≪アルゼンチン共和国杯≫池江泰寿調教師「失ったものを…」

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2歳時には葉牡丹賞・ホープフルSの出世レースを連勝。クラシックの有力候補に目されながらも、度重なる裂蹄に悩まされてきたトーセンジョーダン(牡4、栗東・池江寿厩舎)だが、待望の重賞タイトルをゲットした。

管理する池江泰寿調教師も「長いところ(距離)は合うと思っていた」とのジャッジの通り、レースは中団のインで脚を溜めると、3コーナー過ぎから、ジワっとポジションを押し上げ、直線は末脚を爆発させ、ゴールを駆け抜けた。

騎乗していた三浦皇成騎手も「返し馬の段階で、状態の良さや能力の高さが伝わってきた。初騎乗で先入観もなく、馬を信じて乗ることができました。さすがと思わせる強さだった。初めての距離も、池江先生から問題ないと聞いていたとおり。今後のGⅠが楽しみになる内容だった。この1年はずいぶん迷惑をかけたし、自分自身も苦しんだので、この重賞制覇は本当にうれしい」と、喜びを爆発させた。

また、管理する池江泰寿調教師の喜びもひとしお。
「3歳時の共同通信杯以来、2度目の重賞。57キロのトップハンデを課せられ、不安もありました。力を付けていることを改めて感じましたね。難なく突破でき、ほっとしています。(三浦)皇成騎手も研究していたようですし、指示といっても、ゲート内でのうるささや出負けてして押してもかからないといった馬の特徴だけ。うまく乗ってくれましたよ。
右前脚の裂蹄による長期休養が2回あり、競馬を教える前にリタイアしてしまった過去があります。なかなか素質を引き出すことができなかったなか、牧場のスタッフが懸命に治療してくれ、ようやくここまで強くなりました。伸び盛りの時期に失ったものをこれから取り戻していきたいですね。次走はオーナーと相談してからになります。中2週となるジャパンカップは厳しいかもしれませんが、有馬記念には進ませたいですよ」とコメント。

有馬記念への出走が現実となれば、厩舎の看板馬であるドリームジャーニーとの2頭出しになる模様。
昨年のグランプリを制した池江泰寿調教師が放つ、2本の矢は暮れのビッグレースでも、競馬界を席巻するだろう。