-スワンS-平林雅芳の目

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トピックス


土曜京都11R
スワンS(GⅡ)
芝外1400m
勝ちタイム1.19.4

リディル(牡4、父アグネスタキオン・栗東・橋口厩舎)

リディル、秋初戦を軽々と突破。いざマイルチャンピオンSへ。

『いや~・・・、手がしびれちゃった~』と馬の上から声をかけて過ぎ去る小牧J。それほど凄い行きっぷりを言いたかったのだと判るリディル。いやはや、けれん味ない逃げを見せたジョーカプチーノも凄いけれども、それに難なくついて行き、アッサリとかわして勝つリディルの桁違いな脚。1400でこの結果だ。《この秋最大目標であろうマイルチャンピオンSもやられちゃいそうだな~・・》と思える秋初戦ではありました・・・。

前の前のレース、2歳戦特別では、直線では進路を外に取っての決着だったが、ひとつ前の1600万下では、内ラチ沿いの2頭がゴール前でしのぎ合っていた。内が悪い訳でもなさそうだが、ちょっと判別がつかない馬場コンディションと思っていた。そんなモロモロな事を吹っ飛ばすレースぶりに結果。

ゲートが開いた瞬間は、外のクレバートウショウエーシンブランが良かった。エーシンブランが先頭で、内の方であまりガムシャラに出てくる馬がいない。そのままエーシンブランが先頭を切って行くのかと思えた1ハロンあたりで、ジワっと先行してきたジョーカプチーノがエーシンブランを交して出て行く。内からリディルがもう3番手にいる。
まだ流れ自体は速くなってない2ハロン過ぎであった。馬群も縦には長いが、そんなに離れずの集団が続く。
3ハロンを通過するあたりでジョーカプチーノの逃げ方が変わって行く。やや後ろを離し気味となる。2番手にサワノパンサーが上がる。内にはリディルがラチ沿いを進む。
残り600のハロン棒を通過する時に数字を見てみる。《エ!、そんなに速いの?・・》と思える、45秒台で飛ばしているジョーカプチーノなのである。

そのまま4コーナーのカーヴへと入って行くが、もうこの時にはリディルが内から2番手に上がって続いている。ワンカラット、エーシンブランと続くが、その外にクレバートウショウもいい感じで上がって来ている。
軽快に飛ばすジョーカプチーノ。グルっと廻って直線の入り口に入って来た時には、少し後ろとは離れる感じで、スピードは衰えてない。
ポカっと開いたエリアを過ぎて、内廻りのラチが見えてきた。完全にジョーカプチーノかと思えたが、少しづつリディルとの差が詰まってきた。

勢いのあったクレバートウショウも、もう直線では勢いが止まった感じである。前のジョーカプチーノを追う勢いのあるのはリディルだけしかない。
小牧Jのムチが飛ぶ。しかし、確かめる様に数は少ないものであった。計3発、うながすまでもなく、リディルにはもうスピードが乗っていたのだろう。そしてジョーカプチーノを交して入ったリディルだが、ゴールした後のタイムを見てビックリ。1.19.4である。
このタイムを『コース・レコードにコンマ1でリディルが優勝!』と場内放送。見た目にそんなに速いと思えないジョーカプチーノの逃げ。12.3~10.8~11.3~10.9~10.4~11.9で、最後の1ハロンも11.8。
これはリディルの数字となる訳だが、3ハロン過ぎから加速する逃げ、道中にこれだけのスピードアップする逃げをあまり今までに見た事はない。
それを楽に追走して交わしてしまうリディルの順応性だ。

3着はブービーに近い処から、内ラチ沿いを突っ込んできたオセアニアボスサンカルロは枠順からも仕方ないところだろうが、外々を廻ってきた分で4着。5着エアラフォンも内々での競馬内容であった。
GⅠ馬グランプリボスは、道中でフワフワした走りでやや折り合いを欠く内容。パドックからややテンションが高かったものだが、レースに行ってもやや行きたがっていた様子だ。
フラガラッハは、ゲートを飛び上がる様に出るなどハンデも出たか。
見た目以上に速いラップで自分の競馬をしたジョーカプチーノ。本当に気分良く行かせたものであり、能力は発揮。それを捕えるリディルが、ただただ上回っていただけの図式だったスワンS。マイルチャンピオンSの最有力馬になった気がするが、他はどうなんだろうか・・・?


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。