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平林雅芳 2歳観戦記(10/16.17)
2010/10/19(火)
土曜京都5R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.10.3
勝ち馬:ワイズリー(牡2、栗東・松元茂厩舎)
朝から芝の2歳戦が3鞍、どれも直線では外からの馬が伸びて勝っている。たまたまなのだろうが、気になるデータではある。ここも外から手綱を押すだけの動作で勝ったのがワイズリー。逃げて直線で抜け出したエヴァンブルーを、ゴール少し前で交わしての勝利。これで福永Jの今年2歳新馬戦での勝利は14勝目。凄い数の馬をデビュー勝ちさせている。2歳未勝利戦や特別での勝ち鞍を加えれば、2歳馬の勝利度数は他の追随を許さないもの。今年いちばん2歳馬で勝っているジョッキーである福永Jが導いてのゴールが、ワイズリーの初陣でした。
スタートからずーっと先頭を走ったエヴァンブルーのペースは、前半3ハロンが36.2と、この距離にしてはかなりゆったりしたもの。引き付けた逃げとなって、直線の残り1ハロンあたりでは、何とか押し切ったかと思えたものだ。4コーナーで、4頭の外めを上がって来ていたワイズリーが、直線もそのまま伸びて来て、ただ1頭だけエヴァンブルーに襲いかかった馬。
必死で粘るエヴァンブルーがステッキで叩いているのに、追う立場のワイズリーの福永Jは手綱を押しているだけの仕草。それだけ余裕があったという事だろう。
ビデオで何度も振り返って観てみると、前半に少し行きたがっているところを見せていたワイズリー。少し行ったあたりでは折り合いもつき、大丈夫な行きっぷりとなる。何せ、平均より遅いぐらいのペースだけに、そうなったのかも。
4コーナーで大外4頭のもうひとつ1頭分ぐらい外へ開けたところを上がって来ている。そして追い出しての直線では、残り1ハロンからの伸び脚が凄かった。
直線半ばでは左ステッキをかなり入れていたが、加速がついたゴール少し前あたりでは、もう手綱を押す程度の流し気味でもあった。
3着は好位4番手と絶好の位置にいたリトルエデンと、直線で追い上げてきたナンヨーサフラウアがよく伸びて同着となった。
5着には1番人気のシルダリアで、これはかなり行きたがる前半であり、4コーナーまで折り合っていないレースぶりでもあった。この遅い流れでスムーズさを欠いてしまったのだろう。次走スムーズなスタートと道中の行きっぷりを確保できれば、大きく変わってくるものだろう。
ワイズリーは、まだケイコでの絶対数がそんなに多くないもの。どちらかというと、ソフトに仕上げてのデビュー戦と思える。それでも実戦では能力をスッと出し切ってしまう。ここらが非凡な様である。
土曜京都11R
デイリー杯2歳S(GⅡ)
芝1600m
勝ちタイム1.33.6
勝ち馬:レーヴディソール(牝2、栗東・松田博厩舎)
ただ1頭の牝馬ながら、まったく落ち着いているレーヴディソール。返し馬での雰囲気も大人っぽい。抜けた1番人気に支持されたが、それに応えるように、直線では大外をそれこそステッキを使わないほどの余裕の手綱さばき。自信と共にゴールを駆け抜けた。今年の2歳馬をよく知っている福永J。他馬を寄せ付けない勝ちっぷりであった。
ゲートが開いて、そんなに各馬は悪くないスタートと思えたが、大外の芦毛馬が置かれた。レーヴディソールだ。そしてすぐ内へと持って行ったのが見えた。エイシンオスマンが、いちばんのスタートは速かった様子。
1ハロンも行かないうちに、外からクリーンエコロジーが前へと出て行く。2番手エイシンオスマンと思っていると、3コーナーに入るあたりで今度はグランプリボスが2番手へと上がってきた。内ではメイショウナルトがラチ沿いの好位を行く。
そしてカーヴを曲がって坂を下って行く。アドマイヤサガスとミッキーマスカットが並んで後ろだが、その後ろの外めにレーヴディソールがいる。前半1000メートルが59.0と、ちょっと速い流れになっている。
4コーナーのカーヴを回ろうかというところで、逃げるグリーンエコロジーの直ぐ後ろにはメイショウナルトが内ラチを狙っている。そして、その直後にアドマイヤサガスがいつのまにか上がって来ている。いちばん外、それも1頭分離したところには、レーヴディソールが上がって来ている。
カーヴを回って直線へ入ってくる。上手く内からメイショウナルトが抜けて先頭に踊り出てきた。馬場の中へと出したアドマイヤサガスの伸びもいい。しかし、大外のレーヴディソールの勢いが違う。
鞍上の福永Jが左ステッキーを2発入れた。そして前を行くメイショウナルトを完全に捕らえにかかる。中を伸びて来ているアドマイヤサガスと並んで伸びて行くが、勢いがまったく違う。ゴールが近づくにつれ、レーヴディソールを福永Jは流している感じである。
アドマイヤサガスが2番手に上がって、メイショウナルトが3着。レース後半の3ハロンのラップが11.5~11.6~11.5である。その最後の1ハロンのうち半分ぐらいを流し気味でゴールしていたといっても過言でないレーヴディソールの脚。
牝馬である。道中の前半の位置とかを考えても、かなり長い脚を使っての、この直線の切れと持続性だ。札幌でデビューした中でもかなりのレベルとは聞いていたが、想像以上であった。
アドマイヤサガスも、坂路で好ケイコの通りの内容であった。またメイショウナルトも、坂の下りから4コーナーもインをつき、完璧な競馬で一瞬は勝負あったかと思えたぐらい。それでいて3着となった様に、前の2頭が完全に上だった内容である。
日曜の検量室前で、ちょっとゆったりとしていた福永Jに聞いたものである。『今年数多く勝っている新馬戦や2歳戦。その中での感想は』と。答えは、『牝馬にいいのがいるね』であった。
毎年特徴があるのだけれども、今年は特に牝馬の当たり年ではないかと思えるぐらいと言う。いちばん最初に勝ったアヴェンチュラとレーヴディソールは、自分の中でも双璧だと言っていた。いちばん2歳馬を知っている男が語る言葉、よく耳に入れておきたいと思えたものだ。
日曜京都3R
2歳新馬
ダ1800m
勝ちタイム1.57.8
勝ち馬:スクウェルチャー(牡2、栗東・中竹厩舎)
新馬戦は、ケイコでいくら動いていても、いざ実戦でそれが出せるかが問題。実戦で能力を出し切れるにかかっている。そして、最近の新馬戦はマイルより距離が長いともう決って上がり勝負。それこそが、持てる能力を出し切れるか否かがいちばん難しい流れ。このスクウェルチャーは、蛯名Jが直線で二度ほど後ろを振り向くほどの手応え。着差以上の大楽勝であった。
まずはスタートが肝心となる。そこも簡単にクリアして出て行くスクウェルチャー。外からテーヴァローカが、中からマイネルソラーナが出てくるが、先頭はスッと内のスクウェルチャーが取った。
最初のカーブを回り、2コーナー過ぎまではそんなに遅くは感じなかったが、向こう正面に入ると極端に遅くなった感じだ。後でラップをみると、前半の3ハロンめと4ハロンめが14秒も、後半のラップだ。そしてそこからの残り1000メートルが一気に速くなった。間髪を入れずに12秒9のラップを二度刻み、上がり3ハロンが12.2~12.1~12.3と、超切れ味勝負になっては後続には苦しい流れ。
いちばん接近したのは4コーナーのカーヴの手前あたりか。直線は少し外めに出して回って入ってきた。そして馬なりの手応えである。
残り300メートル付近と、さらにその後でもう一度後ろを振り返って確認する蛯名Jなんて、あまり観た事はないもの。
最後は追ってもいないから、2馬身半の差となってはいるが、本当なら大差という着差になっていたのではなかろうか。
2着はディープインパクト産駒のボレアスが入った。この馬は、道中は最初好位にいたのだが、向こう正面で少し位置が悪くなって下がってしまい、4コーナーで4番手ぐらいの位置で直線を迎えたもの。バテるテーヴァローカを交わし、粘るミヤジメーテルをクビ差捕らえての2着であった。
エーピーインディの子供スワーヴを父に持つスクウェルチャー。ケイコでも抜群の切れを見せていた。それをそのまま実戦で発揮できるのがえらい。タイムは前半1000メートルが1.08.3と、いつもどおりにスローな流れ。でも上がりが36.6と凄い数字。この馬のダート適性はいやという程に判った。あとは芝でどんなものかが興味津々といったところ。ワンサイドゲームのレースでありました。
日曜京都4R
2歳新馬
芝1600m
勝ちタイム1.36.9
勝ち馬:ケイティーズジェム(牝2、栗東・藤原英厩舎)
パドックで馬を見ていて、アンクレットとこのケイティーズジェムの小ささを感じていた。両馬ともに424キロ。馬場入りする時は、そうも感じさせないフットワークを見せて返し馬に入って行ったが。その1番人気のケイティーズジェムが危なげないレースぶりで勝ち上がったのだが、これで福永Jの今年の新馬勝ちが15頭め。これは凄い数である。
最後の3ハロンが11.9~11.1~11.1である。特にゴールへ近づくふたつの11.1が凄い数字だ。そこを、最初はステッキを使っていたが、ゴール前はもう抑え気味だったケイティーズジェムの瞬発力である。
レースは好発をしたケイティーズジェム。外からハーイスマイルが前に出るあたりは少し行きたがるところを見せていたが、あとはスムーズな2番手で折り合う。
3番手にプリティアクィーンが外に来て、前は前半1000メートルが1.02.8と、ここもゆったりな流れ。2番人気の、同じディープ産駒ハーキュリーズが出遅れてしまい、最後方からのレースとなっている。4番手にアンクレット。その直後にサダムパテックが内ラチ沿いを進む展開だ。
3コーナーを過ぎて4コーナー手前あたりで、外からハーキュリーズが押し上げてきたぐらいで、後は大体同じ位置取り。直線へ入る時には、ケイティーズジェムは逃げるハーイスマイルの外へ出して持ったままの手応え。
そして残り2ハロンあたりから前へ出て、最後の1ハロンぐらいで福永Jの左ステッキが飛んだのである。
完全に上がり勝負となったこのレース。そこを問題なく切れを出しての勝ちとなったケイティーズジェム。楽しみな馬の初陣勝ちである。
2着にはサダムパテック。アンクレットの後ろを位置していて、直線ではその外へ並びかけてそのまま勢いづいて、前ケイティーズジェムにもっとも近づいた馬である。
ハーキュリーズがメンバー中いちばんの脚だったようだが、この馬の方が競馬に参加している。ほとんどが前々での決着の中で、光る末脚であった。
ケイティーズジェムの福永Jは、今年の新馬戦で15鞍の勝ち星を挙げ、他にも2歳未勝利戦に特別勝ちとか数えると、凄い2歳戦の勝利である。今年いちばん2歳馬を知っているジョッキーである。
今後、これからその馬たちが重なってくるわけで、彼が選ぶ馬が注目となる訳である。
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.10.3
勝ち馬:ワイズリー(牡2、栗東・松元茂厩舎)
朝から芝の2歳戦が3鞍、どれも直線では外からの馬が伸びて勝っている。たまたまなのだろうが、気になるデータではある。ここも外から手綱を押すだけの動作で勝ったのがワイズリー。逃げて直線で抜け出したエヴァンブルーを、ゴール少し前で交わしての勝利。これで福永Jの今年2歳新馬戦での勝利は14勝目。凄い数の馬をデビュー勝ちさせている。2歳未勝利戦や特別での勝ち鞍を加えれば、2歳馬の勝利度数は他の追随を許さないもの。今年いちばん2歳馬で勝っているジョッキーである福永Jが導いてのゴールが、ワイズリーの初陣でした。
スタートからずーっと先頭を走ったエヴァンブルーのペースは、前半3ハロンが36.2と、この距離にしてはかなりゆったりしたもの。引き付けた逃げとなって、直線の残り1ハロンあたりでは、何とか押し切ったかと思えたものだ。4コーナーで、4頭の外めを上がって来ていたワイズリーが、直線もそのまま伸びて来て、ただ1頭だけエヴァンブルーに襲いかかった馬。
必死で粘るエヴァンブルーがステッキで叩いているのに、追う立場のワイズリーの福永Jは手綱を押しているだけの仕草。それだけ余裕があったという事だろう。
ビデオで何度も振り返って観てみると、前半に少し行きたがっているところを見せていたワイズリー。少し行ったあたりでは折り合いもつき、大丈夫な行きっぷりとなる。何せ、平均より遅いぐらいのペースだけに、そうなったのかも。
4コーナーで大外4頭のもうひとつ1頭分ぐらい外へ開けたところを上がって来ている。そして追い出しての直線では、残り1ハロンからの伸び脚が凄かった。
直線半ばでは左ステッキをかなり入れていたが、加速がついたゴール少し前あたりでは、もう手綱を押す程度の流し気味でもあった。
3着は好位4番手と絶好の位置にいたリトルエデンと、直線で追い上げてきたナンヨーサフラウアがよく伸びて同着となった。
5着には1番人気のシルダリアで、これはかなり行きたがる前半であり、4コーナーまで折り合っていないレースぶりでもあった。この遅い流れでスムーズさを欠いてしまったのだろう。次走スムーズなスタートと道中の行きっぷりを確保できれば、大きく変わってくるものだろう。
ワイズリーは、まだケイコでの絶対数がそんなに多くないもの。どちらかというと、ソフトに仕上げてのデビュー戦と思える。それでも実戦では能力をスッと出し切ってしまう。ここらが非凡な様である。
土曜京都11R
デイリー杯2歳S(GⅡ)
芝1600m
勝ちタイム1.33.6
勝ち馬:レーヴディソール(牝2、栗東・松田博厩舎)
ただ1頭の牝馬ながら、まったく落ち着いているレーヴディソール。返し馬での雰囲気も大人っぽい。抜けた1番人気に支持されたが、それに応えるように、直線では大外をそれこそステッキを使わないほどの余裕の手綱さばき。自信と共にゴールを駆け抜けた。今年の2歳馬をよく知っている福永J。他馬を寄せ付けない勝ちっぷりであった。
ゲートが開いて、そんなに各馬は悪くないスタートと思えたが、大外の芦毛馬が置かれた。レーヴディソールだ。そしてすぐ内へと持って行ったのが見えた。エイシンオスマンが、いちばんのスタートは速かった様子。
1ハロンも行かないうちに、外からクリーンエコロジーが前へと出て行く。2番手エイシンオスマンと思っていると、3コーナーに入るあたりで今度はグランプリボスが2番手へと上がってきた。内ではメイショウナルトがラチ沿いの好位を行く。
そしてカーヴを曲がって坂を下って行く。アドマイヤサガスとミッキーマスカットが並んで後ろだが、その後ろの外めにレーヴディソールがいる。前半1000メートルが59.0と、ちょっと速い流れになっている。
4コーナーのカーヴを回ろうかというところで、逃げるグリーンエコロジーの直ぐ後ろにはメイショウナルトが内ラチを狙っている。そして、その直後にアドマイヤサガスがいつのまにか上がって来ている。いちばん外、それも1頭分離したところには、レーヴディソールが上がって来ている。
カーヴを回って直線へ入ってくる。上手く内からメイショウナルトが抜けて先頭に踊り出てきた。馬場の中へと出したアドマイヤサガスの伸びもいい。しかし、大外のレーヴディソールの勢いが違う。
鞍上の福永Jが左ステッキーを2発入れた。そして前を行くメイショウナルトを完全に捕らえにかかる。中を伸びて来ているアドマイヤサガスと並んで伸びて行くが、勢いがまったく違う。ゴールが近づくにつれ、レーヴディソールを福永Jは流している感じである。
アドマイヤサガスが2番手に上がって、メイショウナルトが3着。レース後半の3ハロンのラップが11.5~11.6~11.5である。その最後の1ハロンのうち半分ぐらいを流し気味でゴールしていたといっても過言でないレーヴディソールの脚。
牝馬である。道中の前半の位置とかを考えても、かなり長い脚を使っての、この直線の切れと持続性だ。札幌でデビューした中でもかなりのレベルとは聞いていたが、想像以上であった。
アドマイヤサガスも、坂路で好ケイコの通りの内容であった。またメイショウナルトも、坂の下りから4コーナーもインをつき、完璧な競馬で一瞬は勝負あったかと思えたぐらい。それでいて3着となった様に、前の2頭が完全に上だった内容である。
日曜の検量室前で、ちょっとゆったりとしていた福永Jに聞いたものである。『今年数多く勝っている新馬戦や2歳戦。その中での感想は』と。答えは、『牝馬にいいのがいるね』であった。
毎年特徴があるのだけれども、今年は特に牝馬の当たり年ではないかと思えるぐらいと言う。いちばん最初に勝ったアヴェンチュラとレーヴディソールは、自分の中でも双璧だと言っていた。いちばん2歳馬を知っている男が語る言葉、よく耳に入れておきたいと思えたものだ。
日曜京都3R
2歳新馬
ダ1800m
勝ちタイム1.57.8
勝ち馬:スクウェルチャー(牡2、栗東・中竹厩舎)
新馬戦は、ケイコでいくら動いていても、いざ実戦でそれが出せるかが問題。実戦で能力を出し切れるにかかっている。そして、最近の新馬戦はマイルより距離が長いともう決って上がり勝負。それこそが、持てる能力を出し切れるか否かがいちばん難しい流れ。このスクウェルチャーは、蛯名Jが直線で二度ほど後ろを振り向くほどの手応え。着差以上の大楽勝であった。
まずはスタートが肝心となる。そこも簡単にクリアして出て行くスクウェルチャー。外からテーヴァローカが、中からマイネルソラーナが出てくるが、先頭はスッと内のスクウェルチャーが取った。
最初のカーブを回り、2コーナー過ぎまではそんなに遅くは感じなかったが、向こう正面に入ると極端に遅くなった感じだ。後でラップをみると、前半の3ハロンめと4ハロンめが14秒も、後半のラップだ。そしてそこからの残り1000メートルが一気に速くなった。間髪を入れずに12秒9のラップを二度刻み、上がり3ハロンが12.2~12.1~12.3と、超切れ味勝負になっては後続には苦しい流れ。
いちばん接近したのは4コーナーのカーヴの手前あたりか。直線は少し外めに出して回って入ってきた。そして馬なりの手応えである。
残り300メートル付近と、さらにその後でもう一度後ろを振り返って確認する蛯名Jなんて、あまり観た事はないもの。
最後は追ってもいないから、2馬身半の差となってはいるが、本当なら大差という着差になっていたのではなかろうか。
2着はディープインパクト産駒のボレアスが入った。この馬は、道中は最初好位にいたのだが、向こう正面で少し位置が悪くなって下がってしまい、4コーナーで4番手ぐらいの位置で直線を迎えたもの。バテるテーヴァローカを交わし、粘るミヤジメーテルをクビ差捕らえての2着であった。
エーピーインディの子供スワーヴを父に持つスクウェルチャー。ケイコでも抜群の切れを見せていた。それをそのまま実戦で発揮できるのがえらい。タイムは前半1000メートルが1.08.3と、いつもどおりにスローな流れ。でも上がりが36.6と凄い数字。この馬のダート適性はいやという程に判った。あとは芝でどんなものかが興味津々といったところ。ワンサイドゲームのレースでありました。
日曜京都4R
2歳新馬
芝1600m
勝ちタイム1.36.9
勝ち馬:ケイティーズジェム(牝2、栗東・藤原英厩舎)
パドックで馬を見ていて、アンクレットとこのケイティーズジェムの小ささを感じていた。両馬ともに424キロ。馬場入りする時は、そうも感じさせないフットワークを見せて返し馬に入って行ったが。その1番人気のケイティーズジェムが危なげないレースぶりで勝ち上がったのだが、これで福永Jの今年の新馬勝ちが15頭め。これは凄い数である。
最後の3ハロンが11.9~11.1~11.1である。特にゴールへ近づくふたつの11.1が凄い数字だ。そこを、最初はステッキを使っていたが、ゴール前はもう抑え気味だったケイティーズジェムの瞬発力である。
レースは好発をしたケイティーズジェム。外からハーイスマイルが前に出るあたりは少し行きたがるところを見せていたが、あとはスムーズな2番手で折り合う。
3番手にプリティアクィーンが外に来て、前は前半1000メートルが1.02.8と、ここもゆったりな流れ。2番人気の、同じディープ産駒ハーキュリーズが出遅れてしまい、最後方からのレースとなっている。4番手にアンクレット。その直後にサダムパテックが内ラチ沿いを進む展開だ。
3コーナーを過ぎて4コーナー手前あたりで、外からハーキュリーズが押し上げてきたぐらいで、後は大体同じ位置取り。直線へ入る時には、ケイティーズジェムは逃げるハーイスマイルの外へ出して持ったままの手応え。
そして残り2ハロンあたりから前へ出て、最後の1ハロンぐらいで福永Jの左ステッキが飛んだのである。
完全に上がり勝負となったこのレース。そこを問題なく切れを出しての勝ちとなったケイティーズジェム。楽しみな馬の初陣勝ちである。
2着にはサダムパテック。アンクレットの後ろを位置していて、直線ではその外へ並びかけてそのまま勢いづいて、前ケイティーズジェムにもっとも近づいた馬である。
ハーキュリーズがメンバー中いちばんの脚だったようだが、この馬の方が競馬に参加している。ほとんどが前々での決着の中で、光る末脚であった。
ケイティーズジェムの福永Jは、今年の新馬戦で15鞍の勝ち星を挙げ、他にも2歳未勝利戦に特別勝ちとか数えると、凄い2歳戦の勝利である。今年いちばん2歳馬を知っているジョッキーである。
今後、これからその馬たちが重なってくるわけで、彼が選ぶ馬が注目となる訳である。
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