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人気上位馬たちに暗雲!?
競馬ラボ新米編集部員T(以下T):野中さん、秋華賞も微妙な結果でしたね。
ライター野中(以下野):ミッキークイーン、クイーンズリング上位評価じゃダメなのかい。しかも、タッチングスピーチ、レッツゴードンキは評価を下げるとしたのに(苦笑)。
T:しかし、菊花賞は社台グループ生産馬ばかりになりましたね。
野:セントライト記念もそうだったし、秋華賞も18頭中11頭が生産馬なんだから驚く方がおかしい。
T:今週は18頭中14頭がグループ生産馬(レイクヴィラF含む)です。
野:もう、そうしたことは考えるのは止めよう。どうしても興味のある人は「『社台王朝』の裏を知ればこんなに馬券が獲れる!」「『社台王朝』の異変に気づけば大儲けができる!」(共にKKベストセラーズ)を読んだ方がいい。
T:貴重なスペースで自分の本の宣伝をするとは……。それはともかく菊花賞の調教解説をお願いします。
野:サトノラーゼンは池江厩舎も取り入れているウッドコース4F追い。ミッキークイーンも結果は出た。
T:岩田騎手も「一度使ってガス抜きができているし、申し分ない動きをしてくれた。折り合いがついて運べたし、その中でもいい行きっぷり」というようなコメントを残しています。
野:確かに馬っぷりも良くコーナーを回るところもスムーズで折り合いもつきそう。ただ、気になるのは計測が終わって後もかなり追っていたことだね。
T:ミッキークイーンも似たような感じに見えましたが。
野:この辺りは調教師サイドの思惑と乗り手の感触の差もあると思うよ。どうしても騎手は追い切りで速い時計を出しがちだし、物足りないと思うと指示以上に追ってしまう。
T:なるほど。最後、思ったより追ってしまったということでしょうか。
野:ノーザンF首脳陣がダービー直後には「サトノラーゼンが菊花賞で好勝負」だといっていたくらいだから抜かりはないとは思うけど気になるね。

ミッキークイーンでは結果を出した池江寿厩舎のサトノラーゼン(写真奥)だが…
T:リアファルは大外を引いてしまいましたが。
野:調教も2歳馬に見劣っていたように映ったのは確かだね。時計は速いんだけど。
T:人気2頭に不安アリということでしょうか。
野:少なくとも良いという感じは受けないね。
T:こちらも人気が予想されるリアルスティールはいかがでしょうか。
野:先週で仕上がっていたし今週はテンションが上がりすぎないようにって感じかな。ただ、やれば動く馬だけに少し物足りないのも事実。
T:状態は悪くないようですが後は折り合いとかの問題でしょうね。
野:上手く内で脚を溜めればという感じはする。
T:上位馬がそこまで抜けた状態ではないとなると期待しちゃうんですけど。
野:そうだね。まぁ、能力が足りるかは分からないけど、内枠を引いたし、追い切りも良かったのがタンタアレグリアだね。
T:国枝厩舎らしく早めに栗東へ入って調整されました。

最終追い切りには蛯名騎手も駆けつける熱の入れようだったタンタアレグリア
野:先週の時点でもかなりいい時計が出ていたけど、最終追い切りは蛯名騎手が駆けつけてビッシリと。ウッドコースで5F64秒台、最後の1F12秒2なら良い状態だといっていいでしょう。
T:関東馬は近年、菊花賞で全くといっていいほど勝ててませんけどね。
野:去年のゴールドアクターのように3着でもいいんじゃないかな(苦笑)。他に目立つのはスティーグリッツだけど……。
T:父ハービンジャーが課題だと。
野:今週も恐らく高速馬場。スティーグリッツはスタミナもありそうだし、先週のウッドコースでの追い切りは良かった。菊花賞はそこまで上がりの競馬にはならないけど、状態はいいものの、押し切れないって感じかな。GIレーシングも……。
心の本命馬は意外や意外!
T:(さえぎるように)僕は怒られたくないので余計なことを言わないでください!!でも、そう思っている皆さんも多いことでしょう。
野:そこで、心の本命馬を発表することにしよう。ワンダーアツレッタだ!
T:社台グループ生産馬が秋華賞より増えたという話をしているのに、わざわざそこにいきますか?
野:昨年12月のデビュー以来、休養らしい休養もなく使い詰めといっていいだろう。しかし、先週は遅れたが、追い切り時計そのものはいい。今週はMデムーロ騎手が騎乗して、時計は目立たなかったものの気配はいい。それこそ、これだけ社台グループ生産馬が出走していてMデムーロ騎手が連続して騎乗するのも買い材料だ。

気配抜群のワンダーアツレッタ。鞍上も魅力
T:お言葉を返すようですが父エンパイアメーカー、母父キンググローリアスですよ。
野:それをいうなら母母父ミルジョージだ!こまで気にする必要はないだろう。フハハハハハ!ミルジョージはステイヤーを多く輩出しているのは説明するまでもない。
T:安定した先行力は魅力で上手く内側に潜り込めばあるのかな~という気もしてきましたが、でも、母母父は別にして進んで買う気はしません。
野:穴党は孤独なのだよ。それこそキタサンブラックも母父がサクラバクシンオーだが、調教は前走までとはいかないものの引き続き良い。
T:そちらはもっと買い辛いですね。
野:だろっ。今回の菊花賞は人気馬や血統的に期待されるような馬(ロベルト系やトニービン保持など)にそれほど動いている馬がいない。少なくとも何があったもおかしくはないと思うぞ。
T:念のためまとめてください。
野:ワンダーアツレツタ、タンタアレグリアをまず取り上げる。人気馬ならサトノラーゼンだ。
T:いやー、異論は沢山あるんですが悩ましい。先週も微妙に当てているのでどこを参考にしようかな~。

プロフィール
【野中 香良】Kosuke Nonaka
編集&ライター。元ギャンブル雑誌や「競馬最強の法則」の編集者で現在も競馬関連の編集&ライター業をメインに活動中。
最強の法則では『俺はまだ馬券で本気出していないだけ』を連載し神業的なハズレ馬券を披露している。競馬ラボでは「今さら聞けない2歳馬ホントの評価」を連載。(最新著書【「社台王朝」の異変に気づけば大儲けができる!】(競馬ベスト新書)がAmazon競馬カテゴリーで1位を獲得)