美浦トレセンコラム;躍進の舞台裏

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前開催の中山競馬では5勝を挙げて先週終了時で32勝をマーク。
現在関東リーディング12位の田中博康騎手(21歳、美浦・高橋祥厩舎)。
このまま無事に勝ち星を積み重ねて行けば新人賞は確実でしょう。
その田中騎手に木曜日の朝、その週の騎乗馬がほぼ決まった様子なので各馬の話を聞いてみると、テン乗りのハズの関西馬のコメントがスラスラと出てきました。
良く知ってるなぁと不思議に思って理由を尋ねてみると、水曜の夜にその馬のレースビデオを細かくチェックしていろいろと勉強している、との事。
最近の目覚ましい活躍の裏には見えないところでの努力があったんです。
関東の有力騎手のエージェントにも目をかけてもらっているお陰で、この3日開催は土曜が8鞍、日曜が9鞍、月曜が8鞍と騎乗数も多く、重賞にも騎乗馬を確保して中身も充実しています。
同期のみならず2、3年目の若手にも刺激を与えているとか…
今後も関東の若手成長株No.1の活躍から目が離せません。


平地のレースで豪腕田中剛騎手(46歳、美浦・フリー)への乗り替わり、と聞くとどんなイメージでしょうか?
ズブい馬やナマクラな馬をどうにかして動かして欲しい、という意味での騎乗依頼が大半です。
その際に拍車を使うことも多いようです。
拍車とは両足のかかとに付けて馬の腹を圧迫し、刺激を与えてヤル気を起こさせるのに使用する馬具です。
特別レースなどの輪乗りで鞍下をめくっている姿がテレビに映ってしまった事も…レース後は馬のわき腹の辺りが血にまみれて凄いことになっているとか…
ある調教師は「まるでアブドーラザブッチャーの額みたいになっちゃってるんだよ」と昭和の名外国人レスラーの壮絶な戦いの後の様子を引き合いに出して例えていました。
競走馬として生き残るのは本当に大変なんですね。