【3歳馬情報】リバティアイランドの妹マディソンガールが仕切り直しの一戦へ

来週はオークス、再来週はダービー。3歳クラシック路線はいよいよクライマックスを迎える。その裏では夏、そして秋に向け飛躍を狙う素質馬たちが出走する。今週も厩舎育ちのPOG好き、数多くの名馬をPOGで指名した達人・山田乗男が紹介していこう。

◆5月17日

●あずさ賞(1勝クラス)・京都芝2000m

レッドイステル(牡、エピファネイア×ダーヌビウス、栗東・友道厩舎)
デビュー戦の2着も好内容だが、叩き2戦目の前走は大きく上昇。中団から抜けだすと、最後は抑える余裕の楽勝。阪神芝1800m1分46秒3の勝ちタイムも上々だ。まだまだ上を目指せる器で、1勝クラスは通過点にしたい。鞍上は坂井騎手の予定。

マディソンガール(牝、キズナ×ヤンキーローズ、栗東・中内田厩舎)
名牝リバティアイランドの妹。上り3F11秒1-11秒1-10秒9とハイラップを記録した新馬戦を快勝。この内容からクイーンCでは1番人気に支持されたが、6着に終わっている。その後は立て直され、矢車賞を目標も万全を期して2週伸ばし、当レースで復帰予定。能力を出し切れば、1勝クラスでは力が違う。鞍上は川田騎手の予定。

●1勝クラス・東京芝2400m

エデルクローネ(牡、フィエールマン×コロナシオン、美浦・手塚厩舎)
2戦目に勝ち上がり、昇級後も若竹賞、水仙賞ともに2着と好走。「祖母にブエナビスタがいる血統。ゲートは得意ではなく、後方からの追い込み脚質。抜群に切れる瞬発力はないが、確実に脚を使える持久力はある。父同様のステイヤータイプで、距離延長は大歓迎」と記者の話。父は菊花賞を制したフィエールマン。本馬も長距離戦を勝利し、秋の菊花賞へ繋げていきたい。

ウインスティーガ(牡、ウインブライト×コスモチェーロ、美浦・手塚厩舎)
デビュー3戦目の前走で初勝利。2番手追走から、直線もしぶとく脚を使って粘り込み。2着ヤマニンエイドロンとは0・1秒差だが、3着には1・1秒、4着には1・8秒の差をつけ、2着馬は次走で勝ち上がっている。前走から2Fの距離延長となるが、姉のウインマリリンは香港ヴァーズ1着、オークス2着と2400mで活躍しており、寧ろ好材料か。鞍上はレーン騎手の予定。

●未勝利・東京芝1400m

アルガムベイ(牡、モーリス×ミリッサ、美浦・鹿戸厩舎)
デビューから3戦し3、4、4着と常に上位入線。特に2走前は勝ち馬に0・1秒差まで詰めている。ここまではマイル戦を走っていたが、今回は1400m戦。操縦性に難しいところもあるので、距離短縮はポジティヴに考えたい。鞍上は北村宏騎手の予定。

●未勝利・新潟芝1800m

ブドワールドール(牝、オルフェーヴル×プペフラッシュ、美浦・西田厩舎)
昨年12月の中山マイル戦でデビューし2着。3か月間隔を開けて臨んだ同コースの未勝利戦は1番人気に支持されたが、道悪に泣き、結果は勝ち馬から2・6秒も離された6着。初戦の内容から、良馬場なら好勝負になる。鞍上は戸崎騎手の予定。

●未勝利(牝馬限定)・新潟ダート1800m

スルーザナイト(牝、リアルインパクト×マイティースルー、栗東・西園翔厩舎)
スルーセブンシーズ(凱旋門賞4着など)を含め、兄姉にオープン馬が3頭いる良血馬。芝の2戦は掲示板外だったが、ダートに変えた4戦は全て掲示板内。2走前は2着と初めて馬券圏内に入り、前走も勝ち馬から0・5秒差の4着と安定している。好位で競馬ができるので、新潟のコースもプラスに働きそうだ。鞍上は北村友騎手の予定。

◆5月18日

●1勝クラス(牝馬限定)・東京ダート1600m

パースウェイド(牝、ナダル×スアデラ、美浦・中舘厩舎)
昨年夏の東京ダート1400m新馬戦でデビューし、先日のユニコーンSで2着だったクレーキングの2着。続く秋の中山ダート1800m未勝利戦は2着に3馬身半差をつける快勝で、上のクラスでも期待されたが、故障で休養。当レースが復帰戦の予定だ。仕上がりも良さそうで、いきなり好走を期待したい。鞍上はレーン騎手の予定。

●未勝利・東京芝2400m

ビリングス(牡、フィエールマン×トレジャーステイト、美浦・手塚厩舎)
ここまで2戦し4,3着と好走。「半兄にピースオブエイトがいる血統。馬体には緩さが残り、走りのバランスを見ても完成は先々。奥手タイプの印象で古馬になってからが本番だと思うけど、ひとつ勝ち抜くには十分なレベル」と記者の話。新馬戦の2、3着馬は次走で勝利しており、4着だった本馬も負けられない。

ヴィジョンメーカー(牡、ルーラーシップ×タッチングスピーチ、美浦・林厩舎)
昨年7月の福島・新馬戦で2着。2戦目は10月の東京開催を予定していたが、脚部不安で休養。その不安も解消し、当レースが待望の復帰戦となる。

「母はローズSの勝ち馬。長期ブランク明けでさすがに帰厩当初は重め残りだったが、丹念に乗り込まれて徐々に良化。一度叩けば更に良くなるのは間違いないが、今の時期の未勝利クラスなら力量が一枚上」と記者の話。長期休養明けでも、いきなり好勝負が期待できそうだ。

◆2歳新規入厩

ハムタン(牡、エピファネイア×カレンブーケドール、栗東・武幸厩舎)
母は2勝(ジャパンC2着)。セレクトセール3億4100万円(税込)

サガルマータ(牡、コントレイル×コンヴィクション2、栗東・福永厩舎)
母はアルゼンチンGⅠ勝ち馬。セレクトセール5億7200万円(税込)

ビーチェマーレ(牡、ロードカナロア×ドリームアンドドゥ、栗東・友道厩舎)
母はフランス1000ギニー勝ち馬。セレクトセール1億8700万円(税込)

アルガルヴェ(牝、インディチャンプ×ロカ、美浦・木村厩舎)
姉レガレイラ(現3勝、有馬記念など)、兄ドゥラドーレス(現5勝、菊花賞4着)

シーギリヤロック(牡、リオンディーズ×リラヴァティ、美浦・田中博厩舎)
母は5勝(マーメイドS)。姉ストゥーティ(チューリップ賞3着)、兄ワールズエンド(現3勝)、おばシンハライト(オークスなど)

※現役馬の成績は5月9日現在