-シリウスS-平林雅芳の目

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トピックス


土曜阪神11R
シリウスS(GⅢ)
ダ2000m
勝ちタイム2.04.3

ヤマニンキングリー(牡6、父アグネスデジタル・栗東・河内厩舎)

初ダートで重賞制覇!! ヤマニンキングリー、久々の美酒!

検量室前で馬が引き上げてくる時に河内師にお祝いの言葉をかけようと探していたら、階段を白井師と談笑しながら降りてきた。そうか、ヤマニンキングリーのお父さんはアグネスデジタルだった。白井師がその縁で話をしていたのか・・と合点する。しかしこれほど楽に4コーナーを廻ってくるヤマニンキングリーを見るのは久しぶり。馬上の武豊Jにそれを伝えると、即答で『札幌記念以来だね~』と帰ってくる。本当に競馬四季報が頭に入っていると言われる所以である。完勝だった初ダートでの重賞制覇。適性がタップリとあるようだ…。

好発を決めたのがヤマニンキングリー。《おおっ!・・・ハナに行く気かも!》と思った程だが、最内からタナトスが行きたがる格好をしたので2番手で落ち着く。3番手にフサイチセブンで、スンナリと隊列は出来上がる。《楽に行けているな~》とその時には思っていたのだが、後でラップを見ると、ゲートから12.6~11.2~11.2と、最初のコーナーに入るまではけっこうなスピードで行っていた事になる。だからスンナリと位置取りも決まっていったのだろうと判る。
4番手にタガノロックオンで上位人気馬のフサイチセブン、タガノロックオンとタナトスの3頭が前で競馬している訳である。そこを2番手が5番人気のヤマニンキングリーが付いて行っている。

先行馬ペースで流れていく。キングスエンブレムは中団の外目を当然いい手応えで追走である。
2コーナーから向こう正面に入っては、ペースは13秒台と実に上手くペースダウンしているタナトス。小牧Jが後刻に《いや~、いいペースで行かせて貰っているし、これはと思ったね~》だったそうである。逃げるタナトスが持ったまま、ヤマニンキングリーも楽な手応えで追走する。
3コーナーを廻ってもまだその傾向だ。後ろのフサイチセブンもタガノロックオンも動かない。そもそも中団のキングスエンブレムも動かないのだから、動きが出てこないのだったのだろうか。

4コーナー手前でやっとキングスエンブレムが外を少し位置を上げてきた時に、ナニハトモアレも同じような動きをしてきた。それでも先頭グループまでは並ぶ訳ではなく、殆ど前の2頭は手応えに余裕を残したままカーヴに入る。《タナトスがいいな~》と逃げ切られるのではと思って固唾を飲んで見ていたが、カーヴを廻った瞬間にタナトスが先頭からいなくなる。《交される時が速かったですもの~》と、小牧Jがヤマニンキングリーのカーヴの時の動きを説明してくれた。あそこが勝負のポイントだったのだろう。11.7~のラップを刻んでいるあたりである。そこでキングスエンブレムの追撃を離したのだろう。
結局はそこでの動きと差がそのままキープされて、ヤマニンキングリーの久々の勝利へと導いてくれた武豊Jの手腕なのだろう。

和田厩務員さんとお孫さんの岩崎君ともガッチリと握手をさせて貰った。
キングエンブレムを抑えて勝ったことに意義があるシリウスSの勝利。父アグネスデジタルはダートから芝へ転向して大きく華開いていった。ヤマニンキングリーはその逆を行けるかも知れない。そんな気持ちにさせてくれた勝利であった。

火曜の朝に河内師に今後を聞くと、《さすがに中1週が二度続いて疲れもみられる。だからJCダートまで開けるだろう・・》との事であった。 どうやら次はライバルになるのかも知れないな・・・と。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。