日曜京都11R
秋華賞(GⅠ)
芝2000m
勝ちタイム1.58.4
勝ち馬：アパパネ(牝3 美浦・国枝厩舎)

アパパネ 完全制覇、3冠に輝く偉業達成！！

仁川、府中、そして淀と3つの競馬場での、距離もそれぞれ大きく異なる3つのクラシックレース。メジロラモーヌ、スティルインラヴに続く3頭めの牝馬3冠馬にアパパネが燦然と輝いた。この日の場内では、相変わらず金子オーナーのあの勝負服をデサインしたシャツを着た若者が目立つ。けっこうな人手である。ビッシリとスタンドを埋め尽くす大勢の観客のその目の前でのゲートイン。最初にアパパネからゲート入り。各馬も問題なく入って、そしてゲートが開いた…。

アプリコットフィズが、内でけっこういいスタートを決めた。その隣りのサンテミリオンが出遅れたが、アパパネも好発で前に出ている。
1周目のゴール板あたりでは、今日はやはり行く気でアグネスワルツが先頭に出て行く。内ベストクルーズ、オウケンサクラと前へ続く。
1コーナーを回って2コーナーを過ぎ、向こう正面に入ったあたりでは、先頭アグネスワルツが少し後ろを離し気味の先行である。2番手ベストクルーズには6、7馬身の差をつけての逃げである。その後ろにオウケンサクラ、内めにはアプリコットフィズ。ショウリュウムーンもいる。その外めにはディアアレトゥーサ、少し後ろにアパパネ。『え！、アパパネはここまで下げているのか』と驚く。きっと前、先頭がかなり飛ばしているのだろう。

場内の放送が『1000メートル通過が58.で行きます』と聞こえた。やはりけっこう流れている。
そして3コーナーから坂を緩やかに下っていく。少しアグネスワルツのリードが縮まってきて、2番手以下の馬群がだいぶ接近しだす。
その集団の外めをディアアレトゥーサがスーッと上がり気味で行き、後ろのアパパネも動く。その内にアプリコットフィズも見える。
4コーナーのカーヴへと向かう。大きく外へ広がる感じで直線へ入ろうとしている。その一番外へアパパネが上がって来ている。

直線に入り、真っ直ぐ馬の動きが見える。アグネスワルツと外ベストクルーズの隙間が開いた。アプリコットフィズが出てくるのが見えたが、外のアパパネがもう前へと出てしまっている様にも見える。『凄い、速い、一瞬に出てくる！』と感嘆。
その後ろから、黄色い帽子に青い服のアニメイトバイオも勢いづいて前を追いかけてくる。もう残り1ハロンもないぐらいだ。
完全にアパパネが先頭となってゴールを目指しており、それを上回る勢いの馬はいない。内アプリコットフィズが粘ろうとしているが、外アニメイトバイオの脚がいい。その直後をワイルドラズベリーが接近してくる。そこがゴールであった。
アパパネの鞍上蛯名Jの左手が、真一文字に横に出された。完全制覇である。

検量室の前の枠場、いちばん左側、そう1着のところに国枝師が立って馬の帰りを待っている。思わず『先生、おめでとう』と口に出ている。
アプリコットフィズの枠場に近づく。『いや、よく頑張った』と小島太師が馬をねぎらっている。武豊Jも『スタート前が異様に落ち着いていたよ』と言っている。
気が付くと金子オーナーが、国枝師の傍で愛馬を見守っている。凄い人だ。ディープインパクトで牡馬の3冠で、アパパネで牝馬3冠。それもキングカメハメハの子供である。何と世界一、いや日本一馬を知っている人なんだろうかと。

そして蛯名Jだ。武豊Jと同い年、今、世界でいちばん有名な日本ジョッキーであろう。考えてみれば1着アパパネ、2着アニメイトバイオ、3着アプリコットフィズ。全部関東馬である。それも栗東へ来ていた馬ばかりだ。
すっかり関東勢が息を吹き返した感のある東西勢力図。ジョッキーも近々、横山典Jの復活もありそうだし、ますます脅威となる関東の勢いである。
でも来週の菊花賞。ここは譲れんぞ・・・と思った瞬間だ。