石坂厩舎からエ女王杯と武蔵野Sに送り込む2頭の3歳馬

11日、エリザベス女王杯(G1)の最終追い切りが栗東トレセンで行われた。秋華賞6着以来のレースとなるタッチングスピーチ(牝3、栗東・石坂厩舎)は助手を背に坂路で併せ馬。古馬1000万のフォンタネットポーを0.1秒追走し、0.1秒遅れる内容。4F52.2-38.4-25.3-12.7秒をマークした。

春のクラシックでは間に合わず、ひと夏を越して急激な成長を遂げたタッチングスピーチ。超良血とデビュー前から話題だっただけに、ようやくその片鱗を見せた。全弟は2億8000万の値が付いただけに、本馬に対する期待はまだまだ先にある。

オークス馬ミッキークイーンをローズSで破り、迎える秋華賞では2番人気に支持され、上がり2位の脚を繰り出すも6着と甘んじた。古馬との対戦は今回で2度目。前回は上がり最速で撃破しているだけに、メンバーが強力になったとしても、十分戦えるだけの能力を秘めている。



11日、武蔵野S(G3)の最終追い切りが栗東トレセンで行われた。秋嶺Sを制して挑むモーニン(牡3、栗東・石坂厩舎)は助手を背に坂路で最終調整。4F52.3-38.2-24.8-12.1秒をマークした。

体調面の不安もあり、デビューが3歳の5月と遅くなったにも関わらず、初戦から高いパフォーマンスで4連勝と一気に遅れを取り戻す活躍。前目で競馬をしながらも、上がり最速を使えるだけあって能力はすでに重賞級といったところか。

先の大舞台を見据える上でも大事なレースになる事は間違いない。今回は川田騎手とのコンビを予定しており、5連勝で重賞制覇となるか、注目の1戦だ。



11月10日(土)に行われる武蔵野S(G3)、11月11日(日)に行われるエリザベス女王杯(G1)の最終追い切りが、栗東トレセンにて行われた。
タッチングスピーチモーニンを管理する石坂正調教師の一問一答は以下の通り。

●夏を越し見違える成長を遂げたタッチングスピーチ

-:前走の秋華賞ですがレースの印象をお伺いします。

石坂正調教師:力は足りると思っていたので、勝ち負けを期待していたのですが、京都2000m内回りというのがこの馬には適応出来なかったみたいで、残念な結果になりました。

-:4コーナーで外に膨れたように見えましたが、それでもすごい追い上げでしたね。

石:そうですね。終いは詰めてくれましたので、次のエリザベスであればもっと来られるのではないかと思いました。

-:その前のローズSではミッキークイーンをあっという間に差し切りました。

石:その前は阪神の1800mであの馬にとっては走り易い馬場の形態だったと思います。

-:それにしてもタッチングスピーチは夏以降急激に力をつけているように思います。

石:馬の格好もずいぶんたくましくなりましたし、血統的にも奥手だったということだと思います。

-:春までと夏以降とどこがどのように変わってきたのでしょうか。

石:競馬内容から言えば同じなのですが、春はそこから伸び切れなかったと。夏を越してからはそこから継続的に脚を使えるようになって、その分で上位に来られるようになったのだと思います。

-:そういう状態になった原因というのは。

石:やっぱり時間ですよね。牧場でもケアしてもらいましたし、そのおかげというのもありますが、一番はあの馬の成長力です。これから古馬になっても成長していくのではないかと思っています。

-:この秋一連の大レースを使ってきても成長の証みたいなものは見えますか?

石:そうですね。体が細くなることなく張っていますし、本物の競馬が出来ると思います。

-:さて、エリザベス女王杯に向けての最終的な調教ですが、今週も坂路52秒台でした。

石:今年の競馬はこれが最後になると思うので、しっかりと併せ馬して向かおうかと思っています。

-:先週の坂路調教と比べると時計も随分詰めてきましたね。

石:先週は前の週と軽く調整する感じでした。

-:先週の話でも、非常に順調に来ているとのことでしたが。

石:なにもなく今日まで迎えることが出来ました。

-:先程も話に出ましたが、外回りの京都コース今回使うわけですが。

石:前走より間違いなく走ると思いますが、相手に古馬もいますので、その辺り力関係はやってみないとわかりませんが、私としては期待していますね。

-:あと天候その他、敢えてといいますか、条件としてこういう風になって欲しい、なって欲しくないというのはありますか?

石:最近条件というのを考えなくなってきていまして、その場でタッチングスピーチが力を発揮出来たらいいなと思っています。

-:改まして、リラヴァティと2頭で迎えるエリザベス女王杯ですが、抱負の方をお願いします。

石:リラヴァティはタッチングスピーチの隣の馬房にいて、いつも仲良くしています。多分タッチとリラヴァティは一緒に上がってくるのではないかと思っています。

-:最終的に2頭とも良い着順で上がってくる事を期待しています。

石:どちらも健康な馬ですし、無事元気に上がってくると思います。

石坂正調教師

エ女王杯には2頭出しで挑む石坂正調教師

●4連勝で重賞の舞台を迎えるモーニン

-:続きまして、武蔵野S。目下4連勝中で、土付かずのモーニンについてもお伺いしたいのですが、デビューが遅れましたが、ダートで4連勝すごいですね。

石:そうですね。新馬戦に出走することが出来ず、未勝利からの出発だったのですが、思った通りすごく強い勝ち方で、前走の4勝目は未勝利戦で見せたような、圧倒的な勝ち方といいますか、本当に強い勝ち方をしてくれたので、すぐに武蔵野に行こうという気持ちになりました。

-:ここはG1ホースも何頭か出ていますし、すごいメンバーになっているレースでもあります。

石:このレースをクリア出来たらもっと大きなレースにいけますし、そういう馬ではないかなと思っています。

-:デビューが遅れた理由というのはどの辺りなのでしょうか?

石:この馬はトレーニングセール出身なのですが、日本に来てから一回緩むわけですよね。この馬の場合はクタクタになってしまい、競走馬になるのかなと思えるほど疲れ果ててしまっていて、栗東に来るのがすごく遅れてしまったのですが、やりだしたら、これは走るなという感じでしたね。

-:実際にレースでもそれ以上の走りではないかと思います。

石:そうですね。普段はおとなしいのに、競馬に行ったらすごい走りを見せて見事な競馬をしてくれます。

-:ダート1600mで2勝、1400mで2勝。やはりこのくらいの距離の方が合うのでしょうか。

石:前走はちょっと長いのではないかなと思っていたのですが、あれだけ強い勝ち方をしてくれて、もしかしたら、距離の融通性があるのかなと思いました。

-:最終的な調教ですが、今日はどのような動きだったのでしょうか?

石:使っていますし、併せ馬したら時計が出すぎると思って、単走でやったわけなのですが、それでも終い12.1秒で本当にイイ動きをしてくれました。

-:そうすると今回も順調に来ていると見ていいのですね。

石:大丈夫と思います。

-:5連勝、そしてその先のチャンピオンズCに向けてのモーニンの抱負をお願いします。

石:チャンピオンズCには行きません。それは冗談です。(笑)ここでなんとか実績を出して次に向かいたいなと思います。

-:期待しております。

-:タッチングスピーチは以前坂路でなかなか時計が出ないというのをお伺いしていましたが、何か走るフォームで変わったところはあるのでしょうか。

石:フォーム自体は力強く、どちらかと言えば掻き込むようなフォームと思うのですが、まあまあの時計は出ていのですが、2秒程速くなりました。あの馬が成長して本格化してきている証だと思います。