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ダノンバラードなど《平林雅芳 2歳観戦記》(10/23・24)
2010/10/26(火)
土曜京都5R
2歳新馬・牝
芝1600m
勝ちタイム1.34.6
勝ち馬:ドナウブルー(牝2、栗東・石坂厩舎)
パドックでお尻のラインの美しさに見とれる。二人引き、大人しいけどと思っていたら、馬場入りしてから返し馬に移ろうとした瞬間にうるささを出す。だからちょっと行きたがるレースぶりだったのかも知れないが完勝。直線で左ステッキは入れていたけれど、最初の数発だけで後は見せムチだったはず。弾むような脚どりでゴールを駆け抜けて勝っていった。
ゲートが開いた瞬間は、外のスサーナトウショウと中のショウナンハトバが速かったが、スッとドナウブルーが前に出る。内からエーシンマギーが出てきて、その2頭で先行して行く。少しドナウブルーの方が出ているのかだが、両馬並び気味の先行だ。3番手ショウナンハトバ、前半1000メートルで58.9だからけっこう流れていっているペースである。しかしそのままの態勢で直線まで来る。
残り300メートルあたりから追い出しにかかる福永J。ドナウブルーもすぐに反応して、一瞬の間に伸びて行く。鞍上も、もうステッキは見せているだけの動作で、ゴールを迎えた。2着は内ラチ沿いを進んでいたムーンパイロットで、ゴール前で内ラチから外へ出していい伸びを見せていた。3着は粘るエーシンマギーを、外からツカサリボンが伸びて交わして入る。5着にクリアンサス。直線半ばから終いチョロっと来ていた。
ドナウブルーは、パドックでは大人しい感じで周回していた。そんなに大きくない馬体だが、後ろが前よりも高いというか、なかなかにいいお尻が目立った。柔らかそうな感じだ。
この距離のわりにはけっこうな流れで行っていた。それでも4コーナーからは11.8から11.7となかなかの切れ。最後はもう流し気味だったのだから、もっとタイムも短縮できたに違いない。
これで福永Jの新馬勝ち、16頭め。凄い数字である、いやはや、いい2歳に乗っている。
土曜京都6R
2歳新馬
芝1400m
勝ちタイム1.23.0
勝ち馬:サンライズアバカス(牡2、栗東・音無厩舎)
本当に、この高倉Jの先行ペースは素晴らしいもの。新馬戦のこの距離で、3ハロンが36.2で1000メートル通過が1.00.4と落として行けてしまう。ゲートを出た瞬間はステッキを入れて出していっているのだから、なおさら凄いと思えるものだ。まんまと後続を自分のペースに持っていき、そのまま押し切ったもの。最後は2馬身差の楽勝であった。
ゲートが開いた瞬間は、外のサウンドボルケーノにエスケイノーブルと出ていたが、内からサンライズアバカスが鞍上のステッキで押されたのか、前へと出て行った。すぐに内からアートスポットも上がって来ての位置取りとなる。
3コーナーのカーヴに入るあたりでは、2番手にエスケイノーブルで、その後ろがアートスポットに外、サウンドボルケーノが並ぶ。
3コーナーと4コーナーの中間では、そこにシャイニーホークが加わる。しかし先頭と2番手は変わらないまま4コーナーへを回って行く。
そこから残り2ハロンを11.4~11.2としっかりと伸びて、サンライズアバカスが快勝。内めから伸びて、シャイニーホークが2着に上がる。3着がアートスポット。1番人気のウイングオブピースは、4コーナーを回る時にはサウンドボルケーノの外に並び、そのまま上がって来るのかの手応えだったのだが、いざ直線に入って追い出してからの伸びがなく5着。サウンドボルケーノをも交わせなかった。
ほとんどの行った馬が残っている流れ。サンライズアバカスが勝ったのだが、高倉Jの完勝劇だったと言っていい感じである。そして上位3頭は、内々を回ってきた馬。やはり経済コースを回るのがいいのは当然。先週は外からの差しも決っていたが、23日の競馬は内々が絶対に有利な感じを覚えたものだ。
サンライズアバカスは、坂路でも先週の53秒台が最高なぐらい。兄弟馬がけっこう勝っている血筋。デビュー戦で、そんな目一杯の仕上げとは思えないぐらいで勝っていくのだから、これからがおおいに楽しみとなるものだ
日曜京都4R
2歳新馬
ダ1200m
勝ちタイム1.12.5
勝ち馬:シゲルソウサイ(牡2、栗東・湯窪厩舎)
やはりシゲルの馬名の中でいちばんこの馬に期待しているのだろうかと思えるネーミング。坂路で51秒に50秒台。ポリトラックで78秒台で強め程度とケイコは抜群。実戦でも、最後はステッキも使わずじまい。抑え気味のゴールで、タイムも1.12.5。スピード感タップリのデビュー戦快勝であった。
下馬評は実質3頭立ての様相。シゲルソウサイに、ナムラドリーミーとラブリイステラ。ナムラドリーミーもポリトラックで77秒台。ラブリイステラは坂路で51秒台をマークである。しかしそのトライアングル模様も、ゲートでラブリイステラにハンデがついてしまった。出てから進路が狭くなったのか、外へと逃げ気味。安藤勝Jのステッキが1発入った程だ。スタートがいちばん速かったのはナムラドリーミーの方で、内を見ながら前へと出て行く。しかし内から押して出て行ったのがシゲルソウサイで、スッといちばん前へと出て行く。それにナムラドリーミーも続いて行く。その後を、リバースターリングやニューセレクトらが続く。
そんなに先手争いもなく、スムーズにシゲルソウサイが先手を取り切り、2番手にナムラドリーミーと流れも落ちつきだす。
3コーナーを回って行く。シゲルソウサイとナムラドリーミー2頭の差は1馬身ぐらいか。後方のラブリイステラは、前から5、6馬身ぐらいとだいぶ差がついてしまっている。3番手グループに少し変動があって、ヤマカツライラックが内をついて上がって来ている。前半3ハロンが36.0と、そんなに速くはない。
4コーナーに入るあたりでは、ナムラドリーミーがシゲルソウサイに並びかける様に迫って行き、後方でライブリステラも加速をつけて上がってきている。
カーヴを回って直線へと入って来たが、先に手が動き出したのがナムラドリーミー。むしろ内ラチ沿いのシゲルソウサイは逆に加速がついた様子で、ナムラドリーミーとの差を広げ出す。残り1ハロンでステッキが1発入ったが、その後は使わなかった、手綱で押して押していくが、ゴール手前50メートルぐらいからはもう押さえ気味。ナムラドリーミーに6馬身。ラブリイステラが終い伸びて来てはいたが、前に届きそうな位置ではなく、3着がやっとだった。
何せ、上がり3ハロンが速すぎる。36.5とかなり速い。それも、抑え気味でのゴールである。むしろ、2着のナムラドリーミーが、パトロールビデオで観ると直線でフラついてあまり追ってないのが見えた。3着ラブリイステラも、4コーナーで上がって来て、直線の入り口で内から出てきたフミノフェイマスに接触しそうとなって一瞬ヒルむ感じも見受けた。2着から3馬身差と前半の位置が影響していた。
シゲルソウサイの楽勝劇、コーナーリングも上手いしスピードに任せて行くといったタイプでもなさそう。かなりタイム面でも余裕がありそうなだけに、能力はまだまだありそうで、次走がもの凄く注目となってきた。
日曜京都5R
2歳新馬
芝1800m
勝ちタイム1.48.7
勝ち馬:ダノンバラード(牡2、栗東・池江郎厩舎)
パドックも人が多かった。やはりディープインパクトの子供を観に来ているのだろうか。返し馬は、その2頭が縦に並んで目の前を進む。前を行くフェアープライドの方がクビをグッと下げて見栄えはいい。しかし実戦では、ゴールをいちばん速く駆け抜けたのはダノンバラードの方で、圧倒的人気に応えての勝利。今年も伝説の新馬戦から、将来の凄い馬が出てきたのではという予感をおぼえるものだった。
スタートでフェアープライドが遅れ気味だった。ダノンバラードはと観ると、スタート自体はそう速くはないのだが、その後がやや行きたがるぐらいの勢い。内からイデアが出て行き2番手メロート、3番手タカノオーカンで、ダノンバラードは4番手に納まる。しかし2ハロンを行ったあたりで、外からタカノオーカンが前へと出て行く。2番手にメロート、イデアが3番手となるが、その後にダノンバラードだ。フェアープライドはと見ると、最後方を追走である。
3コーナーを過ぎて、先頭のタカノオーカンが、やや気合を入れながらの先行である。ダノンバラードは4、番手で前から4馬身ぐらい。
坂を下って行く。前半1000メートルが1.01.2と、ここも遅い。フェアープライドが外を少しずつ上がって来ている。
4コーナーに入る前では、いちばん馬群が凝縮してきた。前はタカノオーカンの外へメロートが並びかけ、そのすぐ後ろにダノンバラード、いちばんラチ沿いにはイデア。ダノンバラードの直後の外に3頭が並ぶ。ハンドインハンド、チカリンダ、さらに外フェアープライドである。内のイデアの後ろにはブルースビスティーも追い上げて来て、ほとんど全馬が3馬身以内にいる格好で直線へと入ってきた。
ここで3番手に上がったダノンバラード。もう前には2頭だが、ほとんど視界は全部見えるぐらいである。内を突いて、赤い帽子ブルースビスティーが巧みにいい位置まで上がっている。ハンドインハンドとフェアープライドが並んでダノンバラードの2馬身以内の後ろへと迫っている。
生垣を過ぎて内回りの4コーナーのカーヴから直線へとなるあたり、残り300メートルでダノンバラードにゴーサインが出た。
スッと前へと出て、先頭に躍り出る。残り1ハロンのあたりで、鞍上の武豊Jのステッキが1発、2発と入って差を広げ出す。
粘るメロートの外へブルースビスティーが並んで来ているが、少し内へもたれ気味で追えてない感じで、勢いだけで前へと進んでいる。その直後をハンドインハンドとタイセイジーニアスが並んで追い上げて来ているが、フェアープライドは伸びを欠いているのか、姿が見えない。
ダノンバラードは、4コーナー手前で内へと少しフラフラしているのがパトロールビデオで見える。直線でも手前を替えてばかりと武豊Jが言っていた。まだ幼さが残る仕草だろう。
いつもどおりに上がりの勝負となった新馬戦。最後の2ハロンが11.4~11.3をほとんどど強め程度でのゴール。ダノンバラードの瞬発力は素晴らしいもの。
一方のフェアープライドは、4コーナー手前で勢いづいて上がって来ている時でも1頭分外を走っている。やや外へ逃げ気味だったのかも知れぬ。
ケイコの動きや、キャンターの優雅な格好とは実戦が違うがまだ初戦、これからであろう。
毎年伝説の新馬戦となっているこのレース。果たしてここからどれだけの馬が羽ばたくのか、それぞれの将来を見てみたいものである。
日曜京都8R
かえで賞
芝1400m
勝ちタイム1.21.5
勝ち馬:ワイズリー(牡2、栗東・松元茂厩舎)
先週の新馬勝ちをしたばかりのワイズリーが、直線で一気に脚を使って集団をひと飲み。前半1000メートルを57.8とやや速い流れだったにしろ、ブービー追走の前半から使った脚は34.3。桁違いの脚を見せた。何か将来を感じさせる武器を持った馬の登場か。
ゲートでいちばん内のジンクアッシュが、ダッシュがつかない。外のエーシンジェネシスは下げた様子だ。ビットスターダムが押して出て行き、すかさずその内エクメーネも出て行く。
2ハロンを過ぎて、2番手のエクメーネがやや掛かり気味となっている。直後にサンライズポパイ、マスターグレイマンが続き、人気のスカラブレイはその間だ。
少し間が開いていた前2頭と接近して来たのが残り600メートル付近。
4コーナーの少し手前である。ここらではブービーのワイズリーも、馬群のいちばん後ろに取り付いている。1頭エーシンジェネシスだけが2馬身ぐらい離れる最後方だ。
そして4コーナーへと入って行く。4コーナーのカーヴを回る残り400メートルの地点では、もう馬群は全てが固まっている。スカラブレイは絶好位の4番手。サンライズポパイの外である。その直後の外にはスギノエンデバー、ワイズリーが外へ並んでいる。エーシンジェネシスも差はない。
カーヴを回って直線に入って来た時には、逃げたビットスターダムとエクメーネの直後にスカラブレイがいて、抜けて出てきそうな位置と手応えである。しかし馬群が固まっている。
残り300のあたりで、エーティーランボーが逃げた2頭の外から出て来て、その直後にスギノエンデバーとワイズリーが並び続く。やや内のスカラブレイの行き場がなくなっている。
残り200で、エーティーランボーが先頭に出ようとするところで、外から手足を一杯に伸ばしたワイズリーが一気に前へと出て行く。伸びがまるで違う。
スカラブレイは抜ける隙間がない。内からシゲルシャチョウがスルスルと出て前へと迫って行くが時間がない。
結局ワイズリーが、手綱を押すだけの作業でゴール板を駆け抜けていた。2着エーティーランボー、3着シゲルシャチョウ。そしてスギノエンデバーとスカラブレイと続いた。
ゲートを出た後の2ハロンめが10.9以外は、全て11秒台と平均に流れたこのレース。最後方を進んでいたエーシンジェネシスも、直線入り口では届きそうな一瞬もあったが、その後で内へもたれて万事休すだった様子。
ワイズリーは、4コーナー手前から上がっていく脚がかなり速い。逆にスカラブレイは、前半でやや隣りの馬とぶつかって頭を振ってしまうところを見せていたし、4コーナーあたりでも、まわりの馬を気にしたのか、左右に頭を降る仕草をも見せていた。またスペースがなくなる直線1ハロンで、まともにレースになってない感じ。いわゆる若さも出したし、不利な競馬を強いられて様だ。何せ、勝ったワイズリーの末脚が際立って目に付いた一戦であった。将来大きな仕事をしそうな感じのレースぶりであったのだけは、レース後に覚えたものであった。
2歳新馬・牝
芝1600m
勝ちタイム1.34.6
勝ち馬:ドナウブルー(牝2、栗東・石坂厩舎)
パドックでお尻のラインの美しさに見とれる。二人引き、大人しいけどと思っていたら、馬場入りしてから返し馬に移ろうとした瞬間にうるささを出す。だからちょっと行きたがるレースぶりだったのかも知れないが完勝。直線で左ステッキは入れていたけれど、最初の数発だけで後は見せムチだったはず。弾むような脚どりでゴールを駆け抜けて勝っていった。
ゲートが開いた瞬間は、外のスサーナトウショウと中のショウナンハトバが速かったが、スッとドナウブルーが前に出る。内からエーシンマギーが出てきて、その2頭で先行して行く。少しドナウブルーの方が出ているのかだが、両馬並び気味の先行だ。3番手ショウナンハトバ、前半1000メートルで58.9だからけっこう流れていっているペースである。しかしそのままの態勢で直線まで来る。
残り300メートルあたりから追い出しにかかる福永J。ドナウブルーもすぐに反応して、一瞬の間に伸びて行く。鞍上も、もうステッキは見せているだけの動作で、ゴールを迎えた。2着は内ラチ沿いを進んでいたムーンパイロットで、ゴール前で内ラチから外へ出していい伸びを見せていた。3着は粘るエーシンマギーを、外からツカサリボンが伸びて交わして入る。5着にクリアンサス。直線半ばから終いチョロっと来ていた。
ドナウブルーは、パドックでは大人しい感じで周回していた。そんなに大きくない馬体だが、後ろが前よりも高いというか、なかなかにいいお尻が目立った。柔らかそうな感じだ。
この距離のわりにはけっこうな流れで行っていた。それでも4コーナーからは11.8から11.7となかなかの切れ。最後はもう流し気味だったのだから、もっとタイムも短縮できたに違いない。
これで福永Jの新馬勝ち、16頭め。凄い数字である、いやはや、いい2歳に乗っている。
土曜京都6R
2歳新馬
芝1400m
勝ちタイム1.23.0
勝ち馬:サンライズアバカス(牡2、栗東・音無厩舎)
本当に、この高倉Jの先行ペースは素晴らしいもの。新馬戦のこの距離で、3ハロンが36.2で1000メートル通過が1.00.4と落として行けてしまう。ゲートを出た瞬間はステッキを入れて出していっているのだから、なおさら凄いと思えるものだ。まんまと後続を自分のペースに持っていき、そのまま押し切ったもの。最後は2馬身差の楽勝であった。
ゲートが開いた瞬間は、外のサウンドボルケーノにエスケイノーブルと出ていたが、内からサンライズアバカスが鞍上のステッキで押されたのか、前へと出て行った。すぐに内からアートスポットも上がって来ての位置取りとなる。
3コーナーのカーヴに入るあたりでは、2番手にエスケイノーブルで、その後ろがアートスポットに外、サウンドボルケーノが並ぶ。
3コーナーと4コーナーの中間では、そこにシャイニーホークが加わる。しかし先頭と2番手は変わらないまま4コーナーへを回って行く。
そこから残り2ハロンを11.4~11.2としっかりと伸びて、サンライズアバカスが快勝。内めから伸びて、シャイニーホークが2着に上がる。3着がアートスポット。1番人気のウイングオブピースは、4コーナーを回る時にはサウンドボルケーノの外に並び、そのまま上がって来るのかの手応えだったのだが、いざ直線に入って追い出してからの伸びがなく5着。サウンドボルケーノをも交わせなかった。
ほとんどの行った馬が残っている流れ。サンライズアバカスが勝ったのだが、高倉Jの完勝劇だったと言っていい感じである。そして上位3頭は、内々を回ってきた馬。やはり経済コースを回るのがいいのは当然。先週は外からの差しも決っていたが、23日の競馬は内々が絶対に有利な感じを覚えたものだ。
サンライズアバカスは、坂路でも先週の53秒台が最高なぐらい。兄弟馬がけっこう勝っている血筋。デビュー戦で、そんな目一杯の仕上げとは思えないぐらいで勝っていくのだから、これからがおおいに楽しみとなるものだ
日曜京都4R
2歳新馬
ダ1200m
勝ちタイム1.12.5
勝ち馬:シゲルソウサイ(牡2、栗東・湯窪厩舎)
やはりシゲルの馬名の中でいちばんこの馬に期待しているのだろうかと思えるネーミング。坂路で51秒に50秒台。ポリトラックで78秒台で強め程度とケイコは抜群。実戦でも、最後はステッキも使わずじまい。抑え気味のゴールで、タイムも1.12.5。スピード感タップリのデビュー戦快勝であった。
下馬評は実質3頭立ての様相。シゲルソウサイに、ナムラドリーミーとラブリイステラ。ナムラドリーミーもポリトラックで77秒台。ラブリイステラは坂路で51秒台をマークである。しかしそのトライアングル模様も、ゲートでラブリイステラにハンデがついてしまった。出てから進路が狭くなったのか、外へと逃げ気味。安藤勝Jのステッキが1発入った程だ。スタートがいちばん速かったのはナムラドリーミーの方で、内を見ながら前へと出て行く。しかし内から押して出て行ったのがシゲルソウサイで、スッといちばん前へと出て行く。それにナムラドリーミーも続いて行く。その後を、リバースターリングやニューセレクトらが続く。
そんなに先手争いもなく、スムーズにシゲルソウサイが先手を取り切り、2番手にナムラドリーミーと流れも落ちつきだす。
3コーナーを回って行く。シゲルソウサイとナムラドリーミー2頭の差は1馬身ぐらいか。後方のラブリイステラは、前から5、6馬身ぐらいとだいぶ差がついてしまっている。3番手グループに少し変動があって、ヤマカツライラックが内をついて上がって来ている。前半3ハロンが36.0と、そんなに速くはない。
4コーナーに入るあたりでは、ナムラドリーミーがシゲルソウサイに並びかける様に迫って行き、後方でライブリステラも加速をつけて上がってきている。
カーヴを回って直線へと入って来たが、先に手が動き出したのがナムラドリーミー。むしろ内ラチ沿いのシゲルソウサイは逆に加速がついた様子で、ナムラドリーミーとの差を広げ出す。残り1ハロンでステッキが1発入ったが、その後は使わなかった、手綱で押して押していくが、ゴール手前50メートルぐらいからはもう押さえ気味。ナムラドリーミーに6馬身。ラブリイステラが終い伸びて来てはいたが、前に届きそうな位置ではなく、3着がやっとだった。
何せ、上がり3ハロンが速すぎる。36.5とかなり速い。それも、抑え気味でのゴールである。むしろ、2着のナムラドリーミーが、パトロールビデオで観ると直線でフラついてあまり追ってないのが見えた。3着ラブリイステラも、4コーナーで上がって来て、直線の入り口で内から出てきたフミノフェイマスに接触しそうとなって一瞬ヒルむ感じも見受けた。2着から3馬身差と前半の位置が影響していた。
シゲルソウサイの楽勝劇、コーナーリングも上手いしスピードに任せて行くといったタイプでもなさそう。かなりタイム面でも余裕がありそうなだけに、能力はまだまだありそうで、次走がもの凄く注目となってきた。
日曜京都5R
2歳新馬
芝1800m
勝ちタイム1.48.7
勝ち馬:ダノンバラード(牡2、栗東・池江郎厩舎)
パドックも人が多かった。やはりディープインパクトの子供を観に来ているのだろうか。返し馬は、その2頭が縦に並んで目の前を進む。前を行くフェアープライドの方がクビをグッと下げて見栄えはいい。しかし実戦では、ゴールをいちばん速く駆け抜けたのはダノンバラードの方で、圧倒的人気に応えての勝利。今年も伝説の新馬戦から、将来の凄い馬が出てきたのではという予感をおぼえるものだった。
スタートでフェアープライドが遅れ気味だった。ダノンバラードはと観ると、スタート自体はそう速くはないのだが、その後がやや行きたがるぐらいの勢い。内からイデアが出て行き2番手メロート、3番手タカノオーカンで、ダノンバラードは4番手に納まる。しかし2ハロンを行ったあたりで、外からタカノオーカンが前へと出て行く。2番手にメロート、イデアが3番手となるが、その後にダノンバラードだ。フェアープライドはと見ると、最後方を追走である。
3コーナーを過ぎて、先頭のタカノオーカンが、やや気合を入れながらの先行である。ダノンバラードは4、番手で前から4馬身ぐらい。
坂を下って行く。前半1000メートルが1.01.2と、ここも遅い。フェアープライドが外を少しずつ上がって来ている。
4コーナーに入る前では、いちばん馬群が凝縮してきた。前はタカノオーカンの外へメロートが並びかけ、そのすぐ後ろにダノンバラード、いちばんラチ沿いにはイデア。ダノンバラードの直後の外に3頭が並ぶ。ハンドインハンド、チカリンダ、さらに外フェアープライドである。内のイデアの後ろにはブルースビスティーも追い上げて来て、ほとんど全馬が3馬身以内にいる格好で直線へと入ってきた。
ここで3番手に上がったダノンバラード。もう前には2頭だが、ほとんど視界は全部見えるぐらいである。内を突いて、赤い帽子ブルースビスティーが巧みにいい位置まで上がっている。ハンドインハンドとフェアープライドが並んでダノンバラードの2馬身以内の後ろへと迫っている。
生垣を過ぎて内回りの4コーナーのカーヴから直線へとなるあたり、残り300メートルでダノンバラードにゴーサインが出た。
スッと前へと出て、先頭に躍り出る。残り1ハロンのあたりで、鞍上の武豊Jのステッキが1発、2発と入って差を広げ出す。
粘るメロートの外へブルースビスティーが並んで来ているが、少し内へもたれ気味で追えてない感じで、勢いだけで前へと進んでいる。その直後をハンドインハンドとタイセイジーニアスが並んで追い上げて来ているが、フェアープライドは伸びを欠いているのか、姿が見えない。
ダノンバラードは、4コーナー手前で内へと少しフラフラしているのがパトロールビデオで見える。直線でも手前を替えてばかりと武豊Jが言っていた。まだ幼さが残る仕草だろう。
いつもどおりに上がりの勝負となった新馬戦。最後の2ハロンが11.4~11.3をほとんどど強め程度でのゴール。ダノンバラードの瞬発力は素晴らしいもの。
一方のフェアープライドは、4コーナー手前で勢いづいて上がって来ている時でも1頭分外を走っている。やや外へ逃げ気味だったのかも知れぬ。
ケイコの動きや、キャンターの優雅な格好とは実戦が違うがまだ初戦、これからであろう。
毎年伝説の新馬戦となっているこのレース。果たしてここからどれだけの馬が羽ばたくのか、それぞれの将来を見てみたいものである。
日曜京都8R
かえで賞
芝1400m
勝ちタイム1.21.5
勝ち馬:ワイズリー(牡2、栗東・松元茂厩舎)
先週の新馬勝ちをしたばかりのワイズリーが、直線で一気に脚を使って集団をひと飲み。前半1000メートルを57.8とやや速い流れだったにしろ、ブービー追走の前半から使った脚は34.3。桁違いの脚を見せた。何か将来を感じさせる武器を持った馬の登場か。
ゲートでいちばん内のジンクアッシュが、ダッシュがつかない。外のエーシンジェネシスは下げた様子だ。ビットスターダムが押して出て行き、すかさずその内エクメーネも出て行く。
2ハロンを過ぎて、2番手のエクメーネがやや掛かり気味となっている。直後にサンライズポパイ、マスターグレイマンが続き、人気のスカラブレイはその間だ。
少し間が開いていた前2頭と接近して来たのが残り600メートル付近。
4コーナーの少し手前である。ここらではブービーのワイズリーも、馬群のいちばん後ろに取り付いている。1頭エーシンジェネシスだけが2馬身ぐらい離れる最後方だ。
そして4コーナーへと入って行く。4コーナーのカーヴを回る残り400メートルの地点では、もう馬群は全てが固まっている。スカラブレイは絶好位の4番手。サンライズポパイの外である。その直後の外にはスギノエンデバー、ワイズリーが外へ並んでいる。エーシンジェネシスも差はない。
カーヴを回って直線に入って来た時には、逃げたビットスターダムとエクメーネの直後にスカラブレイがいて、抜けて出てきそうな位置と手応えである。しかし馬群が固まっている。
残り300のあたりで、エーティーランボーが逃げた2頭の外から出て来て、その直後にスギノエンデバーとワイズリーが並び続く。やや内のスカラブレイの行き場がなくなっている。
残り200で、エーティーランボーが先頭に出ようとするところで、外から手足を一杯に伸ばしたワイズリーが一気に前へと出て行く。伸びがまるで違う。
スカラブレイは抜ける隙間がない。内からシゲルシャチョウがスルスルと出て前へと迫って行くが時間がない。
結局ワイズリーが、手綱を押すだけの作業でゴール板を駆け抜けていた。2着エーティーランボー、3着シゲルシャチョウ。そしてスギノエンデバーとスカラブレイと続いた。
ゲートを出た後の2ハロンめが10.9以外は、全て11秒台と平均に流れたこのレース。最後方を進んでいたエーシンジェネシスも、直線入り口では届きそうな一瞬もあったが、その後で内へもたれて万事休すだった様子。
ワイズリーは、4コーナー手前から上がっていく脚がかなり速い。逆にスカラブレイは、前半でやや隣りの馬とぶつかって頭を振ってしまうところを見せていたし、4コーナーあたりでも、まわりの馬を気にしたのか、左右に頭を降る仕草をも見せていた。またスペースがなくなる直線1ハロンで、まともにレースになってない感じ。いわゆる若さも出したし、不利な競馬を強いられて様だ。何せ、勝ったワイズリーの末脚が際立って目に付いた一戦であった。将来大きな仕事をしそうな感じのレースぶりであったのだけは、レース後に覚えたものであった。

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