欧州年度代表馬フランケルがターフに戻って来た

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欧州年度代表馬フランケルがターフに戻って来た。19日、英バークシャーのニューベリ競馬場で行われたG1ロッキンジS、4歳になったガリレオの牡馬にとって、これは古馬としての最初のレースである。単勝オッズは2/7、フランケルの単勝を7ポンド買ったら2ポンド儲かるという英国流倍率表示、圧倒的支持を集めた。

レースは6頭立て。世界最高レーティングを誇るフランケルは、ペースメーカー役にG3勝馬ブレットトレインを使って2馬身差の2番手からレースを運んだ。直線のマイル戦、フランケルは持ったままの手応えで、残り2ハロンからペースメーカーを交わして先頭に立つ。フランケルを終始2馬身差でマークしていたエクセレブレーションも離されず付いて行くが、フランケルのトム・クウィリー騎手が手綱を捌くと、その差は開いて、最後は5馬身差を付けて6つ目のG1優勝となった。

これでデビューから無傷の10連勝。先月の調教で外傷を負い、一時は引退の噂まで広がったが、そんなことを微塵も感じさせないシーズンデビューだった。この後は来月のロイヤルアスコット開催で、直線のマイル戦のクイーンアンSか距離がマイル&クォーターに延びるプリンスオブウェールズSのどちらかを使うことになっている。今年もフランケルの動向に目が離せなくなった。

ケンタッキーダービーから2週間後の19日、米メリーランド州ボルチモアのピムリコ競馬場ではトリプルクラウンシリーズの第2レッグ、第137回プリークネスS(D9.5F)が11頭立てで行われた。ケンタッキーダービーをハイペースで逃げて2着に粘ったボーディマイスターが小回りコースを味方に単勝2.7倍の1番人気、ケンタッキーダービー馬アイルハヴアナザーが4.2倍で2番人気である。

レースはケンタッキーダービー同様にボーディマイスターの先行で始まった。1馬身のリードを取って、23秒79、47秒68。ケンタッキーダービーよりは遅いペース駆けとなったが、道中4番手から3コーナーで3番手に上がったアイルハヴアナザーが、直線残り250ヤードで2番手に上がり、計ったようにクビ差交わしてニ冠を制した。残り1ハロンでまだ3馬身差があったにも拘らず、マリオ・ギュティエレス騎手もアイルハヴアナザーの逆転に相当自信があったのだろう。

これで1978年のアファームド以来、史上12頭目の三冠馬にリーチがかかった。しかし、ニ冠馬は過去16年で9頭も生まれているが、思わぬ伏兵の前に涙を呑むケースが多い。ボーディマイスターのボブ・バファート調教師は「もう十分戦ってくれた」と、ベルモントSはスキップ、代わりにG3ダービートライアルSで2着したオーサムアゲインの3歳牡馬ペインターをニューヨークに送り出す計画である。

プリークネスSの翌日、早くもニューヨークに入ったアイルハヴアナザー。プリークネスSからは3着クリエイティヴコーズ、6着オプティマイザー、7着コゼッティ、プリークネスSをスキップした中からはケンタッキーダービー3着ドゥラハン、同7着ユニオンラッグズ、同8着ラウジングサーモン、他マークヴェレスキ、アティガン、ファイヴシックスティーン、ガイアナスタードゥイージ、ストリートライフ、アンストッパブルユーなどがエントリーしている。三冠最終戦のベルモントS(D12F)は6月9日、ニューヨークのベルモントパーク競馬場で行われる。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。