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『旅』に出ようトリップ、それも東へ。伸びが違う直線の脚!!
2011/11/8(火)
日曜京都5R
2歳新馬
芝外1800m
勝ちタイム1.51.7
トリップ(牡2、父クロフネ・栗東・松田博厩舎)
※※『旅』に出ようトリップ、それも東へ。伸びが違う直線の脚!!
レースの前に、オーロラビジョンに過去この新馬戦を勝って飛び立っていったヒーローの映像が流れた。クロフネがここからデビューをしていったのだと。パドックでは2番人気だったトリップだが、馬場へ出て返し馬に入る頃は、もう1番人気の支持。そして遅い流れにも各馬スムーズに廻ってきての直線での決め脚勝負。前を行く馬達の外へ出して、そこから抜けて一番前へと出る脚の速さ。ステッキは3発だったが、それも叱咤激励な入れ方。凄い瞬発力で駆け抜けたゴール板だった。父譲りの芦毛馬で、能力もタップリ秘めていそうなトリップである。
何ともインパクトの強い強烈な勝ち方だったトリップの勝利。それも短い間に凄い脚を使って、後は涼しい顔。そんな印象であった直線での内容であった。ゲートは2コーナーの左奥のポケット地点。ややアオるゲートだったのが、ミッキージュピター。他の12頭はマズマズの出で、一番外のスズカチャンプが体半分だけ開いた瞬間に出ていたか。ジワっとした入りは予測どおり。そんな中からキーメールが行く。
2ハロン過ぎたあたりでキーメール先頭で、1馬身後ろにアシュケナージとスズカチャンプが並ぶ。その後ろが内からエーシンハップル、トリップ、ヤマニンカヴァリエと3頭が並び加減。直後がシルクキングリーとエックスマークのディープインパクト産駒2頭が並ぶ。そんな体勢で3ハロンを通過。38.1とかなり遅い。しかし掛かっている馬がいないあたりが改めて感心する。
馬群は坂へ向かって行く。ブービーがトウショウヘイロー、ドンジリがミッキージュピターでけっこうまだ縦長。残り1000メートルを通過するが1.04.6とさらに流れは遅くなっていた。その間に最後方のミッキージュピターも差を詰めてきている。3、4コーナーの中間にかけて、ミッキジュピターが外を追い上げてきているのが見える。ますます馬群はぐっとひと固まりとなってきた。
ペースが上がってカーヴを廻る時には、3番手のスズカチャンプのエンジンに火が点いた様な脚色になった。その外へヤマニンカヴァリエで直線へ入ってきた。
左右に広がる前の4頭。一番外へミッキージュピターがいるが、やや脚を使い過ぎたか手応えが一番怪しい。
内廻りの4コーナーを過ぎるあたりで、スズカチャンプとヤマニンカヴァリエの後ろにいたトリップが馬体を外へと出して、バテだしたミッキージュピターの前を横切って、一番外へと出してきた。
大きくステッキを1発くれる岩田J。ヤマニンカヴァリエを交す時にもう1発、2発と軽く入れてうながすと、スッともう先頭である。
内で粘るアシュケナージを後目にもうトップスピードに入って、トリップはそれこそ駆け抜けていた。
最後の3ハロンが11.9~11.1~11.0。このゴール前の1ハロン11.0が素晴らしい。それをもう手綱を絞ったままでのゴールである。
3着にエックスマーク。内から外へ出してきた4コーナーの入り口。そこではトリップとそう差のない位置だったが、相手がシュンと音を出して伸びていったのに反して、こちらは馬群の中を通ってきているのもあって、そう凄い脚ではなかった。しかしゴールへ近づくにつれて凄い伸びとなっていた。
スズカチャンプは最後まで伸びがジリジリとした感じ。前へ行っていた馬では一番伸びていないぐらいのデビュー戦であった。何せ、トリップの伸び脚だけが強烈な印象のレースであった。東が担う馬であろう。
日曜京都6R
2歳新馬
芝1400m
勝ちタイム1.22.9
アースソニック(牡2、父クロフネ・栗東・中竹厩舎)
※※ここもクロフネ産駒、アースソニックが混戦を絶つ。
前のレースでは、芦毛馬のクロフネ産駒トリップが派手な勝ち方をしたものだが、続くこの新馬戦も、終わってみればクロフネの子供アースソニックの勝利。こちらは鹿毛馬、そしてこの勝負服である。この秋というか新馬戦、2歳戦での勝ち、いや常にゴール板で先頭を見ているカラーか。何か勢いを感じるものであった。JRAの馬名の意味ではアースソニックは(地球の音)とあった。息吹を感じるものだった。
ゲートでローレルレジェンドが出遅れ。いいスタートはシゲルデコポン。全体に外の馬が良かった様子だ。1ハロンに到達するまでに、内からマイネルクルタナ、ダッシュついたアースソニック、オオミカミにエイシンピューマが続く。2ハロンあたりでは2番手オオミカミがあがる。少しずつ隊列が縦長になっていったのだが、3コーナー手前ではアースソニックが3番手で、外にベルエアメイダンでその間にタツストロングがいる。まだそんなにピッチは上がってきてない。
そのまま最後のカーヴへと入ってきた。もう逃げたシゲルデコポンのリードはなくなり、5頭が横並びとなる。オオミカミ、アースソニック。そしてタツストロングにベルエアメイダンである。その後ろがローレルレジェンドにエイシンピューマが並んで直線へと入ってきた。
先頭に立ったのは内のオオミカミか外のアースソニックか。タツストロングも必死に追う。少しずつアースソニックがリードしだす。ベルメアエイダンと一緒に伸びてきているエイシンピューマの伸びもなかなか。
アースソニックが1馬身と抜け出した後を熾烈な2着争いが続く。最内のオオミカミかと思った途端に、エイシンピューマが先にゴール板を過ぎていた。
惜しむらくはベルエアメイダン。直線では内へもたれてほとんど追えないで手綱を絞りながらだったが、それでもエイシンピューマの伸びとほとんど同じぐらいの伸びをしていた。
全体にはそう速くない流れ。1000メートルを1.00.0とけっこうな前残りの競馬。最後の2ハロンが11.2~11.7とここも切れが要求されたもの。4コーナーを横一列で廻った処から、そこから追われての反応も良く伸びて勝ったアースソニック。まずまずの内容だったと言えよう・・か。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
2歳新馬
芝外1800m
勝ちタイム1.51.7
トリップ(牡2、父クロフネ・栗東・松田博厩舎)
※※『旅』に出ようトリップ、それも東へ。伸びが違う直線の脚!!
レースの前に、オーロラビジョンに過去この新馬戦を勝って飛び立っていったヒーローの映像が流れた。クロフネがここからデビューをしていったのだと。パドックでは2番人気だったトリップだが、馬場へ出て返し馬に入る頃は、もう1番人気の支持。そして遅い流れにも各馬スムーズに廻ってきての直線での決め脚勝負。前を行く馬達の外へ出して、そこから抜けて一番前へと出る脚の速さ。ステッキは3発だったが、それも叱咤激励な入れ方。凄い瞬発力で駆け抜けたゴール板だった。父譲りの芦毛馬で、能力もタップリ秘めていそうなトリップである。
何ともインパクトの強い強烈な勝ち方だったトリップの勝利。それも短い間に凄い脚を使って、後は涼しい顔。そんな印象であった直線での内容であった。ゲートは2コーナーの左奥のポケット地点。ややアオるゲートだったのが、ミッキージュピター。他の12頭はマズマズの出で、一番外のスズカチャンプが体半分だけ開いた瞬間に出ていたか。ジワっとした入りは予測どおり。そんな中からキーメールが行く。
2ハロン過ぎたあたりでキーメール先頭で、1馬身後ろにアシュケナージとスズカチャンプが並ぶ。その後ろが内からエーシンハップル、トリップ、ヤマニンカヴァリエと3頭が並び加減。直後がシルクキングリーとエックスマークのディープインパクト産駒2頭が並ぶ。そんな体勢で3ハロンを通過。38.1とかなり遅い。しかし掛かっている馬がいないあたりが改めて感心する。
馬群は坂へ向かって行く。ブービーがトウショウヘイロー、ドンジリがミッキージュピターでけっこうまだ縦長。残り1000メートルを通過するが1.04.6とさらに流れは遅くなっていた。その間に最後方のミッキージュピターも差を詰めてきている。3、4コーナーの中間にかけて、ミッキジュピターが外を追い上げてきているのが見える。ますます馬群はぐっとひと固まりとなってきた。
ペースが上がってカーヴを廻る時には、3番手のスズカチャンプのエンジンに火が点いた様な脚色になった。その外へヤマニンカヴァリエで直線へ入ってきた。
左右に広がる前の4頭。一番外へミッキージュピターがいるが、やや脚を使い過ぎたか手応えが一番怪しい。
内廻りの4コーナーを過ぎるあたりで、スズカチャンプとヤマニンカヴァリエの後ろにいたトリップが馬体を外へと出して、バテだしたミッキージュピターの前を横切って、一番外へと出してきた。
大きくステッキを1発くれる岩田J。ヤマニンカヴァリエを交す時にもう1発、2発と軽く入れてうながすと、スッともう先頭である。
内で粘るアシュケナージを後目にもうトップスピードに入って、トリップはそれこそ駆け抜けていた。
最後の3ハロンが11.9~11.1~11.0。このゴール前の1ハロン11.0が素晴らしい。それをもう手綱を絞ったままでのゴールである。
3着にエックスマーク。内から外へ出してきた4コーナーの入り口。そこではトリップとそう差のない位置だったが、相手がシュンと音を出して伸びていったのに反して、こちらは馬群の中を通ってきているのもあって、そう凄い脚ではなかった。しかしゴールへ近づくにつれて凄い伸びとなっていた。
スズカチャンプは最後まで伸びがジリジリとした感じ。前へ行っていた馬では一番伸びていないぐらいのデビュー戦であった。何せ、トリップの伸び脚だけが強烈な印象のレースであった。東が担う馬であろう。
日曜京都6R
2歳新馬
芝1400m
勝ちタイム1.22.9
アースソニック(牡2、父クロフネ・栗東・中竹厩舎)
※※ここもクロフネ産駒、アースソニックが混戦を絶つ。
前のレースでは、芦毛馬のクロフネ産駒トリップが派手な勝ち方をしたものだが、続くこの新馬戦も、終わってみればクロフネの子供アースソニックの勝利。こちらは鹿毛馬、そしてこの勝負服である。この秋というか新馬戦、2歳戦での勝ち、いや常にゴール板で先頭を見ているカラーか。何か勢いを感じるものであった。JRAの馬名の意味ではアースソニックは(地球の音)とあった。息吹を感じるものだった。
ゲートでローレルレジェンドが出遅れ。いいスタートはシゲルデコポン。全体に外の馬が良かった様子だ。1ハロンに到達するまでに、内からマイネルクルタナ、ダッシュついたアースソニック、オオミカミにエイシンピューマが続く。2ハロンあたりでは2番手オオミカミがあがる。少しずつ隊列が縦長になっていったのだが、3コーナー手前ではアースソニックが3番手で、外にベルエアメイダンでその間にタツストロングがいる。まだそんなにピッチは上がってきてない。
そのまま最後のカーヴへと入ってきた。もう逃げたシゲルデコポンのリードはなくなり、5頭が横並びとなる。オオミカミ、アースソニック。そしてタツストロングにベルエアメイダンである。その後ろがローレルレジェンドにエイシンピューマが並んで直線へと入ってきた。
先頭に立ったのは内のオオミカミか外のアースソニックか。タツストロングも必死に追う。少しずつアースソニックがリードしだす。ベルメアエイダンと一緒に伸びてきているエイシンピューマの伸びもなかなか。
アースソニックが1馬身と抜け出した後を熾烈な2着争いが続く。最内のオオミカミかと思った途端に、エイシンピューマが先にゴール板を過ぎていた。
惜しむらくはベルエアメイダン。直線では内へもたれてほとんど追えないで手綱を絞りながらだったが、それでもエイシンピューマの伸びとほとんど同じぐらいの伸びをしていた。
全体にはそう速くない流れ。1000メートルを1.00.0とけっこうな前残りの競馬。最後の2ハロンが11.2~11.7とここも切れが要求されたもの。4コーナーを横一列で廻った処から、そこから追われての反応も良く伸びて勝ったアースソニック。まずまずの内容だったと言えよう・・か。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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