-京都大賞典-平林雅芳の目

この記事をシェアする

トピックス


日曜京都11R
京都大賞典(GⅡ)
芝外2400m
勝ちタイム2.24.1

ローズキングダム(牡4、父キングカメハメハ・栗東・橋口厩舎)

ここでは格が違う。ローズキングダム、59キロでも貫禄勝ち!

究極のピンチヒッター後藤Jである。ダービーは小牧Jの直前週の騎乗停止で、見事代打満塁ホームランとなりそうな2着。そして今回は天皇賞前の1度だけの騎乗という代役を、見事に王道な乗り方で勝利でバトンタッチである。

スッと好位につけた前半。流れが遅いのが判っていても、こうはなかなか乗れるものでもない。それをスタートからスッと出して3番手でレースに乗る。4コーナーではもう後ろを待つ気もなく、早めに出て行った。最後の2ハロンは11.4~11.3の数字。しかし直線では終始、内へもたれて鞍上の後藤Jがかなり矯正している。右ステッキをどれだけ入れただろうか。
ゴールへ入ったローズキングダムは顔は外、体は右へ傾いて向いている格好だった。また毎日王冠と比べても、グンと相手と違っていたのも事実。ただ59キロを背負ってのもの。天皇賞へ向けて、まずは第一歩は悪くないスタートが切れたローズキングダム。府中で新たな戦いが待っている…。

明るい秋の日差しを背に受けて、4コーナーのポケットからのスタート。
一番先に出たのがローズキングダム。定かに逃げる馬が決まっていない顔ぶれだが、フォゲッタブルが内から行くのかと思えるところで、やっとネコパンチが行ける態勢になった様で、一番前に出る。内にフォゲッタブル。3番手が外からビートブラック。その内へローズキングダムとなる位置で、1周めのゴール板を通過。もうマイネルキッツは最後方である。
1コーナーのカーヴを廻って行くが、先頭ネコパンチから3馬身差でフォゲッタブル、さらに3馬身差でビートブラック、と思う間もなくコーナーワークでローズキングダムがビートブラックの前へと出て行き、フォゲッタブルとの差を詰めて1馬身少しで2コーナーを廻って向こう正面に入って行く。

前半1000メートル1.00.9とユックリな入りである。4番手ビートブラックの後ろの内にオウケンブルースリ、その外にジャガーメイル。マイネルキッツは相変わらず最後方である。少し前のナムラマースとの差を詰めて坂へ上がって行く集団である。
残り800を通過する時には、先頭のネコパンチに2番手フォゲッタブルは2馬身少し、等間隔で3番手ローズキングダムで、2馬身後ろにビートブラックの内へオウケンブルースリが並ぶ様に来ている。ジャガーメイルと続き、最後方が2頭並んでの位置取りだ。
4コーナーが近づくと、最後方にいたマイネルキッツが外から追い上げて、ジャガーメイルの外へと並び出す。

前はグッと接近しだしている。3番手のローズキングダムは最後のカーヴを廻るあたりでやや外へ出して、フォゲッタブルのすぐ後ろめに上げた。そしてパカッとすべての馬が見える直線へと入ってきた時には、もう先頭のネコパンチとフォゲッタブル、さらに外のローズキングダムの間隔はグッと縮まり、互いの影を踏むぐらいである。
内廻りの生垣が右に見える時には、もうフォゲッタブルに並ぶローズキングダム。後藤Jのゴーサインが出た様で、ステッキが光の中に浮かぶ。

ローズキングダムが、先頭のネコパンチを抜いて一番前に出たのが残り1ハロンの少し前。後ろのビートブラック、オウケンブルースリ、そしてジャガーメイルとの差を2馬身ぐらい離してトップスピードに乗っている。しかし先頭の後藤Jの右手は、内へもたれる馬体を矯正しながら追うアクションが続く。
後ろでは3頭が横並びになる。やや外ジャガーメイルが優勢かと思えた瞬間もあったが、ゴールが近づくとむしろ体勢は不利になる。
ゴール前ではローズキングダムと後続3頭の差が1馬身と少しの差になっていたが、だいぶ差がある勝利であった。
2着にはビートブラック、内でオウケンブルースリが3着。ジャガーメイルは4番手での入線であった。

馬体は僅か2キロ増ではあるし、スッキリした体型。だがこの3ケ月でおおいにリフレッシュされた精神面であろうローズキングダム。
さらなる戦いが次に待っているのだが、いいスタートを切れたと言えるものであった。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。