福永洋一氏31年ぶり公の場

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落馬事故から31年。温かい声援と大きな拍手に包まれて伝説のジョッキーが帰ってきた。

「第1回福永洋一記念」が10日、ナイター開催の高知競馬場で行われ、現役時代に『天才』と称された中央競馬の伝説のジョッキーで高知出身の福永洋一さん(61)が、長男の福永祐一騎手(33)と同レースのプレゼンターを務めた。79(昭和54)年の毎日杯での落馬負傷が原因で引退して以来、洋一さんがファンの前に現れたのは初めて。

高知は洋一さんが中学時代まで過ごした地。96年の全日本新人王争覇戦に出場したユーイチを応援するため同競馬場を訪れて以来、14年ぶりの里帰りとなった。

同期に岡部幸雄氏、柴田政人調教師らがいるハイレベルの世代。その中でも突出した成績を残し、70年から9年連続でリーディングジョッキーに輝いた。だが、79年の毎日杯で落馬。一命を取り留めたものの、脳挫傷などの負傷のため引退を余儀なくされた。言葉を理解するまで回復して、現在は自宅で訪問介護を受けるなどして療養中。数年前に糖尿病を患って食事制限をしているため、体重は約50キロと現役時代と変わらない。

◆福永 洋一(ふくなが・よういち)
1948年12月18日、高知県生まれ。
61歳。68年に、武田文吾厩舎所属で騎手デビュー。3年目の70年から、9年連続で全国リーディングを獲得。77年には126勝をマークし、野平祐二の年間最多勝記録を19年ぶりに塗り替えた。
71年菊花賞(ニホンピロムーテー)をはじめ、G1級レース9勝、重賞49勝を挙げた「元祖・天才」。79年3月4日の毎日杯で落馬し、脳挫傷などの重傷を負って引退した。
通算5086戦983勝。