【JBCスプリント】3つのG1初制覇!松山「馬の力を信じていた」

●11月3日(祝・火) 大井競馬場9R 第15回JBCスプリント(Jpn1)(ダ1200m)

人馬ともに初のG1制覇は完璧な逃走劇となった。出走馬の紅一点コーリンベリー(牝4、美浦・小野次厩舎)は手綱をとった松山弘平騎手が「スピードも良いし、追ってからの反応も良い」とレースを振り返ったように、好発からハナを切ると終始、余力を持った競馬で最後まで後続を寄せ付けず。新たなスプリント女王として能力の高さを証明するレースぶりとなった。

2着した1番人気ダノンレジェンドのMデムーロ騎手が「勝ち馬が強かった。びっくりしたよ」と完敗を認めたが、前哨戦で破った相手の逃走劇には驚きを隠せなかった。コーリンベリーにとっての前走はスタートで遅れをとったのが痛かった。それだけに今回は松山騎手も「まずはスタートをうまく出ること」と意識したゲートは完璧なスタートで楽々ハナに立つ。そこからは自身の描いたプラン通りにレースを進めていった。「マイペースに進められましたし、道中もしっかりと脚を溜められました」との言葉通りに終いまでスピードは衰えず。「最後は馬の力を信じていた」と人馬一体でつかんだ戴冠だった。

レース後は松山騎手、そして小野次郎調教師の二人が勝利の抱擁を交わしていた。ともにG1は初制覇。特に小野次師にとっては先日、引退した柴田政見元調教師から引き継ぐ形でのG1制覇だっただけに「責任を果たせました」と安堵の気持ちが一番に出ていた。普段の調教からも気を使い、最もコーリンベリーを知る松山騎手に稽古に乗ってもらい、状態面に変わりはないかの確認を怠らなかった。その上で掴んだ初のG1制覇でその喜びもひとしおだ。

もっとも松山騎手、小野次師はこの勝利に満足はしていない。松山騎手が「馬自身すごく成長しています。距離が延びても問題ないですし、これからの馬ですから楽しみです」と言えば、小野次師も「状態を見てからですが、マイルぐらいまでなら問題ないですよ」と次戦に向けての意欲を示していた。新スプリント 女王が次に狙うはマイル路線。その先にあるのはフェブラリーSであるのは間違いない。コーリンベリーだけでなく、騎手、調教師の三位一体となって、さらなる大舞台でのタイトル奪取を狙っていく構えだ。