-菊花賞-平林雅芳の目

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日曜京都11R
菊花賞(GⅠ)
芝3000m
勝ちタイム3.06.1
勝ち馬
ビッグウィーク(牡3 栗東・長浜厩舎)

※この上ない大きな1週となったビッグウィーク。菊制覇!!

7月10日に未勝利を勝ったビッグウィーク。その後に小倉で連勝して、先の神戸新聞杯では、逃げなくとものレースが出来てはいたが、前の2頭からは3馬身差。その1頭が欠けはしたがと思えるレース前の見立てであった。
4コーナー手前からのスパートで前を行くコスモラピュタを追い上げ、残り200メートルを少し過ぎたところで交わして逃げ切りを図った。早めに出てくる最近の菊花賞の勝ちパターンで、完璧な騎乗となった川田J快心のゴールであった。
ローズキングダムは大外を追い込んできたが、ビートブラックを交わすまで。ビッグウィークには届かずの2着であった。

スタートからいちばん先に出て行ったのがビックウィークである。少し行ってからコスモラピュタが前へと出てきてカミダノミ、ビートブラックが続いて3コーナーを下って行く。
1周目の4コーナーを回って直線に入ってきた時には、ビッグウィークは3番手の内ラチ沿いである。先頭がコスモラピュタ、2番手カミダノミ、そしてビッグウィークで、その後ろにビートブラック、レーヴドリアン、そしてヒルノダムールと続く。
ゴール板あたりで場内アナウンスが『最初の1000メートルは61秒ちょうどで通過です』と告げる。ローズキングダムはと見ると、中団のやや後ろめでいい感じの追走である。前にトウカイメロディリリエンタールがいる。

馬群は1コーナー、2コーナーを回って行く。ここらで先頭のコスモラピュタが後続を離して行き、2番手カミダノミとはあっと言う間に10馬身ぐらい差がついた。3番手ビッグウィーク。
向こう正面に入ったあたりで、ビッグウィークが2番手に上がる。逃げるコスモラピュタのリードはそのまま8馬身ぐらいあろうかという3コーナーでは、2番手ビッグウィーク、3番手ビートブラックとなっている。
坂を下って4コーナーへと向かう残り600メートル地点。流れが静から動へと変わっていく。
先頭コスモラピュタのリードはまだ5、6馬身はある。2番手はビッグウィークであるが、ビートブラックが差を詰めてきた。その外にゲシュタルトが顔を出してアロマカフェ、トウカイメロディ、その外にローズキングダムも上がってきている。

カーヴを回って直線に入ってきた。逃げるコスモラピュタ、そこからまだ4馬身はあろうかビッグウィーク。ビートブラックも続く。まだローズキングダムは前との差を縮められてない。
生垣の切れ目を超えて内回りの4コーナーを過ぎたが、まだコスモラピュタの逃げは3馬身はある。追うのはビッグウィーク。そこから2馬身後ろがビートブラック。

残り200を過ぎたあたりで、やっと先頭が代わってビッグウィークが前へ出た。
粘るコスモラピュタ、その後ろビートブラックが3馬身差、ローズキングダムはまだ追いつかない。
どんどんとゴール板が近づく、ビッグウィークが押し切り濃厚である。コスモラピュタにビートブラック、やっとローズキングダムが外から伸びて来ている。しかし先頭までは無理の脚色である。

最後の3ハロンが11.8~11.9~11.9のラップである。逃げたコスモラピュタと交わしたビッグウィークが残した数字だ。ローズキングダムも、ゴール寸前の脚はかなりのトップスピードではあったが、いちばん前までは行けなかった。
ビッグウィークは、完全に前を自分で捕まえに行くぐらいの気持ち。前走の神戸新聞杯で味な競馬をしたのが効果大で、最高のレース内容となった。

今日の川田Jは、朝から実に落ち着いた競馬内容で、ユックリと追っているなという印象であった。そしていつもの追う、独特の彼のフォームと今日は違うな、皆と同じだなと思っていたもの。
でも、この菊花賞での直線2ハロンでは、やっぱりいつもの川田Jのあの追い方となっていた。ゴール板でチラッと外を見やる程度でのフィニッシュ。

9月の新馬デビュー戦で武豊Jが手綱を握ったビッグウィーク。5戦目での初勝利。夏の小倉で連勝した後の神戸新聞杯で3着、着実に力をつけていったビッグウィーク。見事、この2着続きだった淀で大きな大輪を咲かせた。
勝負服もお馴染みのウオッカ・カラーだ。

9頭出ていた1600万下在籍の馬が5着まで3頭と、まだまだ力差のない証明をしている。まだまだこれから伸びてくるはずの3歳馬たち。そんなに実力差はないものと思える。
そんな菊花賞であり、前へ行く馬が有利なのは毎度感じるものであった。