2強まさかの凡走!制したのは伏兵ディーマジェスティ「大舞台に上がれる」

●2月14日(日)1回東京6日目11R 第50回共同通信杯(G3)(芝1800m)

ゴールドシップ、ディープブリランテ、イスラボニータ、ドゥラメンテ、リアルスティールら近年もクラシック活躍馬を輩出し続ける共同通信杯(G3)。ハイレベルと謳われる今年の3歳牡馬路線において、既に重賞を制した2頭が矛先を向けてきたが、出世レースを制したのは、無敗の重賞ウィナー・ハートレーでも、東スポ杯勝ちのスマートオーディンでもなく、伏兵ディーマジェスティ(牡3、美浦・二ノ宮厩舎)だった。

道中は逃げ馬が刻んだ速めのペースを中団インで追走。3角付近から鞍上もアクションし始め、手応えこそどの馬よりも決して良いものではなかったが、直線ではじわじわと進出。人気馬が伸びあぐねる中、先にイモータルが抜け出すと、ディーマジェスティは鞍上に導かれ、その外に進路をとり、懸命のスパート。しぶとく脚を伸ばして、ゴール前で差し切りを決めた。

「相手も強いし、3~4コーナーで馬場が悪くて、道悪は上手くないだけに戸惑っていましたね。それでも、直線でエンジンが掛かると何とかなるなと思いました」。こう振り返ったのは蛯名正義騎手。金星というにはまだ時期尚早だろうが、オッズ、下馬評からは2強ムードの一戦を制したことで、一躍クラシック戦線の新星に勝ち名乗りを挙げた。

一方、管理する二ノ宮敬宇調教師は「精神的に子供っぽいところが残っているし、良くなるのはまだ時間が掛かるのかと思っていました。それでも、先週、今週と徐々に調教の負荷を強めてこられたし、間隔的に余裕を持って調整できたことは良かったです」とコメント。かねてから厩舎サイドも素質の高さは認めていたが、昨年暮れのホープフルSをフレグモーネで出走取消になり、これが約3ヶ月ぶりの実戦。嬉しい誤算に目尻を下げた。

「このメンバーを負かせたことは多少、自信を持っていいのかな」と蛯名騎手は慎重な姿勢を崩さなかったが、「まだ、当たってない強い馬もいますが、大舞台に上がれる権利を手に出来ましたからね」と一定の評価。人気馬の凡走には誰しもが首を傾げるばかりの共同通信杯だったが、依然として、好メンバーのクラシック戦線であることには違いない。ディーマジェスティの真価は次戦以降に改めて問われることになるだろう。

共同通信杯

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