アグネスハビット、内からスルスルと抜け出す

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トピックス

土曜京都4R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.09.6

アグネスハビット(牡2、父アグネスワールド・栗東・河内厩舎)

※※アグネスハビット、内からスルスルと抜け出す。

道中は3番手を進んだアグネスハビット。直線入り口では先行した2頭の間を抜いて出てくる。そこからまだゴールまでは300メートル近くある。ユックリと追い出して楽勝かと思えたものだったが、外からサカジロスイセイが猛追してきて、半馬身差の勝利となったアグネスハビット。内枠を生かして道中で脚を貯めていただけに、瞬発力も十分に発揮できた。鞍上のルメールJは、2レースでのアクシデントの鬱憤を少しは晴らすものとなったはずである。

4頭ぐらいがゲートの出が遅かった。真ん中あたりが揃っていいスタートを切った。やや雁行状態が進んだ中から、1ハロンでアートオブパナシェツルマルサンチャンが前と出て行く。2頭が並んで行く。ダッシュがついたアグネスハビットが内で4番手、外ではフォレストピアが続く。
前の2頭はその後も外が半馬身の差で、ほとんど並んだ格好でレースを進めて行く。3番手フォレストピアが2馬身差で追走だ。

3ハロンを過ぎたあたりで、先行集団は11頭が大きな塊となって4コーナーへ向かう。その後ろの外めに1番人気のオメガセニョリーナで、その後ろにやや出が悪かったサカジロスイセイが追走する。
カーヴに入って行く前に、オメガセニョリーナにステッキが2発ほど入っているのが見えた。その後ろも追い上げ体勢だ。

カーヴを廻って直線に入ってきたが、前の2頭の間が少し広がっている。そこを狙うアグネスハビット。先に外から出かけたフォレストピアを一瞬のうちに抜いて、いちばん前へと出た。
残り300を過ぎてゴーサインを出したルメールJ。脚色もいいのでセーフティと思えたのだが、フォレストピア、そして上がってきていたシーマリアのさらに外を、2頭が並んで追い込んできていた。
先頭に立ったアグネスハビットだが、ゴールが近づいてやや脚色が鈍くなったのか、猛追してきたサカジロスイセイの脚がいいのか、急接近しだした。しかし先に出た優勢で、半馬身の差でゴールに入った。

1番人気のオメガセニョリーナは、その後1馬身差で3着。シーマリアが半馬身差の4着だった。
サカジロスイセイが直線で凄いステッキの連発。どうやら内へもたれていた様子。スタートも悪かったし、直線でもそんなだっただけに惜しまれるものだが、内容はいい。それに反してアグネスハビットは、前を見る形での4番手の内目。4コーナーもスンナリと抜けてきての追い出し、最高の形で進められた。枠順も幸いしたし、流れも良かった。《ルメールJが目立たないながらも上手いな~》と思えるものであった。


土曜京都5R
2歳新馬
芝1600m
勝ちタイム1.36.7

ジョワドヴィーヴル(牝2、父ディープインパクト・栗東・松田博厩舎)

※※《生きる喜び!》、ジョワドヴィーヴルが大外を駆け抜ける!!

テムジンがマイペースの逃げ。ジンワリとペースを造っていく。引きつけ逃げで直線まで来て最後の仕上げと思った瞬間、馬群の外をジョワドヴィーヴルがひと伸び。鞍上福永Jの、見せムチの様なソフト・タッチな仕掛けでうながされてからは、もう後は馬なりで駆け抜けた。終わってみればディープインパクト産駒3頭のワンツースリー。それにしてもビワハイジの子供達、本当にいいエンジンを積んでいる。

スタート直後からゆったりした先行。最初はサマールナが先頭だったが、頭を上げて行きたくないのかの素振り。そこを内からテムジンが、ジワっと武豊Jが出て行く。外からキタサンエデンも出てきた。その後もそう速くなく、前半3ハロンの入りが36.3。その後の1ハロンはさらに遅く13.0。
先頭テムジン、半馬身差でキタサンエデンで、4コーナーまでこれ以上ないぐらいに進める。当然に後ろで一団となって進む16頭。最後方のオメガマイトガイでも、そんなに差はないものだ。
馬群のやや真ん中外目にいたジュワドヴィーヴルも、4コーナーのカーヴ手前では位置をやや上げてきた。それに続くのがサンライズトゥルー。カーヴもまだユックリと廻ってくる先行集団。
残り2ハロンを過ぎたあたりでは、外からスズカジョンブルが辛抱たまらずとばかりに先頭を伺いだす。しかし最内でテムジンはまだ持ったまま。

テムジンの真後ろの内ラチ沿いをダイワデッセーが続き、外のスズカジョンブルのすぐ後ろにジョワドヴィーヴルが顔を覗かせている。直線に入ってきて残り300のあたりで、武豊Jがゴーサイン。外のスズカジョンブルの方が前に出た瞬間もあった様だが、追ってない時間。
前の2頭にステッキが入る。と、その時に外をジョワドヴィーヴルがスルスルと出てきて、一瞬の間に先頭に出て行く。内でテムジンがまた先頭を奪い返していたが、それを後目に楽な手応えでゴールを目指す。最後は流し気味だ。
それを追う様にサンライズトゥルーが猛追してきていたが、テムジンにクビ差のところまで。

最後の1ハロンが11.0と凄い切れ。何度もパトロール・ビデオを見たが、4コーナー手前あたりのジョワドヴィーヴルはやや外へ膨れ気味な感じで、福永Jが手綱をな押しているのが見える。そして直線の入り口では、フラついたのか左右の動きに鞍上までがつられている様なシーンまで見えた。
しかしゴーサインを出してからの瞬時の動きの速いこと。直線半ばではステッキを見せている様な鞍上のさばき。420キロと小柄な馬であるが、そんな風にも見せない。そしてゴール前のフォームを見ると、前に沈む様なフットワークであった。

フランス語で《生きる喜び》とある。そんな躍動感あふれるデビュー戦の勝利であった。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。