ショウナンマイティなど《平林雅芳 2歳観戦記》(10/30・31)

トピックス

土曜京都5R
2歳新馬
ダ1400m
勝ちタイム1.26.8

勝ち馬
オウエイバスター(牡2、栗東・境直厩舎)

逃げたシゲルテイトクが軽快に飛ばす3コーナー。しかし、3番手のインでじっとしているオウエイバスターの手応えがかなり楽で、4コーナーを回る時もやはりいい。直線後1ハロンあたりでシゲルテイトクの脚が鈍るのと同時にあっというまに抜き去り最後は4馬身もの差をつけての快勝。オンファイア産駒も芝であれダートであれ悪くない。

ゲートでちょっとゼニバコが、アオリ気味のスタート。内からシゲルテイトクが前へと出て行き、オースミストーンホッコーハルママリアンヌシチーと続く。内へオウエイバスターが入ってくる。
3コーナーを先頭で回ったシゲルテイトク、なかなか軽快に行く。2番手にはオースミストーンが完全に上がって追走し、3番手の内にオウエイバスターがいるが手応えがいい。
4コーナーもシゲルテイトクはいい感じで回って直線へと入ってくる。オースミストーンの内を楽に抜いてきたオウエイバスターが前を追う。いい感じで行っていたシゲルテイトクだが、残り1ハロンで脚があがり出す。追いついたオウエイバスターはそのまましっかりと伸びていった。
ちょっとバテ出したシゲルテイトクに、ホワイトスパルタンにゼニバコが近づいてきたが、何とかギリギリ粘ったシゲルテイトクが2着はキープ。

ケイコでも、オウエイバスターはポリトラックであれ坂路であれ終い一杯に追われていた。ここらが直線での伸びに繋がっている。やはり新馬戦でもきちっと追われている馬が能力を発揮しやすい。シゲルテイトクは距離面が少し長いのかも知れない。最後の1ハロンが13・0とかかってしまった。でもいいスピードはあるし直ぐにでも勝てる馬であろう。


土曜京都6R
2歳新馬
芝2000m
勝ちタイム2.05.3

勝ち馬
サンビーム(牡2、栗東・山内厩舎)

外枠からサンビームが逃げてそのまま押し切ったが、この道中のペースダウンといい上がり3ハロンの速さといい、自在性のある馬と判る数字を残した。勝ち馬がいちばん速い上がりであがっているのだから、後続はなすすべもない。完全にひとり舞台であった。

スッと先手を取って行くサンビーム。2コーナーからのラップが、13秒台を5回も続けている。4コーナー手前からスピードアップ。そこからが11.9-11.2-11.2である。このサンビームにいちばん近づいたのが、スミヨン騎乗のユニバーサルバンク。道中も内々で脚を貯めていた馬が上位を占めている。1番人気のエーシンミズーリは3着には来たが、前から3馬身差、アンバーシェードは少しコーナーリングが拙く、外へ逃げ気味。そのアオリを喰った感じがモータウンサウンド。でも前から離されてただけに、体勢的にはあまり影響はなかったかも知れぬ。

このレースもほとんど前へと行った馬が残っている流れ。それでいて、これだけ直線でバラバラの入線となったのが、切れの差であろうか。勝ち馬と2着馬はなかなかのもの。あとは、ちょっと現状ではまだ切れが出ていなかったと言えよう。サンビームは、これでもかというぐらいにやっていた。日曜の東京競馬場で助手と話したが、かなりやってのデビュー戦で、能力もかなりありそうですとの事。次走がどれだけやるのか楽しみとなってきた。


土曜京都9R
萩S
芝1800m
勝ちタイム1.49.3

勝ち馬
ショウナンマイティ(牡2、栗東・梅田智厩舎)

《これは強い!》ゴール板を過ぎて行くショウナンマイティを見ていてそう思った。引き上げてきた武豊Jも『負かされるとはね~。強いな~、あの馬』と言って通過していった。ゴール前で内外が離れたとはいえ、メイショウオオゾラの完全な勝ちパターン競馬。そこをフィニッシュは手綱を押すだけでスッと交わしていくショウナンマイティ。信じられないものを見た思いだった。

スタートはペルシャザールの方が良かったか、メイショウオオゾラも悪くないダッシュ力。何となく様子を見ているうちに行く気となったのか、武豊Jが前を行く。後でパトロール・ビデオで見ると、ペルシャザールとメイショウオオゾラは、内外がかなり離れていた。

3コーナー手前では2番手の内にサトノパンサーが入る。その後ろがノヴァグロリアモスカートローザアルティシムスと続き、ショウンンマイティは後ろだが、先頭からはそんなに離れてはいない。
4コーナー手前で上がってくるべしのペルシャザールが、ちょっと外へ逃げ気味なのか、もたつきを感じる。そして直線へ入って来たが、メイショウオオゾラがいちばん内へと入って来て逃げ込みを図る。

一瞬のうちに差が開きだした感じを覚える。ペルシャザールの外をショウナンマイティがスッと交わして上がって来た。馬場の内をメイショウオオゾラ、外をショウナンマイティの伸び比べである。
ショウナンマイティは、鞍上の浜中Jのステッキが飛んでいる。残したかメイショウオオゾラと思った瞬間に、外をショウナンマイティが先に出てゴールを掛け抜けていた。

1ハロンまで叩いていたステッキも、残り1ハロンからは使っていないショウナンマイティである。恐るべき脚である。
表彰式とかを終えた浜中Jに聞いてみると、新馬勝った後も、足もとが弱くてかなり治療したりと時間をかけてやってきているそうだ。やはり能力はかなりのもので楽しみにしているとの事。いやはや凄い馬を見た感じであった。この馬、ひょっとする馬なのかも知れない、そんな競馬っぷりでありました。

ペルシャザールもゴール前で猛追した脚はやっぱりと思えるものであり、それと際どかったノヴァグロリアと、目立たなかったけれどもアルティシムスもそう負けていない。この一戦はレベルが高いものだったと思えるレースでありました。


日曜京都5R
2歳新馬
芝1600m
勝ちタイム1.35.1

勝ち馬
ダコール(牡2、栗東・中竹厩舎)

ディープインパクト産駒のワンツー・フィニッシュ。しかも勝ったダコールは、ゴール前は馬なりに近いもの。なかなか格好良かったでした。これでディープ産駒は20勝目(私の調べです)と流石の種馬成績を挙げております。土曜は佐藤哲Jが新馬完全制覇。日曜はディープの子供だけでも四位Jが2勝と、最近は同一ジョッキーの活躍の傾向であります。

逃げたのが一番人気のモズハリケーン。ちょっと先頭に行くまでに脚を使った感じもあり、3コーナーあたりからドリームボンバーにダコールがすぐ追走と、きつい流れだったかも知れない。直線あと1ハロンで失速気味となってしまう。

流れ的には1000メートル59.7の通過だから、そんなに速いとは思えないもの。その速めの3番手を楽に追走していたダコール、前を促す感じでの道中で、直線に入ってからも鞍上四位Jのステッキが1発飛んで気合を入れられると反応して、後はもう鞍上が何もしないままのゴールであった。
11.3~11.9のゴール前2ハロンのラップで3馬身チョイの差だが、最後は追ってない数字だけに、もっと縮まったはず。着差以上の楽勝劇である。

その2着も内々を追走していたハッピーグラスが直線で追い上げて確保。同じ様な位置からセイユウハートも3着に突っ込んできている。前へ行った2頭だけが直線伸びずで後は好位の馬が伸びてきた決着となった。

ダコールは、ポリトラックで62秒台をマーク。いくら時計の出るコースとはいえ、2歳馬ではあまり見かけない。そして直線で最後は馬なりとなるゴールと、完成度も違っていた様子。鹿毛も黒っぽい感じで、顔の流星も大きく流れるいい顔つき。頼もしいディープ産駒の勝利であります。

関西馬が29頭デビューで12勝目。関東を混ぜると43頭出走して20勝目の勝ち星となったはずだ。ハーツクライといいディープインパクトといい、新種馬の活躍が著しい。