CBC賞/平林雅芳の目

トピックス

日曜京都10R
CBC賞(GⅢ)
芝1200m
勝ちタイム1.08.9
勝ち馬
ヘッドライナー(セン6 栗東・西園厩舎)

馬場の発表はやや重、外を廻る馬はいいところを通るだろうが、距離が距離だけにあまりの外々は不利。自分の競馬をするだけと、ヘッドライナーが押して押してと前へ出て行った。その後は意外と流れは落ち着き、引き付けての逃げ。4コーナーを廻り、直線は内ラチ沿いをピッタリ1頭だけが進んだ。コース上は見た目にも芝は良く見えた。
外から猛然と追い上げるダッシャーゴーゴ-ワンカラットだが、勢いはなかなかには見えたが、女神はヘッドライナーに微笑んでいた。
最後まで渋太く伸びて重賞初制覇となった。

ちょっと雨脚が強くなってきたような京都競馬場。もう発表よりも馬場は悪そうだ。
スタートは外の方が良く見えた。真ん中のアポロフェニックスが一番速いゲート。外エーシンビーセルズもいい。内からはワンカラットのゲートも速かった。
外からセブンシークィーンが押して、最内からウエスンタンダンサーも手綱をしごいて出て行った。赤い帽子のエーブダッチマンがいて、その影から現れたようにヘッドライナーが出てきた。
ヘッドライナーはそんなに速いゲートではなかったが、押して押して一番前に出た。もう内のウエスタンダンサー、外のセブンシークィーンもそんなに行く気を見せない。そのまま楽にヘッドライナーが先手を主張して、3コーナーへと入って行った。

3コーナーの下りに入ると、外セブンシークィーンが半馬身差で、2番手、カノヤザクラが3番手に上がっており、直後がアポロフェニックスで、その後ろが3頭ぐらいが固まっていた。そして、その後ろがワンカラット。まだどの馬も追っつけている手応えの馬はいない。

4コーナーへと入ってきた。前を行っていた4頭が横並び、さらにその外へメリッサが追い上げてきていた。
そしてカーヴを廻った。コーナーリングで最内のヘッドライナーのリードがまた開きだした。後続グループはやや馬場の外めを選んだのか、内外の差が出ている。外のメリッサの通るところが一番良さそうな芝である。
その後ろ、ワンカラットとダッシャーゴーゴーが迫ってきている。しかし先頭は内ラチピッタリを廻るヘッドライナーだ。
最内も芝生は綺麗に見える。残り1ハロンを通過しても、ヘッドライナーのスピードは落ちてない。
メリッサが2番手に上がったかと思う瞬間に、ワンカラットとダッシャーゴーゴーが鼻面を合わせて追い上げてきた。しかし前の内では、ヘッドライナーがもう安全軒に入っていた。
最後は猛追した2頭だったが、半馬身差届いていなかった・・。

ヘッドライナーの逃げは、前半3ハロンが34.3で、1000メートル通過が56.7。オープンクラスとすれば、馬場を考慮してもそんなに速くはない。
ゲートから出て2Fめのラップが11.0。ここも普段は10秒台で推移するところだ。まして3ハロンも、現級なら10秒台でのスピードが要求されるはずなのに、このレースでは11.1。いかに幸Jが上手くレースをコントロール出来ていたかの証明だろう。
最後の1ハロンが12.2。一番苦しいところだが、この切れを残せているあたりが勝因か。

逃げて最内を通る、そこだけが緑の絨毯がひいてあるかのような芝のコンディション。後続馬は外めのいいところを通っての追い上げとなったが、前がけっこう楽に行っていたのでは適わぬ。幸Jの会心の騎乗がもたらした勝利と言えよう。

シンボリグランスズカコーズウェイは道悪も加わり不発。そして軽ハンデとはいえ3歳馬ダッシャーゴーゴーの活躍である。
今年も早くも3歳馬が古馬に混じっての好走と、レベルは例年並み、いやそれ以上かも知れない。
若者が先輩をどんどんと追いやっていく図式が、今年ももう見せられた。そしていつもの事であるが、前々で競馬できる馬の有利さである。判っていながらいつもすれ違いだ・・・。