カレンブラックヒル久々の美酒 「昨年の分を取り戻したい」

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春の名物ハンデ重賞、ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)は、4番人気のカレンブラックヒル(牡5、栗東・平田厩舎)が優勝。一昨年の毎日王冠以来、1年半ぶりの勝利となった。

戦前から先行策を示唆していた秋山真一郎騎手。「ハナを切りましたが、早めに動いてくる馬がいましたし自分のペースで運ぼうと思って一旦控えました」と振り返ったように、一旦はハナに立ったものの、向正面では外のトリップに先手を譲り控える競馬。4コーナーでは4番手までポジションを下げたが、直線では最内から末脚を伸ばし、一旦は先頭に立ったカオスモスを見事に差し切った。

「元々控えて競馬をしていましたし、控えても特に問題はありませんでした。道中の手応えも良かったですよ。こういう重い馬場は得意ですし、他の切れるタイプの馬が切れられず、ちょうど良かったと思います」と、雨が残る馬場も味方。力強い走りでゴールを駆け抜けた。

一昨年はNHKマイルC制覇を含む、デビューから破竹の5連勝を記録したカレンブラックヒル。昨年は更なる活躍を期待されたが、待っていたのは試練の日々。フェブラリーS15着敗退を皮切りに連敗を重ね、秋のマイルCSでは最下位に沈むなど、どん底を味わった。

デビューから主戦を務めた秋山騎手も乗り替わりを経験。2戦ぶりに手綱を執った阪急杯は11着敗退も、「関係者みんなが一生懸命立て直してきて馬が良くなっていたと思いますし、何とかしてやろうと思っていました。調教の感じも、良い頃の感じに戻ってきていると思います」と語ったように、この中間は坂路で好時計を記録するなど、復調の兆しを見せていた。

人馬一体で掴み取った久々の美酒。しかし、この1勝で満足することはない。「去年はあまり活躍できなかったので、今年はその分も取り戻したいですね」と締めくくった秋山騎手。次はG1の舞台で、マイル王復権を掲げる番だ。