キングジョージのラインナップ出揃う[和田栄司コラム]

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第62回 キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(1M4F)は今週21日の土曜日、午後4時35分、英アスコット競馬場で行われる。

3歳馬の出走は日本から挑戦する日本ダービー馬ディープブリランテ1頭、8st9lb(55キロ)の斤量になる。牝馬のデーンドリームとシャリタの2頭は9st4lb(59キロ)、残りは9st7lb(60.5キロ)。斤量から見ると圧倒的に3歳馬に有利だが、去年のナサニエルは例外中の例外で、最近は有力な3歳馬の出走も少なく古馬の前にやられているのが現状である。

昨年の勝馬ナサニエルはガリレオ産駒の4歳牡馬。チャンピオンS以来7ヶ月半振りのG1エクリプスSを使い、復活の狼煙を挙げ連覇を狙って来た。ジョン・ゴスデン調教師は昨年のG1セントレジャー馬で、モンジュー産駒の4歳牡馬マスクドマーヴェルとの2頭出しで臨む。今季は初戦のG2ジョッキークラブSが久々のレースの為か7着に終わったが、G1コロネーションカップでは3着に入っている。しかし、エースはナサニエルである。

愛バリードイルは3頭出し。ロビンフッドをペースメーカー役に、G1・4勝馬セントニコラスアビーとウインザーパレスで臨む。モンジュー産駒の5歳牡馬セントニコラスアビーは、G1ドバイシーマクラシックとG3ムーアズブリッジSで2着に終わったが、前走のコロネーションカップは、ロビンフッドの流れを味方に4馬身半の楽勝だった。ウインザーパレスも、ロビンフッドの流れを味方にムーアズブリッジSで勝っているが、距離を考えればセントニコラスアビーがエース格だ。

マイケル・スタウト厩舎からは昨年のG2グレートヴォルティジュールS勝馬シームーンがライアン・ムーア騎手とのコンビで出走する。ビートホロー産駒の4歳牡馬シームーンは、今季準重賞とロイヤルアスコットのG2ハードウィックSを連勝しての参戦。同じ競馬場、同じ距離のハードウィックSでグッドトゥソフトの馬場、2分29秒60、3馬身4分の1の完勝だっただけに要注意だ。

トム・ダスコンビー厩舎のシロコ産駒の4歳牡馬ブラウンパンサーは、今季G3オーモンドSがしんがりの4着だったが、前走ポンテフラクト競馬場の準重賞は7馬身差の楽勝だった。前走同様キーラン・ファロン騎手とのコンビで臨む。

仏国から挑戦するニコバー産駒の6歳牡馬ドゥナデンは、昨年メルボルンカップと香港ヴァーズのG1を連勝した。今季は、G2ジョッキークラブSとG2シャンティイ大賞典を共に3着の後、前走G2ハードウィックSで2着している。昨年のG1仏ダービー馬、ダラカニ産駒の4歳牡馬リライアブルマンは、今季G1ガネー賞3着、G1イスパーン賞7着の後、前走ロイヤルアスコットのG1プリンスオブウェールズSがソーユーシンクの3馬身差4着だった。

アガ・カーン殿下のシンダー産駒の4歳牝馬シャリタは、G3ミネルヴ賞勝馬だが凱旋門賞2着、ジャパンカップでは7着だった。今季はG3アレフランス賞3着、G2コリーダ賞2着の後、前走G1サンクルー大賞典では先行して2着に粘っている。凱旋門賞勝馬のロミタス産駒の4歳牝馬デーンドリームは、ジャパンカップ6着の後、今季は地元独国でG2を勝ったが、前走のサンクルー大賞典はしんがりの4着。去年も同じように仏国で惨敗した後、凱旋門賞を含むG1・3連勝、一概に軽視は出来ないが、いかにも斤量が重すぎる。

登録は以上の12頭、ディープブリランテには斤量がとても魅力的だが、オールドマイルコースに出るまでの登り、4コーナーに向かうまでのダウンヒル、ゴール前の登りと、仕掛けるポイントが最大の課題になる。ペースメーカーのロビンフッドを先頭に、前に行く馬も多く、前と後ろの強敵をどう捌くか、涙を呑んだこれまでの先輩達の失敗を教訓に生かしてレースに臨んで貰いたい。


海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。