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-京阪杯-平林雅芳の目
2010/11/30(火)
土曜京都11R
京阪杯(GⅢ)
芝1200m
勝ちタイム1.08.0
勝ち馬:スプリングソング(牡5 栗・鶴留厩舎)
※※ 一旦は両サイドから抜かれるも、差し返す渋太さで重賞初制覇!
ティファニーケイスの内からエイシンダックマンが行く。やはりこの馬がいちばん速い。そしてそのまま1000メートルを56.4で行く。それでも直線半ばまでは先頭をキープ。しかしそこからは3頭のデッドヒートと、激しく場面は替わる。内のモルトグランデが先頭に立ったが、外の2頭が伸びる。ケイアイアストン優勢かと思えたゴール前に、俄然、スプリングソングがまた伸びてきた。
いやはやこの馬、前走、1年7ヶ月ぶりに出てきて快勝し、そしてそのまま重賞まで手が届いた。
苦節の時期を経て、見事に開花したもの。春の歌も近いのだろう。
スタートは一番に出ていたのがケイアイアストンであった。むしろスプリングソングはそんなに速くはなかった。そして先手は最内枠の1枠2頭。ティファニーケイスが先かと思ったら、やはり内からエーシンダックマンが出てきた。デビュー以来先手を譲った事がない馬であり、まして絶好の1番枠だ。この馬が行くのは、皆、判っているから、ペースはこのクラスとしてはそんなに速くない流れだ。10秒台が2ハロンめだけで、後は淡々と流れている。外からもやや内へ切れ込んでくるだけにどこかが狭くなる、そのアオリを喰ったのがダッシャーゴーゴー。
パトロールビデオで後で見たら、モロに狭くなり手綱を引かざるを得ないシーンとなっていた。外枠で引いてしまえば結果は判ってしまう。1000メートルが56.4。前半3ハロンが33.9で上がりも34.1と、ほとんど同じ様な流れである。内々を通る馬が俄然有利であろう。3番手のスプリングソングが、前の2頭から1馬身ぐらいの絶好のポジションでレースを進めて4コーナーへと入ってきた。
後続馬もドッと差を詰めてきた直線入り口だが、スプリングソングは馬場の真ん中へと出てきた。持ったままの手応えだ。
逃げたエーシンダックマンが最後の1ハロンあたりで止まりだす。後はスプリングソングをめぐる攻防となる。スプリングソングを間にして3頭馬体を並べての追い比べ。直線半ばでは、そのいちばん内へ潜り込んだモルトグランデが一旦先頭へと出ていた様子。
そしてスプリングソングの外にいたケイアイアストンも勢いで優っていた時もあった。しかしゴール前あたりから、またスプリングソングが池添Jの右ステッキで盛り返し気味となり、ゴールでは少しだけ前に出た様に見えた。
ゴール前では、スカイノダンやジェイケイセラヴィも来ていた様だが、実際にゴール前で見ている当方としては、後続と前の3頭では完全に勝敗への距離が遠く感じていた。
エーシンタイガーはこの枠では仕方ない結果だろうし、ダッシャゴーゴーも不利も受けたのもまさしく外枠だからだろう。
それにしてもスプリングソング、1年7ヶ月ぶりの長い休養を経ての再起である。この鶴留厩舎の井上信秋さんの実家が隣りの隣りとご近所さんで、お母さんが一人で住んでいらっしゃるが毎朝、攻め馬を終えて朝食を食べに寄っている親孝行な息子さんでもある。
鶴留師に聞けば《いっぱい勝っていたから思わなかったけれども、彼が初重賞だったよ》と言う程。何でも両方の前脚の手術をしての復帰だそうだ。
いや~本当におめでとうございました。苦しい時を耐えての見事な復活劇となりました。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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