【スプリンターズS】ハクサン酒井学「今回もハナを譲る気はない」

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29日(日)に行われるスプリンターズS(G1)に出走予定のハクサンムーン(牡4、栗東・西園厩舎)に騎乗する酒井学騎手の一問一答は以下の通り(9/25、最終追い切り後)。

-:いよいよスプリンターズSがやってきましたね。

酒井学騎手:ここをひとつの目標として今までやってきたので、何とかいい結果が出るようにがんばりたいですけれどね。

-:春の高松宮記念からの酒井さんとのコンビになりますが、抜群の相性ですね。

学:本当にいい時に乗せていただいたというか、その分、結果も一緒についてきているので、好相性のようにみんな思ってくれていますし、もちろん僕も乗っていて、ひとつひとつ力をつけているのを掴みながらここまで来れたので、感触としても、「コンビ」という名に恥じないお互いの信頼関係ができていると思うので楽しみです。

-:この夏、サマーチャンピオンになった訳ですけれど、一連のレースを振り返ってみていかがでしょう。

学:CBC賞から始まって、惜しい2着ではあったんですけれど、あのレースもハナに行って、しっかりと抜くところを抜いて、最後にもうひと脚という形。勝ったのも強い馬だったので、恥じない2着だと思っていましたし、それを証明してくれたのが次のアイビスサマーダッシュで。正直レース前は特殊なレースなので、ひと息で走って次の1200に変わった時に影響したら嫌だな、と考えていたのですが、その1000mのレース自体で、あの短距離の中で色んなことを思わせてくれるレースっ振りだったので、あのレースを使ったことは僕にとって得るものがありました。大きい収穫になったレースだと思うんですよね。それからのセントウルSだったので、1000mでただ行く馬ではない、というのも証明できましたし、いい状態でここに向かえてきていると思います。

-:特にセントウルSでは結果も残しました。去年のチャンピオン、ロードカナロアを負かしましたよね。

学:もちろんセントウルSではロードカナロアもまだまだ100%の状態ではなかったと思いますし、2キロというハンデ差もありましたので。そういう事を考えたとしても、世界で活躍できるという本当の実力馬ですし、それを負かしたという事は大金星で、もうここに向かうには一番いい状態なのではないかと思います。

-:確かに色んな条件があったにせよ、勝ったという事はかなりモチベーションのほうも上がってくるんじゃないですかね。

学:もちろんムーン自体が力をつけているのは間違いないですし、スタッフ、関係者、そこにロードカナロアを負かした、というひとつの自信もつきましたし、その自信をもう一回、ガチンコ勝負のこの場でしっかりとぶつけて、100%、120%の状態で、その力を発揮できる騎乗をしなければいけないと思っています。正々堂々と今回は臨むつもりです。

-:特に酒井さんに代わってからは、一度もハナは譲ってないと思いますが。

学:この馬のひとつの形として、ハナを切るというのが形になっていますので。そこは負けたときのレースでもハナは行っているものの、後ろから突つかれてオーバーペースでという負け方なので、力で負けたとは思ってませんでしたし、ただ常に常にハナに行くことで“この馬は絶対に行くんだな”という印象付けをしっかりできてると思います。今回にしてもハナは譲る気ないですし、本当にこの馬の正々堂々の競馬をしたいと思います。

-:レースを観ていますと、ゲートが開いた瞬間はそれほどでもないのですが、次の瞬間に必ず先頭に立っていますよね。

学:一歩目自体はそれほど速くない馬なんですけれど、もう二の脚の加速力というのは、抜けたものを持っていると思うので、それはこの馬にとって一番の武器だと思っています。その武器をしっかりとフルに生かして、今まで結果が出せているので、今回も考えとしては変わらないです。

-:これは酒井さんにしかわからないと思うのですが、あのテンのスピード、加速していく状態というのは、乗っていてどんな感覚なんでしょうか。

学:正直ビュンと行っているというよりも、気付いたらスッと前のほうまで取り付いている、二の脚で抜け出しているという感覚なので。そんなに“速っ!”という感覚ではないんですよね。

-:ということは、本当に速いんですね。

学:いや、そうだと思います。

-:かなり楽しみを多く持って臨むスプリンターズS、酒井さんにとっても今度は芝のG1が懸かっています。

学:去年はJCダートという大きいレースを勝たせてもらったんですけど、まだ僕自身G1レースというのは1勝しかないので。まだ芝のG1レースでの勝利は挙げたことないので、何とかこういうビッグチャンスをいただいているので、しっかりとそのチャンスを生かせるように、ハクサンムーンの力をしっかりと引き出せる騎乗ができるように頑張りたいと思います。

-:大勢の方がハクサンムーン、そして酒井学ジョッキーを応援していると思います。皆さんに今回の豊富をお願いします。

学:やっぱり皆さんのハクサンムーンのイメージとしては“ハナに行って”というのが一番だと思いますので、今回もそういうハクサンムーンの強さをしっかりと見せ付けられる競馬をして、僕がそういう騎乗をできるように頑張りたいと思いますので、このスプリンターズSも応援よろしくお願いします。


-:(代表想定外の質問として)高松宮記念からCBC賞への中間で、16キロ増えたのですが、そこで変わってきた部分というのはあったのですか?

学:正直、幅が広がったとか、跨った時に幅が出たとか、そういう印象はないんですよね。ただやっぱり結果として、CBC賞のレースに行った時に返し馬で“これなら大丈夫”と思って、レース後にも16キロを太かったのではなくて“全て成長分だな”という感触がありました。あそこの部分というのは馬がグンと成長したというひとつのポイントだったと思うので。

-:アイビスSDで収穫を得たという話がありましたが、具体的にはどのような部分なのでしょう?

学:スタートして千直というのはコーナーがないので、ひと息で走ってしまうようなイメージだったんです。だけど千mの直線というレースでありながらスッと前のポジションを取ってくれて、そこで馬が楽に走ってくれてたんですよね。ガリガリ行っている感覚が全くなくて、しっかりと抜けて走っているなという。僕の頭の中で1200のレースをイメージできるくらいメリハリの利いている……。途中からフォーエバーマークが併せに来た時に、やっぱり向こうもプレッシャーを与えて、僕のも“(ハミを)噛めばな”という考えで来たと思うのですけど、馬が全く動じなかったんですよね。
それはスッと行って、勝負所で並ばれて来た時に馬が変に反応しすぎない、そういうイメージが僕の中に湧いて“どこまで待とうかな待とうかな”という。ハロン棒を気にしながら“どこで追い出したらいいんだろう”という手応えがありました。あそこが大きく繋がっているんじゃないかなというがあります。