ドリームバレンチノついに戴冠 名手岩田が盛岡で魅せた!

11月3日(祝・月)、盛岡競馬場で行われたダートの祭典 第14回 JBCスプリント(Jpn1)(3歳上 定量 1着賞金:6000万円 ダート1200m)は、岩田康誠騎手騎乗の2番人気・ドリームバレンチノ(牡7、栗東・加用厩舎)が優勝。勝ちタイムは1:09.0(重)。

2着にはクビ差で6番人気・サトノタイガー(牡6、浦和・小久智厩舎)、3着には半馬身差で5番人気・タイセイレジェンド(牡7、栗東・矢作厩舎)が続いた。

直前のレディスクラシックでもソツのないレース運びをみせた岩田康誠騎手だったが、ドリームバレンチノと挑んだ直後のJBCスプリントでも、好位差しの安定したレースぶり。ダートの祭典で持ち味を存分にみせつけた。

タイセイレジェンド、コパノリチャードらがダッシュをきかせると、しっかりと位置をとりに好位へ進出。「4角先頭くらいのイメージだった」とジョッキーも振り返ったように、3角過ぎから徐々にポジションを押し上げ、逃げたタイセイレジェンドに並びかけると、一時はサトノタイガーに出られながらも、ゴール前で競り落とした。

「好スタートでしたし、先行馬の後ろで競馬が出来ましたね。馬場も締まっていて、持ち味のスピードを活かした強気のレースができました。芝、ダートを問わないタイプですし、年齢も感じさせない走りでしたね。相手はしぶとかったですが、併せ馬で良いレースができましたよ」

良い時は全てが上手くいく、とは言ったものだが、この日の岩田騎手の冷静なレースぶりは流石そのもの。「前回(東京盃)も僕がもうちょっと我慢していたら、勝てたレースですから」と敗戦を悔やむが、クラシックでの騎乗が叶わなかったことが惜しくなるほどに冴え渡っていた。

ドリームバレンチノ

東日本大震災から3年、震災後、初めて東北の地で行われた競馬の祭典で2つのタイトルをゲット。改めて自身は存在感をみせつけたが、「今でも震災の影響で苦しまれている方々はいるでしょうし、僕に出来ることといえば、良い騎乗をみせて、喜んでもらうことです」と岩手競馬への思いを語る。JRAの第一人者となった今も、レースの大小を問わず、平日は交流競走、当地の競走に積極的に参加。元地方競馬のトップジョッキーは「古巣」の地方競馬でも、常に腕を磨くことを心がける。

「今後も時間のある限り、競馬場へ駆け付けますので、ファンの皆さんにも足を運んでもらえればと思っています」

岩手競馬への再来場を誓った岩田騎手は、今後も中央、地方の垣根を超えて、ファンを湧かせてくれるに違いない。

【ドリームバレンチノの加用正調教師のコメント】
「馬もスタッフも一丸となってやってきたことが結果に出ましたね。状態は良かったので、あとはジョッキーが力を出してくれればと思っていましたが、4コーナーでの手応えが十分でしたね。芝のG1でワンパンチが足りず、ダートを一度試してみよう、という思いに、オーナーサイドもやっていることを信用してくれたおかげです。ダートは馬への負担も軽いし、今後も末永く良いパフォーマンスをみせてほしいですね。初めてG1を勝って、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。今後もファンの皆さんが競馬場に行きたくなるような強い馬づくりをしていきたいです」

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ドリームバレンチノ
(牡7、栗東・加用厩舎)
父:ロージズインメイ
母:コスモヴァレンチ
母父:マイネルラヴ
通算成績:37戦11勝
(うち地方成績:5戦2勝)
重賞勝利:
14年JBCスプリント(Jpn1)
13年兵庫ゴールドトロフィー(Jpn3)
13年シルクロードS(G3)
12年函館スプリントS(G3)