連勝の勢いと世界の名手に導かれ アルバートが5馬身差の圧巻V

●12月5日(日) 5回中山1日目11R 第49回ステイヤーズS(G2)(芝3600m)

3600mの長丁場らしく、道中は何頭かが折り合いを欠き、ペースが上がった2周目からは先行集団のポジションが目まぐるしく変わる出入りの激しい競馬。そんな中でも自分のリズムを乱すことなく泰然と構え、直線力強く抜け出したのは3連勝で勢いに乗る1番人気のアルバート(牡4、美浦・堀厩舎)。終わってみれば5馬身差の大楽勝で重賞初Vを飾った。

ほんの3カ月前まで500万条件にいたのが信じられないくらいの急成長。あまりに豪快な勝ちっぷりに普段クールなR.ムーア騎手も「すごい勝ち方ができたね」と大興奮。レースは1周目の向こう正面でユキノサムライ、メイショウカドマツ、カノン、ネオブラックダイヤらが頭を上げるシーンがあったが、レースの主役は終始落ち着いて後方を追走。ロスなく道中を立ち回り、2周目3コーナーで前が速くなってもマイペースを貫いて、4コーナーから直線入り口で下がってくる馬を上手に捌くと、あとは一直線の伸びで先頭。『長距離は騎手で買え』という格言もあるが、そのお手本のような騎乗をアッサリとやってのけた。

「コース2周を楽しませてもらった。長い距離なので、ロスなく走ることを心がけ、直線も狭いところを狙って抜け出したんだ。稽古に乗って、馬は走るのをハッピーに感じていたし、競馬もすごく楽しんでいたよ。能力は確かだし、これからも楽しみだね」と締めくくったR.ムーア騎手だが、この日も開催替わりの中山で3勝をマーク。圧倒的な存在感を示している。

堀宣行厩舎で連勝といえば、自身がマイルCSで手綱をとり、その数を伸ばしたモーリス(牡4、美浦・堀厩舎)と同じ。次走はグランプリか、それとも春に備えて休養か……。いずれにせよ、また堀厩舎から楽しみな大駒が誕生した。

トウカイフィーバー

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