【ジャパンC】侮れないスワーヴリチャード!指揮官に秘策あり!!

庄野靖志調教師

20日、ジャパンカップの追い切りが栗東トレセンで行われた。

前走天皇賞・秋6着のスワーヴリチャード(牡5、栗東・庄野厩舎)は栗東坂路で最終調整。4F50.6-36.5-23.9-12.2秒をマークした。

これまでの調教では最終追い切りはCWで行っていたが、今回初めて坂路で追い切った。

その理由について追い切り後に行われた共同会見で庄野靖志調教師、そしてO.マーフィー騎手が以下のとおりコメントを残した。

【庄野靖志調教師のコメント】
■前走を振り返って
状態としては、休み明けということで「休み明け感」というのは残っていたと思いますが、スタートも良くうまく出てくれて勝ち馬の後ろを取れたんですけどね。勝負所で少し勝ち馬から離されてしまったのは、ちょっと痛かったです。最後も少し集中力を欠くところもあったんですけれども、秋初戦としては十分な競馬ができたんじゃないかなとは思ってます。

■変わり身、上積みについて
夏は少し休ませてもらって秋に天皇賞を使わせてもらって、そこからグンと上向いているとないう気配は十分に感じています。

■1週前追い切りについて
坂路で追い切って、最初テンの2ハロンくらいは折り合いに気を付けて終いをしっかりという指示で、時計的にも指示どおりいっていましたしね。馬の動きを本当に良かったと思います。

■最終追い切りについて
今週も馬とのコンタクトをしっかりと取って、終い1ハロンしっかりと負荷をかけていきたいなというような思いで、それを伝えました。

■先週から今週にかけての動きの評価
先週の追い切りも含めまして、その後週末も少し時計を出しているんですけれど、その時点で十分に仕上がっているなという感じもありますし、馬体的にもすごく見栄えのする体で、競馬に向けては今週の追い切りで、かなり良い状態に仕上がっているんじゃないかなと思います。

■昨年との比較
昨年の天皇賞・秋がまだもうひとつという状態での出走であって、それでいて次のジャパンCで3着という成績を出せて、十分に上積みを感じたレースでした。今回も同じローテーションですけれど、前回の天皇賞を使わせてもらって、昨年のジャパンCよりも更に上向いているんじゃないかなという気配は感じます。

■成長したところ
馬体的には5歳の秋を迎えまして、もう完成期に入っているかなと思いますし、精神的にも大人になってきて落ち着いた雰囲気は十分に感じます。

■好走も勝ち切れない状況から抜け出すには
いい意味で大人になって落ち着きも出てきていますが、競馬に行ってもう一つピリッとしたところを見せられていないなと思いますし、実際に大阪杯以来まだ勝たせてもらっていないので、その辺も含めて今回はピリッとした感じで行けたらいいなと思っています。

■ピリッとした感覚を取り戻すための方策
今回は追い切りも坂路を使わせてもらっています。以前まではほぼCWで時計を出していましたが、今回そういうピリッとしたところが欲しくて、またスイッチも入れたいですし、一つのキッカケとして、坂路で追い切っています。

■レースにかける意気込み
今年も強いメンバーが揃い、ダービー馬も数多く出ていますし、その他G1勝ち馬も出ていますしね。こういったメンバーの中で、ぜひもう一つ、G1のタイトルというものをリチャードにも取ってもらいたいと思っていますんで、本当にここ目イチ勝負のつもりで頑張っていきたいと思います。

スワーヴリチャード
O.マーフィー

【O.マーフィー騎手のコメント】
■これまでのレースを見ての印象
スワーヴリチャードの過去のレースはほとんど見たつもりです。その中での印象としては、道中力強く走る「ストロングトラベラー」だなと思っていて、毎回ゲートを出ればいいポジションを取れますし、そしてG1馬でもあるという部分で言うと素晴らしい馬だと思っています。

■特に印象に残ったレース
今年のドバイのレースで、あのレースはペース自体遅いレースのなかでもしっかり折り合っていて、ちょっと後ろめの位置だったと思いますが、それでも直線でしっかり伸びてきていました。2000mG1を勝っていますが、そのなかで2400mという部分ではすごく印象的なレースだなと思っています。

■先週初めて跨った時の新たな発見・感じたもの
乗った印象としては、大きくてすごく力強い馬という印象と、5歳馬という部分で言うと完成しているところだと思います。

■最終追い切りでの指示内容
先生からの指示としては、今日はチークピーシズを着けるということで、その部分で馬の感触をつかんでほしいということ、そしてラスト1Fだけの反応を見て欲しいというように指示をいただいていたので、そのなかで反応を確認し、フィットネスに関してはもう完成されている。すごく体はできていると思います。本当に日曜日が楽しみで仕方ありません。

■東京2400mで思い描いているレース
枠に関しては、人気馬のそばの枠であったらいいなというのと、レースのプランとしては、とにかくリズム良く折り合いを重視して、そのなかでしっかり競馬に向かっていきたいなという部分もありますし、良い結果が出るようにと思っています。

■ジャパンCというレースの印象
ジャパンCというのは、海外でも重きを置かれているレースの一つです。そのなかでもスワーヴリチャードという馬で参加できることというのは、とてもうれしく思います。

私自身イギリスで今年一生懸命レースに乗って日本の短期免許を取るための規定も満たせるようにと頑張ってきて、そのなかでジャパンCに乗るというのは自分の夢の一つでもあったし、いつかそのレースで勝てればと思っています。初めてジャパンCに乗せてもらえるというチャンスをもらえたので、そう思っています。

■ファンへのメッセージ
競馬場の多くのファンの方々から、スワーヴリチャードと僕を応援していただき熱い声援をもらえればすごくうれしいです。頑張ります。