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ブリーダーズカップを終えて[和田栄司コラム]
2012/11/6(火)
3日、米ロサンジェルスのサンタアニタパーク競馬場で行なわれたG1・BCターフ(芝1M&4F)は、単勝18.3倍の伏兵リトルマイクが3番手から直線先頭に立って優勝、日本から武豊騎手と共に参戦したトレイルブレーザーは3コーナーから捲って一旦2番手まで上がったが、8ポールを過ぎて人気の2頭に交わされ4着に終わった。
12頭が出走したBCターフは、ステークス5連勝中のG1・3勝馬ポエトオブエントリーが3.4倍の1番人気、連覇を狙った愛バリードイルのG1・4勝馬セントニコラスアビーが4.4倍、昨年の凱旋門賞2着馬で今年G1・2勝の仏シャリータ5.3倍、トレイルブレーザーは4番人気の7倍で続いた。
約6.5ハロンのスタート地点から続くダウンヒルの半ばからスタート、ダートコースを横切ってターフコースに入る芝の距離マイル&ハーフ戦。2番枠からG1ユナイテッドネイションズSを逃げ切ったターボコンプレッサーが果敢に主導権を取りに行った。外の10番枠から押して前に上がるオプティマイザー、7番枠スタートのリトルマイクは内に入れて3番手の位置取りとなった。
トレイルブレーザーは前団の4番手スリムシェイディーに続く5番手(先頭から6馬身半)で中団の前、セントニコラスアビーは僚馬トレジャービーチの後ろ7番手(9馬身)、ポイントオブエントリーは8番手(10馬身)、シャリータがその外に付け9番手(10馬身半)、最後方キンダーガーデンキッドまで15馬身の縦長の展開となった。
フラクションは、23秒83、46秒77、1分10秒80。ダウンヒル特有の速い流れである。しかし、1馬身半のリードを取って先行していたターボコンプレッサーに、マイルを通過すると疲れが見え始めた。そこでリトルマイクが外に出して交わし、直線の入口で先頭に立った。3コーナーから外を捲って4番手に上がったトレイルブレーザーは、直線3番手から直ぐ2番手でリトルマイクを追う。
外からトレイルブレーザーを追うセントニコラスアビーは、トレイルブレーザーから3馬身、またシャリータはセントニコラスアビーから3馬身、ほぼセントニコラスアビーと並んでいたポエトオブエントリーは、ラチ沿いをぴったり廻って直線の入口で4番手まで進出して来た。インとアウトではやはり一気に順番が入れ替わる。
直線残り1ハロンの8ポール、トレイルブレーザーはまだ2番手で踏ん張っていたが、8ポールを過ぎるとラチ沿いからポイントオブエントリーに交わされ、外からセントニコラスアビーにも交わされ4着ゴール、何とかシャリータの追い込みはクビ差凌いだが、早めの仕掛けではこれが一杯の着順である。
ラモン・ドミンゲス騎手が乗って優勝したリトルマイクの勝ちタイムは、2分22秒83、1989年のG1オークリーフ招待Sで3歳のホークスターが出した2分22秒80のトラックレコードに100分の3及ばずの時計となった。半馬身差2着にジョン・ヴェラスケス騎乗のポイントオブエントリー、4分の3馬身差3着にジョセフ・オブライエン騎乗のセントニコラスアビー、1馬身差4着トレイルブレーザーとなった。
ジョン・ヴェラスケス騎手は「望んでいたポジションではなかったが、追い上げて行ったものの手遅れだった」と話し、エイダン・オブライエン調教師はセントニコラスアビーの速い時計での順応の高さに改めて満足し、勝馬の強さを称賛した。シャリータは、速い競馬では良いポジション取りが出来ず、ここもジャパンカップのように伸びてはいるが入着することすら出来ない。
スパニッシュステップス産駒の5歳のセン馬リトルマイクは、8ヶ月以上骨折で休養していたが、昨年の12月ガルフストリームパーク競馬場のアロワンス競走で復帰、今年1月のフロリダサンシャインミリオンターフSまで4連勝を飾った。3月のG3カナディアンターフS4着の後、5月にG1ターフクラシックを勝ち、6月のG1シューメーカーマイル3着の後、8月のG1アーリントンミリオンを制し、直前のG1ターフクラシック招待Sを5着してここに臨んでいた。
デール・ローマンズ調教師は「今日はマイル&ハーフ、驚異的な馬です。努力家で、我々の考えが全て間違っていることを証明してくれました。昨年まではマイラー以上の馬だとは思わなかったし、彼の可能性がどこまであるのか分かりません。ニューヨーク(ターフクラシック)のレースの後、9ハロンは短いと考え、直線に重点を置く計画に固執して来た。昨夜は2頭(ターボコンプレッサーとオプティマイザー)が引っ張るレース展開となると考え、その後ろでレースすることを騎手に伝えた」とメディアの質問に応えた。
メディア会見には、調教師の他にフロリダで生産に携わったカーロ・ヴァカレーザ氏、その妻のプリシラ、ニックとマイクの二人の息子まで出席した。ヴァカレーザ氏は「人気もなかったし、誰も長い直線を持ち堪えられないと思っていたのでしょう。私もナーバスになったが、チャンスがないとは思わなかった。皆、彼のことを改めてリスペクトすることでしょう」と続けた。
因みに馬名のリトルマイクは、2人の子供の下の子供の名前から付けられた。リトルマイクの通算成績は、21戦12勝、2着2回、3着1回、これが3つ目のG1優勝だった。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
12頭が出走したBCターフは、ステークス5連勝中のG1・3勝馬ポエトオブエントリーが3.4倍の1番人気、連覇を狙った愛バリードイルのG1・4勝馬セントニコラスアビーが4.4倍、昨年の凱旋門賞2着馬で今年G1・2勝の仏シャリータ5.3倍、トレイルブレーザーは4番人気の7倍で続いた。
約6.5ハロンのスタート地点から続くダウンヒルの半ばからスタート、ダートコースを横切ってターフコースに入る芝の距離マイル&ハーフ戦。2番枠からG1ユナイテッドネイションズSを逃げ切ったターボコンプレッサーが果敢に主導権を取りに行った。外の10番枠から押して前に上がるオプティマイザー、7番枠スタートのリトルマイクは内に入れて3番手の位置取りとなった。
トレイルブレーザーは前団の4番手スリムシェイディーに続く5番手(先頭から6馬身半)で中団の前、セントニコラスアビーは僚馬トレジャービーチの後ろ7番手(9馬身)、ポイントオブエントリーは8番手(10馬身)、シャリータがその外に付け9番手(10馬身半)、最後方キンダーガーデンキッドまで15馬身の縦長の展開となった。
フラクションは、23秒83、46秒77、1分10秒80。ダウンヒル特有の速い流れである。しかし、1馬身半のリードを取って先行していたターボコンプレッサーに、マイルを通過すると疲れが見え始めた。そこでリトルマイクが外に出して交わし、直線の入口で先頭に立った。3コーナーから外を捲って4番手に上がったトレイルブレーザーは、直線3番手から直ぐ2番手でリトルマイクを追う。
外からトレイルブレーザーを追うセントニコラスアビーは、トレイルブレーザーから3馬身、またシャリータはセントニコラスアビーから3馬身、ほぼセントニコラスアビーと並んでいたポエトオブエントリーは、ラチ沿いをぴったり廻って直線の入口で4番手まで進出して来た。インとアウトではやはり一気に順番が入れ替わる。
直線残り1ハロンの8ポール、トレイルブレーザーはまだ2番手で踏ん張っていたが、8ポールを過ぎるとラチ沿いからポイントオブエントリーに交わされ、外からセントニコラスアビーにも交わされ4着ゴール、何とかシャリータの追い込みはクビ差凌いだが、早めの仕掛けではこれが一杯の着順である。
ラモン・ドミンゲス騎手が乗って優勝したリトルマイクの勝ちタイムは、2分22秒83、1989年のG1オークリーフ招待Sで3歳のホークスターが出した2分22秒80のトラックレコードに100分の3及ばずの時計となった。半馬身差2着にジョン・ヴェラスケス騎乗のポイントオブエントリー、4分の3馬身差3着にジョセフ・オブライエン騎乗のセントニコラスアビー、1馬身差4着トレイルブレーザーとなった。
ジョン・ヴェラスケス騎手は「望んでいたポジションではなかったが、追い上げて行ったものの手遅れだった」と話し、エイダン・オブライエン調教師はセントニコラスアビーの速い時計での順応の高さに改めて満足し、勝馬の強さを称賛した。シャリータは、速い競馬では良いポジション取りが出来ず、ここもジャパンカップのように伸びてはいるが入着することすら出来ない。
スパニッシュステップス産駒の5歳のセン馬リトルマイクは、8ヶ月以上骨折で休養していたが、昨年の12月ガルフストリームパーク競馬場のアロワンス競走で復帰、今年1月のフロリダサンシャインミリオンターフSまで4連勝を飾った。3月のG3カナディアンターフS4着の後、5月にG1ターフクラシックを勝ち、6月のG1シューメーカーマイル3着の後、8月のG1アーリントンミリオンを制し、直前のG1ターフクラシック招待Sを5着してここに臨んでいた。
デール・ローマンズ調教師は「今日はマイル&ハーフ、驚異的な馬です。努力家で、我々の考えが全て間違っていることを証明してくれました。昨年まではマイラー以上の馬だとは思わなかったし、彼の可能性がどこまであるのか分かりません。ニューヨーク(ターフクラシック)のレースの後、9ハロンは短いと考え、直線に重点を置く計画に固執して来た。昨夜は2頭(ターボコンプレッサーとオプティマイザー)が引っ張るレース展開となると考え、その後ろでレースすることを騎手に伝えた」とメディアの質問に応えた。
メディア会見には、調教師の他にフロリダで生産に携わったカーロ・ヴァカレーザ氏、その妻のプリシラ、ニックとマイクの二人の息子まで出席した。ヴァカレーザ氏は「人気もなかったし、誰も長い直線を持ち堪えられないと思っていたのでしょう。私もナーバスになったが、チャンスがないとは思わなかった。皆、彼のことを改めてリスペクトすることでしょう」と続けた。
因みに馬名のリトルマイクは、2人の子供の下の子供の名前から付けられた。リトルマイクの通算成績は、21戦12勝、2着2回、3着1回、これが3つ目のG1優勝だった。
海外競馬評論家 和田栄司
ラジオ日本のチーフディレクターとして競馬番組の制作に携わり、多岐にわたる人脈を形成。かつ音楽ライターとしても数々の名盤のライナーを手掛け、海外競馬の密な情報を把握している日本における第一人者、言わば生き字引である。外国馬の動向・海外競馬レポートはかねてからマスメディアで好評を博しており、それらをよりアップグレードして競馬ラボで独占公開中。
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