリードを許すが、出走頭数の差があるにせよ、勝率、連対率、複勝率いずれもほぼ互角の数字を残している。
騎手別で見ると、こちらも関西5勝、関東3勝で、勝率、連対率、複勝率は全て関東のジョッキーがリード。関西の壁が大きく立ちはだかった菊花賞とは一転、関東の人馬を積極的に狙っていけるレースとなっている。
[乗り替わり]過去10年、乗り替わりの馬が勝ったのは3頭で、いずれも外国人ジョッキー。うち2勝はスノーフェアリーに騎乗したムーア騎手で実質主戦ジョッキーだった。全くのテン乗りになる日本人ジョッキーのコンビ以外は大きなマイナスとはならない。
[騎手]2011年以降、京都2200mで最も勝鞍を挙げているのは武豊騎手の9勝。岩田、浜中騎手が7勝、C.ルメール騎手が6勝で続く。注目は6勝のルメール騎手で、この1年で3勝をマーク、単複とも回収率がプラス。単勝回収率は236%のハイアベレージを叩き出している。
[馬体重]昨年は430キロのマリアライトが勝って複勝圏に入った最低体重を更新。2着ヌーヴォレコルトも448キロとやや小柄な馬が上位2頭を占めた。ただ、過去10年のトータルで見ると460キロ以上の馬が7勝。比較的大きな馬が活躍している傾向にある。
>500キロ台の馬も4頭連絡みを果たしているが、いずれも510キロ未満。ここがひとつの分岐点となっている。なお、前走の体重が不明のスノーフェアリー(2度優勝)を除く勝ち馬8頭のうち、4頭が前走と同じ馬体重だった。
[種牡馬]ここ10年で複数の勝ち馬を送り出した種牡馬はアグネスタキオンとスノーフェアリーの父Intikhab、そしてディープインパクトが2勝ずつ。ディープインパクトは産駒出走2年目から4年連続の連絡みを果たし、目下2連覇と勢いは群を抜いている。
キングカメハメハ産駒は昨年を除いて出走馬がいた年は全て3着。今年はマキシマムドパリが出走を予定している。
[リピーター]リピーターも多いレースで、過去10年で複数回馬券に絡んだ馬は6頭。2年連続3着だったアパパネ以外は1度以上連対しており、過去10年の範囲内では2、3着のスイープトウショウも2着の前年に優勝している。