-ラジオNIKKEI杯2歳S-平林雅芳の目

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日曜阪神11R
ラジオNIKKEI杯2歳S(GⅢ)
芝内2000m
勝ちタイム2.02.2
勝ち馬
ダノンバラード(牡2 栗東・池江郎厩舎)

※※やはりこの人、ディープの子供初重賞は武豊Jが似合う!

人気のショウナンマイティは直線に入っても伸びない。先に抜け出たオールアズワンに馬体を寄せるように迫ったダノンバラードが待望の重賞初制覇を父ディープインパクトに捧げた。やはり武豊Jがその栄誉の担い手であった。まさしくドラマチック、競馬っていいですね~と言いたくなる様な結末でありました。

ディープインパクトの子供が5頭も出走のラジオNIKKEI杯2歳S。先手を取ってレースを造って行ったのも、ディープの子供アドマイヤコリンだった。前半3ハロンを36.5とこれ以上ない流れ。そんな流れで、コティリオンが流れに乗れない。1コーナーに入る前に頭を上げてしまい、今日も折り合いに難を示す。2番手にビップセレブアイ、3番手ナリタキングロードと続く位置どりで、終始進めていく。向こう正面に入っても淡々と流れている。
ほとんどの馬がやや掛かり気味な感じだが、ショウナンマイティが鞍上が手綱を引く仕草。そんな遅い流れで、1000メートルが1.01.7で通過。後ろからマーベラスカイザーが外を回って動きだした。
人気馬では、ウインバリアシオンがいちばん前の4番手。内のユニバーサルバンクと並ぶ位置だ。その直後に2番人気のオールアズワン。プラス10キロと少し立派な体とパドックでは思えた。さらにその後ろがショウナンマイティ、少し内めでダノンバラード。コティリオンは内ラチ沿いを進む。マーベラスカイザーがさらに少しずつ順位を上げて4番手、そしてウインバリアシオンの外まで上がって行き、4コーナーへと入ってきた。

カーヴを回り、直線入口ではかなり後続馬も接近していた。マーベラスカイザーの直ぐ後ろへオールアズワンが上がってた。その後ろがダノンバラードが内で、外にショウナンマイティが並んでいた。イデアは、今日は外で一番後ろで直線へと入った。ラスト300のハロン棒あたりで、さらに馬群は凝縮された。オールアズワンがいい手応えでウインバリアシオンに迫っている。その内へユニバーサルバンクがいる。
各馬が追い出しにかかる。オールアズワンが、ウインバリアシオンの外へ馬体を並べて前へ出ようとする。その瞬間に2頭の直後にユニバーサルバンクが接近していてが隙間がない。
瞬間に躓いていた。安藤勝Jがチラっと内を見た。左ステッキを入れて前に出た、と思った時にダノンバラードが迫っていた。抜かせないオールアズワンだったが、ダノンバラードの勢いが良く、ゴール前で前へと出ていた。外からコティリオンが一気に伸びてきて、ウインバリアシオンを交わして3着となった。

パトロールビデオを何度も見る。ショウナンマイティは道中、特に向こう正面で掛かったりと、前走とは違う馬の様である。あの爆発的な脚がまったく見られずに終わった。ややテンションが上がり過ぎたのだろうか。
コティリオンは、まずスタートでフラつく様に出て、1コーナーの入りと3コーナーあたりでもやや行きたがる仕草。そして直線でも、前のアクシデントに反応して、外へと出てロスがかなりあってのもので惜しまれる内容。
ウインバリアシオンもオールアズワンもレースが開いていたが、そのギャップはなかったと思える。ダノンバラートが今回は最後までキッチリと伸びただけ。ステッキは並ぶ前に1、2発入ったが、後は手綱だけでのゴール。着差はクビだったが、それ以上の内容だったと思える。
今日のショウナンマイティの様に、まだまだ掴めない2歳馬の中身。あれほど大人びた競馬をする馬の印象を前走時に植え付けられたものだが、それがすっ飛んでしまうとは競馬は難しい。何か、いつもこのフレーズばかり。引き上げてきた馬上の武豊Jに、小さく握手を求めて、して貰いました。
いつもはGⅠの時しかしないけれども、今回は特別に求めたい気持ちでした。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。