【新谷厩舎の中東遠征記2025】サウジの今vol4

最終追い切りを終えたミリアッドラヴ

最終追い切りを終えたミリアッドラヴ


お嬢には甘い。

日焼け止めはクルクルとムラなく塗るタイプの美容系オヤジ、松田です。追い切りも終わり馬にも問題なく、まずは一安心しています。

このサウジみたいに現地滞在期間の短い短期決戦の場合、どれだけ日本で馬を作り上げてサウジでその調子を落とさないで競馬に向かうか、が大切になってきます。若い牝馬のカイ食いにはホンマに神経を使わされ疲れることがありますが、競馬を終えると「また一つホースマンとして引き出しができたなぁ」と思えることが多いです。

人も馬も産まれた環境も育ってきた環境も違うわけですから、それぞれ違う個性が出来上がるわけですよね。日本では協調性に重きを置き、個性がない人が多い感じがします。

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今回「モフモフさん」ことミリアッドラヴのカイバについて、決して甘やかしてるわけではなく、彼女の気持ちを尊重してカイバをあげてます。

競馬前のお嬢はなんでも食べる子でしたが、競馬の回数が重なることで神経質気味になり、食べたいものが変わってきました。

日本にいるときも飼料ごとに分けて好きなものを食べさせていましたが、海外にくると日本と馬房の作りが違いコンクリートでできてるため、カイバ桶を分けて与えることはなかなか容易ではありません。

もしこれから海外遠征を考えられてる関係者の方々は、上から吊るすことのできる鎖などを持ってくると良いかも知れないですね。決して甘やかしているわけではありませんよ。短期決戦なので、できるだけエネルギーを溜めておきたいという親心かも知れないですけど。

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子育ては忍耐、と言われる方もおられるかも知れませんが、それは「飼料ごとに分けずにカイバを与え、馬が自分から食べるのを待つのも忍耐」、「飼料ごとに分けて好きなものを与え、食べることに興味を持たせるのも忍耐」と、忍耐にもいろいろな形があるのかなと思います。

それも全て育ってきた環境や、産まれた環境の違いからきているのかも知れませんね。